議決第34号
(松本文化財課長)
議決第34号島根県文化財保護審議会に対する諮問についてお諮りする。
文化財保護条例第4条第3項に規定する島根県文化財保護審議会に対する諮問事項は、大空の山桜を島根県指定天然記念物として指定することについてである。
資料2の2頁をご覧いただきたい。種別は天然記念物、名称は大空の山桜、員数は1株である。所在地は八束郡東出雲町大字揖屋町字家ノ上3130番の1で、所有者は個人となっている。個体の規模は、樹高が約15メートル、胸高の幹回りが3.4メートルの大きな木である。枝張りが東西約23.1メートル、南北約18メートルである。樹齢は推定で400年位と言われている。
ヤマザクラはバラ科サクラ属の落葉高木で、日本の野生の桜の代表的な種であり、古くから和歌などにも詠まれている。桜の品種としてはソメイヨシノが非常に有名であるが、ソメイヨシノは江戸時代の末期に品種改良により作られ、接ぎ木によって殖やされてきたクローン種である。一方、ヤマザクラは古くからの原生種であり、日本列島から朝鮮半島に分布している。
今回、指定の対象としたい木は、国道9号線の揖屋町五反田の交差点から南へ4、5百メートル入ったところの丘陵にある。当該巨木に隣接して大空荒神があり、毎年9月28日に地区の方によってお祭りが行われている。また巨木も古くから知られているので、地元では顕彰活動も盛んに行われているということである。現在の樹勢は大体旺盛で、葉はよく茂っており、開花時には桜色の花が巨木を飾って、満開時には道路沿いや集落からもその偉容を眺めることができる。
県内における指定の桜は、国指定が1件、県指定が6件であるが、種類はエドヒガン又はシダレザクラであり、ヤマザクラの指定はこれまでなかった。これまで指定された桜の多くが植樹されたものであるが、今回は自然生の山桜である点が学術的にも非常に重要であるということである。
提案の理由としては、この大空の山桜は県内でも最大級のヤマザクラであり非常に貴重である。また、この山桜は五反田地区のシンボルとして手厚く保護、顕彰活動が行われている。そうした点から、指定し保護すべき価値があるということである。
3月16日開催の文化財保護審議会において諮問事項として提出することとしたい。
(北島委員長)
こういった文化財の指定については、例えば地元の揖屋町から推薦があるものなのか。
(松本文化財課長)
地元からの推薦を受けて、文化財保護審議会の植物専門の委員に調査していただき、県指定に値するかどうかを判断するということになる。
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