○作物名:キク
○病害虫名:キク茎えそ病
○病原名:キク茎えそウイルス
(CSNV:chrysanthemumstemnecrosisvirus)
○概況
平成20年9月、県東部の施設栽培のキクにおいて、県外から購入した苗に葉のえそ症状、茎のえそ・湾曲を示す株が認められた(図1~4)。本症状は、本県ですでに発生が認められているキクえそ病(Tomatospottedwiltvirus;TSWV)に酷似していたため、ELISA法による診断を試みたが検出されなかった。そこで、(独)九州沖縄農業研究センターに同定依頼した結果、Chrysanthemumstemnecrosisvirus(CSNV)に特異的なプライマーを使用したRT-PCR法により、本県未発生のCSNVによるキク茎えそ病であることが確認された。
本病は、21県(本県含む)で発生が確認されている(平成24年6月現在)。
○発生生態
病徴:茎えそ、葉の退色・えそ・輪紋、奇形を呈し、TSWVによるキクえそ病に酷似するため、病徴から病原ウイルスを特定することは困難である。
○伝染経路
ミカンキイロアザミウマにより永続伝搬される。また、感染した親株を用いた挿し穂等による栄養繁殖による伝染もある。種子伝染や土壌伝染はしないと考えられる。
○寄主範囲
キク以外では、ブラジルでトマトへの感染報告がある。
○防除対策
1)購入苗を使用する場合は、このような症状がないか注意する。
2)発生圃場では、感染株の抜き取り・埋没処分などを行い、二次感染防止に努める。
3)発生圃場の株を親株として使用しない。発病していなくても無病徴感染の疑いがあるので使用しない。
4)ウイルスの伝搬はミカンキイロアザミウマによって行われるため、媒介虫の防除を行う。
5)施設の開口部に防虫網や寒冷紗等を張り、施設内へのミカンキイロアザミウマの侵入を防ぐ。
6)圃場内及び周辺の雑草はミカンキイロアザミウマの繁殖場所となるので、施設内外の除草を徹底する。
○外部リンク日本植物病名データベース
図1葉のえそ症状図2葉のえそ症状
図3葉、茎のえそ症状図4湾曲症状
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