須山議員(民主県民)
(問)高等学校の学力向上について
1.大手予備校などによるセンター試験結果の調査に対してどのような分析をしているのか伺う。また、県としてはセンター試験の結果に関するデータを持っているのか伺う。
2.「しまね学力向上プロジェクト」の進捗状況と成果、今後の方向性について伺う。
3.今後、県内高校生の学力の実態をどのように把握し、学力向上に向けどのように対応するのか所見を伺う。
(答)教育長
1.まず、センター試験の自己採点結果についてです。
先日、新聞で報道されましたデータは、業者が受験者の自己採点結果を集計したものを進路指導の参考とする、という意味で、校外に提供しないということを条件に各高校に配布したものであります。業者の方でも、公表をされていないわけであります。
このデータは、国公立大学の受験に必要な5教科型の合計点でありまして、本県の場合には昨年に引き続いて残念ながら46位となっております。
しかしながら、このデータは都道府県ごとの集計率に相当の差がありまして、島根県の場合には飛び抜けて高い提出率になっています、約9割になっています。とりまとめた業者に照会したところでは、得点の低い受験者が自己採点結果を提出しなければ当たり前のことではありますが、平均点が上がるため、集計率の低い都道府県が上位にきていると聞いております。
データが掲載された冊子にも「都道府県ごとの学力・成績を表わすものではない」と記載されておりまして、このデータはこうしたことを踏まえて取り扱う必要があると考えております。
一方、別な角度から分析してみますと、昨年度でありますが、高校生千人あたりの国公立大学合格者数についてみますと、島根県は中四国地方でトップの割合となります。
また、学力の基準として必ずしも適切ではありませんが、以前に比べて、国公立大学やいわゆる「難関大学」の合格者数が減少しているということはまちがいない事実でありまして、そうしたことから学力向上に向けた対応がいま喫緊に必要であると考えております。
なお、センター試験については、試験を実施しております大学入試センターは、詳細な採点データについては公表いたしておりません。
2.3.次に、「しまね学力向上プロジェクト」の状況と、今後の学力向上対策についてであります。
18年度から「しまね学力向上プロジェクト」によりまして、小中学生の学力調査を行いました。その結果に基づいた課題に対応するために、特に不足しております家庭の学習時間を増やすこと、そのためにも学習プリント配信システムを導入しまして取り組むとともに、教員の授業力向上を図るために授業力向上セミナーなどを実施してまいりました。
その結果、徐々にではありますが、小中学生の学習時間が増加の傾向にある、高校1年生の模擬テストの成績の上昇、研究授業などの授業力向上へ向けた取組の増加などの成果があらわれてきていると考えております。
しかしながら、家庭学習時間は依然として全国平均以下であること、また、教科指導の中核となるリーダーが不足していること、あるいは小学校・中学校・高校・大学それぞれの連携が不十分であることなどの課題が浮かび上がっております。
そこで、来年度からは、これまでに明らかになった課題の解決に向けてより強力に取り組んでいきたいと思っております。
具体的には、家庭学習の手引の作成、あるいは教科指導リーダーの養成、小中・中高の連携による学習研究などをして、これは従来から取り組んでおりますが、現場と一体となってより徹底した取組を行ってまいりたいと思います。
また、新たに、医師確保対策と結びつけた生徒対象といたします勉強合宿を、島根大学と連携して行う、これは夏休みに行うことなどを計画しております。
また、県内高校生の学力向上には、高校同士が連携して、今まではそれぞれの高校がいわばそれぞれ競争相手のような形でやっておりましたが、蓄積してきた学力に関するデータを共有しまして、組織的に分析するなど、県全体の学力の実態や取組の成果を把握するということが必要であります。
こうした取組を推進するため、新たに学力向上対策を統括する調整監を高校教育課に置きまして、校種や学校の枠を超えた、いわば「チームしまね」として県全体で総力をあげて学力向上に取り組んでいきたいと考えております。
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