美味しいカシカメ出来ました!〜セイヨウハバノリの試験養殖について〜
松江水産事務所では水産技術センター内水面浅海部とともに、セイヨウハバノリの試験養殖に取組み、島根県で初めて収穫に成功しましたのでご報告します。
ハバノリとは、全国各地の沿岸でごくふつうにみられる海藻です。食材として全国的な流通はしていませんが、千葉県や徳島県などでは大変珍重され、正月には欠かせない食材だそうです。
島根県、特に出雲地方沿岸部ではハバノリのことを「カシカメ」と呼び、イワノリとともに珍重されています。カシカメの板ノリは高値で取引されます。しかし、最近では高齢化等により天然物の収穫量が少なくなり、この養殖技術の確立が期待される海藻です。
ハバノリには、ハバノリとセイヨウハバノリの2種がありますが、加工の際には厳密に区別されてないようです。そこで今回は、セイヨウハバノリの試験養殖を行いました。
磯で採取したセイヨウハバノリ
試験養殖の方法は次の通りです。
春に天然のセイヨウハバノリから胞子を採取、その後、発芽した糸状体(盤状体)を増やすため、恒温室で光や温度を調整し、フラスコ内でしばらく管理します。
増殖した糸状体
フラスコ内で糸状体を増やしている様子
海面で養殖するためには、この糸状体をのり網に付着させる必要があります。そこで、恒温室から取り出し細断した糸状体を、のり網を収容した水槽で管理します。その後、糸状体から葉状体が確認できたら、海面での管理に移行します。
水槽で管理中ののり網の様子
のり網に付着した糸状体と葉状体(緑円部)
海面にのり網を設置して40日目のセイヨウハバノリです。場所ムラがありますが、大きく生長しました。
海面で生長したセイヨウハバノリ
収穫したセイヨウハバノリ
後日、収穫したセイヨウハバノリを板ノリに加工し、地元関係者の皆さまに試食していただきましした。試食した方々からは、「味・香りとも十分」、「すぐにでも商品になる」との高評価をいただきました。
板ノリに加工したセイヨウハバノリ
品評する様子(JF平田支所にて)
今回の取組みでセイヨウハバノリの養殖技術確立に向けて、弾みのつく結果を得ることができました。今後も地元関係者とともに、さらに取組みを進めたいと思います。
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