報告第51号
(大矢社会教育課長)
報告第51号「ふるさと島根」子ども交流の旅事業についてご報告する。
この事業は、島根県の児童・生徒が県全域の自然、歴史、文化を学び、ふるさとを愛する心を育むことを目的に実施するものである。事業は2種類あり、1つは東西それぞれの子どもたちが相互に地域を訪ねて歴史文化を学び、交流する体験学習を行うものであり、事業期間は平成21年度から23年度までの3年間である。もう一つは、県内のふるさと教育実践校の代表グループ等が隠岐で一堂に会して交流会を開催したり、体験学習を実施するというものであり、平成22年度1回の事業である。3年間の予算額は2,040万円となっている。
今年度は事業実施がほぼ終わっている。まず、「ふるさと島根」東西交流の旅として、石見コースは期間は7月27日から29日までで、322名の応募があり、89名が参加した。津和野あるいはグラントワといったところを訪問して交流を実践した。また、出雲コースは期間は8月23日から25日までで、103名の応募があり、84名が参加した。古代出雲歴史博物館、出雲大社あるいは八雲立つ風土記の丘などを訪問し、県立青少年の家に滞在して交流を実践した。
2つ目の「ふるさと教育」交流の旅in隠岐は、ふるさと教育の実践交流事業である。期間は8月4日から6日であり、参加校は各教育事務所から1校ずつ推薦してもらった。布部小学校、塩津小学校、大森小学校、日原小学校、中条小学校が参加し、それぞれ大変特徴のあるふるさと教育の内容をご披露いただいた。布部小学校は椿油の伝統的な製造、塩津小学校は3世代の交流や神楽、大森小学校は銀山の愛護少年団の長年の取組と合唱、日原小学校は高津川を中心にした学習活動、中条小学校は園芸米というように地域の取り組みを披露して、それぞれ交流を深め、非常に充実した体験をした。島外の子どもたちは、ほぼ全員が初めて隠岐を訪ねたということであった。
今回、津和野町では100名の地域住民のボランティアのご参加をいただき、2泊3日というゆったりとした時間の中で体験学習ができた。ふるさと教育実践交流会等については、30分の番組となり、広く県民に広報することができた。今年は酷暑の続く中での事業であったが、大きな事故もなく、無事に実施されたところである。今後は、事業の様子を記録したもの等を通じてふるさと教育を更にレベルアップしていきたいと思っている。現在アンケートを集計しており、今後の取り組みの参考としたい。
(北島委員長)
東西交流の旅の石見コースは322名の応募に対して、参加者が89名ということだったが、選考はどのようにして行ったのか。
(大矢社会教育課長)
昨年度の参加者は除き、事業主体の文化振興財団を中心に、公平を期するため、ランダムに選ばせていただいた。選考後、若干のキャンセルがあり、最終的に89名という数字になった。
(渋川委員)
計画では平成23年度に終了するということか。その後は何か考えているのか。
(大矢社会教育課長)
今回の事業では、国の経済対策も活用し、参加者の負担は3,000円程度と大変安くなっている。これと同等という訳にはいかないと思うが、この3年間で行う東西の生活圏域を超えた交流の旅のノウハウは、文化振興財団の中に残るので、今後も県内の子どもたちが島根県を体感できるような取り組みを検討していきたい。
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