私たち建築関係技術職の仕事は多岐にわたり、そのひとつひとつが県民の安全、安心な生活に無くてはならない重要な仕事です。ここでは島根県が近年進めている取組を「仕事のキーワード」として紹介します。島根県は、山積する課題を解決するために、皆様の新しいアイディア、実行力を求めています。

• 建築工事の品質確保

島根県では県内建設関係団体、設計者団体、県及び県内全市町村が連携し、「島根県公共建築品質確保推進協議会」を組織しています。公共建築工事の発注者と受注者が連携し、公共建築物の品質向上を目的に、研修会や見学会などを様々な企画を行っています。

• 建築現場の働き方改革

島根県の公共工事では週休２日工事に試行的に取り組んでおり、令和６年度からは全ての県発注工事を週休２日指定として発注します。また、男女別トイレの設置等の快適トイレの設置や、ペーパーレスのため情報共有システムを用いた工事監理など建築現場の働き方改革を促進します。

• 建設業への入職促進

島根のインフラを支え、地域経済を支える建設業は島根県に無くてはならない産業です。災害発生時にも復旧、復興の大きな力となります。建設業の魅力を伝え、高校生、大学生に選んでもらえる産業となるため、業界団体と連携し、高校生向け現場見学会やＰＲ冊子の作成、工業高校教員との意見交換会など若手技術者の入職を促すための取組を進めています。

• 県産木材の利用促進

島根県は県土の約８割を森林が占める全国屈指の森林県です。この森林資源を有効に活用するため、県が整備する公共施設への木材利用を進めています。新築建物の木造化に加え、内装の木質化（壁・天井の木質仕上げ）など構造種別によらず、可能な限り県産木材を使用するよう心掛けています。

• 国スポ・全スポ

2030年に島根県をメイン会場として国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会が開催されます。全国からの選手、スタッフを受け入れるため自転車競技場の新築、各競技施設の改修が計画されています。島根県の建築関係技術職員は競技施設、練習施設の整備を通して国スポ、全スポの成功に全力を注ぎます。

• 公共建築月間、公共建築の日

国土交通省では毎年11月を公共建築月間、11月11日を公共建築の日と定め、公共建築物の魅力を広く発信する取組を全国で行っています。島根県でも毎年11月に県内各地の県有施設で講演会や見学会などのイベントを開催しています。毎年多くの県民に参加いただいています。

• BＩＭの利用促進

県の建築工事におけるＢＩＭ（BuildingInformationModeling）の利用について検討を進めています。建築現場の生産性向上、働き方改革に資するＢＩＭが、島根県の公共建築現場で利用されるよう取組を進めます。

• 公共建築物の長寿命化

庁舎や文化施設、学校等の県有施設をより長く使い続けていくため、不具合がでる前に修繕をすることで建物の寿命を延ばす「建物の長寿命化」を推進しています。建築関係技術職員が中心となり、各建物の劣化状況を調査し、修繕の優先順位を付けたうえで、効率的かつ計画的に建物の修繕を実施しています。

• 施設管理の一元化

建物を維持していくためには、建築設備の運転や定期的な点検、警備、清掃、ゴミ収集など、多くの専門家の力を必要とします。これらの業務を県内に点在する各施設で個別に発注するのではなく、管財課で一元的に適切な仕様に見直したうえで発注することにより、効率的かつ適正な施設管理に取り組んでいます。

• 県有施設の魅力発信

島根県には長く県民に使われ続けている、魅力的な建物がたくさん存在しています。特に松江市の県庁周辺には建築家安田臣氏と菊竹清訓氏の設計によるモダニズム建築群があり、これらの建物の魅力を広く発信するため、見学会やスタンプラリーなどのイベントを企画しています。

• 県庁庭園水燈路「結いとうろ」

毎年秋に行われる松江水燈路に合わせ、県庁舎のライトアップイベント「結いとうろ」を開催しています。建築関係技術職員が中心となり企画から運営まで行い、県有建物の魅力向上に取り組んでいます。

• 建築資料のアーカイブズ化

令和5年11月、県庁地下倉庫から県庁舎設計時の手書の設計図が発見されました。これをきっかけにこれまで保存されていた島根県有施設に関する建築資料の整理を行い、将来的な活用（公開）に向け取組を進めます。

• 建築関係技術職員スキルアップ行動プラン

概ね採用後10年目までの職員を対象として、技術職として身に着けるべき能力を見える化しています。毎日の職場でのOJTに加え、技術的な研修や資格試験の模擬試験を実施するなど、職員のスキルアップに組織として取組んでいます。

• 建築関係技術職員リクルート（職員採用の強化）

私たち公務員の仕事は、県民生活に無くてはならない仕事であるものの、その実態は分かりにくく、何をしているのか理解されにくい側面があります。県では、就職説明会やインターンシップの実施、職務紹介チラシの作成、配布など、高校生、大学生に就職先として選んでもらえる職場を目指し取組を進めています。