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議決第20号

(松本文化財課長)

 議決第20号島根県立古代出雲歴史博物館の指定管理者の指定についてお諮りする。

 島根県立古代出雲歴史博物館の指定管理者の指定については、博物館条例の規定により、公募により募集し、教育委員会で選定を行い、議会の議決を経て指定できることとなっている。選定を厳正かつ公平に行うため、教育委員会で選定委員会を設け、候補者の選定を行った。申請内容を審査した結果、資料6の1に記載している者を候補者として選定することとし、11月定例県議会へ指定についての議案を上程し、併せて平成23年度から27年度までの債務負担行為議案を上程したい。

 選定結果についてご説明する。指定管理者の業務は、博物館の観覧料の徴収に関する業務、博物館の広報及び誘客に関する業務など2(2)のとおりである。指定管理者の候補者は「ミュージアムいちばた」である。これは一畑電気鉄道、丹青社、近畿日本ツーリストの共同事業体である。指定する期間は平成23年4月1日から5年間ということである。

 申請団体は「ミュージアムいちばた」1社のみであった。選定委員会において、申請団体から提出された提案書類に基づく書類審査と面接審査を行い、採点表により評価を行った。選定委員会の委員は6の3の名簿のとおりであり、5名の方にお願いしたところである。審査の結果、各評価項目とも標準以上であった「ミュージアムいちばた」を委員の全員一致により候補者として選定することとなった。候補者が評価された点は次のとおりである。

 この「ミュージアムいちばた」は、当館がオープンした平成18年度からこれまで5年間指定管理業務を行ってきた者である。5年間の実績、経験を基にして、博物館の展示事業とタイアップした四季折々の多様な普及交流活動や民間で培ったノウハウやコスト感覚を活かしながら、入館者に博物館の魅力を十分アピールできる提案がなされている。集客目標の達成に向けて、グループ構成員3社それぞれの特性を活かした広報、誘客活動の充実のための人員体制の強化が盛り込まれており、誘客のための商品開発を全国規模に展開するための具体的な対応も提案されていた。

 また、来館者が安全に安心して利用できるよう施設の経年劣化を見据えた適切な維持管理手法、点検手法が提案されており、建物・外溝の美観維持、環境への負荷を軽減する省エネルギー推進が過去5年間の経験から具体的に示されていた。将来の5年となると、いろいろな施設が経年により劣化したり、変化したりしていくが、そういったことも見据えた計画となっていたということである。

 公募のスケジュールは6の2の2(7)のとおりである。10月15日金曜日に申請書類の受付を締め切った段階で、1社だけの申請であった。選定委員会は10月26日火曜日に開催したところである。

 指定管理料の額は、公募額が5年間で13億8,188万円であったのに対し、応募額は13億7,436万円であり、差額は752万円ということであった。債務負担行為として平成23年度から27年度までの5年間の限度額を、総額13億7,436万円ということで設定したいと考えている。

(安藤委員)

 現地説明会には候補者以外の企業の参加があったのか。また、「ミュージアムいちばた」は3つの企業の共同事業体ということだが、博物館管理の他に何か事業を行っているのか。

(松本文化財課長)

 現地説明会には「ミュージアムいちばた」の構成員3社のほか、フジビルという会社とレテックという会社の5社の参加があった。この内、フジビルは一畑電鉄の関係会社である。

平成17年度に公募した際は、「ミュージアムいちばた」の他にさんびる、乃村工藝社、SPS(サントリーパブリシティサービス)グループの共同事業体から応募があり、2グループであった。

 また、「ミュージアムいちばた」として行っている事業は、古代出雲歴史博物館の管理のみである。

(土田委員)

 前回の指定管理料はどのぐらいであったか。

(松本文化財課長)

 前回は5年間で12億4,115万3,000円であった。当館は平成19年3月10日にオープンしているので、4年1か月分ということになる。

(渋川委員)

 公募スケジュールについて、公告から申請書受付締切までが1か月半ぐらいとなっている。非常に短期間であるが、事前情報などはあるものか。

(松本文化財課長)

 事前情報はない。

(金築教育次長)

 県の方で指定管理者の公募ガイドラインを作成しており、公募期間として40日間は確保するというようなことを定めている。

(渋川委員)

 入館料収入はどこに入るのか。

(松本文化財課長)

 県の収入となる。

(渋川委員)

 県からは目標とする入館者数、入館者収入を提示するのか。

(松本文化財課長)

 年間約15万人の入館者を見込んでおり、入館料収入は6,100万円を1つの区切りとして設定している。目標を上回るとインセンティブとしてその20パーセントが指定管理者の収入となり、反対に目標を下回るとマイナスに働くという仕組みになっている。

(北島委員長)

 1社のみであっても点数が低い場合、採用しないということもあるのか。

(松本文化財課長)

 最低の点数基準を設けているので、それを下回れば不合格ということになる。

(渋川委員)

 採点表を見ると、誘客・広報事業等の考え方の内、自主事業等の提案という部分の点数が低くなっている。こういった部分について、県から何か意見を伝えたりするのか。

(松本文化財課長)

 この部分はやはり一番期待されているところであり、選定委員からも厳しい評価を受けたところである。誘客・広報事業については、附帯意見として頑張っていただきたいとされた点である。

(山本委員)県の職員が担う業務と指定管理者が担う業務の棲み分けはどうなっているのか。

(松本文化財課長)

 県は計画策定や進行管理といった博物館全体のマネジメントを行うほか、学芸業務、学校教育などへの交流・普及業務などを行う。指定管理者は総合案内、利用促進、入館料徴収、警備、清掃といった業務を行う。

 博物館や美術館については、指定管理者に全ての業務を実施してもらうことは馴染まないと考え、このような形を取っている。全国的には島根方式と言われており、県立美術館も同様な形を取っている。

(北島委員長)

 「ミュージアムいちばた」はオープン当初から管理を行っているので、事情をよく知っており、よい部分はあると思うが、1社しかないと競争原理が働きにくいと思う。5年後の次回は、もう少し競合して新しいアイデアが生まれ、マンネリ化しないような形を期待したい。

(金築教育次長)

 選定委員会の中でも地元の企業を育てるべきではないかという意見があり、そういった検討も必要ではないかと考えている。また、コスト面については、実際に県外の業者が安いコストで指定管理者となったものの、床の清掃なども行き届かず、施設の老朽化が進んでしまったような事例もあるようである。このようなことから、評価のウエイトについては、県のガイドラインで価格面を20、コスト全般に関する部分を30、誘客などを含めた品質管理に関する部分を50とする仕組みを作っている。

(今井教育長)

 地元を育てたいが、誘客するためには全国的な企業が入っている方が施設にとってはいい面もある。コスト、ノウハウ、地元への利益など全体のバランスをどう考えて行くかが非常に難しい部分である。そういったことを考慮して、地元の企業が育つような仕組みを考えていきたいと思う。

(安藤委員)

 5年間の間に業務内容のチェックはどの程度行われるのか。

(松本文化財課長)

 今回選定委員をお願いした5名の方に、毎年何回か評価をしていただき、改善すべき点などについての意見もいただく予定である。

 

 


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