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○作物名:キク

○病害虫名:キクえそ病

○病原名:トマト黄化えそウイルス

(TSWV:tomatospottedwiltvirus)

 

○概況

平成16年12月上旬、出雲市の施設栽培キク(品種:神馬)において、葉の退緑斑点や茎のえそ症状を示す株が数株認められた。島根県農業試験場(現、農業技術センター)で病原ウイルスの検定を行った結果、キクえそ病(病原:TSWV)であることが判明した。

 本病原ウイルスの発生は、野菜類、花き類を中心に平成6年頃から全国的に急速に拡大しているもので、本県においては平成2年5月に安来市のダリアで初確認されている。その後、平成13年5月に瑞穂町(現、邑南町)、弥栄村(現、浜田市)のトマトやナスで発生が認められた。キクでの発生は初めてである。今後、本病原ウイルスの発生拡大や定着が懸念される。

 

○発生生態

 病徴:葉では、退緑斑点、輪紋えそを生ずる。茎ではしばしばえそ条斑となり、縦断面をみると維管束や髄部が褐変しているのが観察される。甚だしい場合には茎が湾曲し奇形となる(図)。

 

○伝染経路

 本病原ウイルスは、アザミウマ類によって媒介される。中でもミカンキイロアザミウマにより効率良く伝搬される。その他、接触伝染性は認められるが弱く、種子伝染及び土壌伝染はしない。

 

○TSWVの寄主範囲

 非常に広く、多種に及ぶ。

花き類:キク、ガーベラ、ダリア、ペチュニア、シクラメン、トルコギキョウ、インパチェンス、他。

 野菜類:トマト、ナス、ピーマン、レタス、ホウレンソウ、ネギ、他。

その他:タバコ、他。

 

○防除対策

 1)発生が認められた場合、二次伝染源にならないようにアザミウマ類を対象とした防除(薬剤散布や除草等)を徹底するととも

に、発病株を早急に抜き取り処分し、圃場内外の作物及び雑草等への感染を防ぐ。

 2)ハウスなど施設の開口部を光反射ネットで覆い、アザミウマ類の侵入を防ぐ。

 

外部リン日本植物病名データベース

 

 葉の輪紋えそ、茎のえそ条斑(左)茎内部の褐変(中)湾曲した重症株(右)の写真

葉の輪紋えそ、茎のえそ条斑茎の内部の褐変湾曲した重症株

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
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