報告第36号
(清井生徒指導推進室長)
報告第36号平成21年度小・中学校における不登校の状況についてご報告する。
これは、毎年、文部科学省が年間30日以上の長期欠席者の内、各学校が不登校と認めた児童生徒数の状況を発表するものである。
本県においても、この文科省の発表に準じて私どもが資料を作成し、公表したものである。まず全体であるが、資料8の2をご覧いただくと、小・中学校合わせた公立学校の不登校は758名である。前年度に比べて49名減っている状況である。この1.29%というのは、小・中学生全体の5万8,588人に対して758人ということである。
ここ4年来、不登校の数が減ってきている。平成19年度から1.46、1.35、1.29と減ってきているが、小学校の低学年のところで若干増加しており、小学校は197名、0.51で前年度と比べると、15名増えたというところである。中学校はマイナス64名ということで、トータルとしては減ってきているという状況である。
そして、8の2の丸2で不登校の状況について調査したところ、小学校2年生、3年生、4年生、6年生で数字が増えた。原因はなかなか特定できるものではない。
これに対応するために、特に今年度は保・幼・小の教員に対して研修を行う小1プロブレム対策事業を始めている。また、もう一つ不登校未然防止実践モデル事業という2つの事業を実施している。これらの2つの事業を始めているので、この効果を待ちたいと思っている。
丸3のところに不登校になったきっかけというものがあり、この中には、いじめを除く友人関係がある。仲間づくりが不得意であるとか、集団の中に入っていけない子どもがここのところに入っている。また、その他本人に関する問題というものもあり、極度の不安や緊張感などがここのところに入っている。
丸4のところである。これは全国と本県を比較したものであり、指導の結果、登校できるようになったという子どもは全国の30.4%に比べて、島根県は34%となっており、数字で見ると、指導を加えることによって子どもが学校に来られるようになったという率が非常に高くなっている。その下のところでも、継続した登校にならないけれどもいい変化が見られた子どもも本県は21.5%という数字である。
次に8の3の丸5のところをご覧いただきたい。特に効果があった措置であるが、スクールカウンセラー、相談員などの専門的な相談、家庭訪問、それから保護者の協力を求めた取組などが効果があった学校の措置となっている。
丸6のところは、教育支援センターの機能、スクールカウンセラーによる専門的な指導・相談を受けたという数字である。そして、丸7のところで、指導要録上出席扱いとした児童生徒数とあるが、これは学校長が、いわゆる教育支援センターにおいて、通常の学校の教育課程とみなすと認めた子どもの数であり、これは出席扱いにすることとしたというところである。丸8は、学校に来なくても郵送・ファックス等、あるいはIT講義等も使って子どもが学習したというところを指導要録上で出席としたという数字である。
8の4は、最初にご説明した小・中学校の不登校の数の推移である。全体は徐々に減ってきているという中で、小学校で0.51と増えたことを示している。中学校の方は非常に指導の効果が出ており、下がってきたというところである。ここまでの状況を教育委員会として公表した。
更に8の5については、今日の教育委員会会議の資料として用意したものである。これは小・中学校合わせた不登校の子どもの数を出しており、18年度、19年度、20年度とグラフで示している。8の6には、小・中学校の経年比較を載せている。
(渋川委員)
小学校で学年が上がるにつれて増えている一方で、小6の子どもが中1に上がったときの増加が少なくなっており、中学校で減ってきている。何かそこにヒントがあるような気がするがどうか。
(清井生徒指導推進室長)
本県の場合、小学校から中学校1年に上がる子どもの不登校は2倍だが、全国は3倍となっており、全国に比べて小学校から中学校に上がる子どもの不登校の数が少ない。また、幼稚園から小学校というところでは、原因が特定できないところではあるが、小学校2年、3年になって何らかの課題があるだろうということで、先ほど申し上げた小1プロブレム対策事業で、保・幼・小の連携ということに取り組んでいるところである。
(北島委員長)
最近ニュースなどでよく虐待のことが話題になる。8の2の丸3の中に家庭の不和とか親子関係を巡る問題というものがあるが、虐待の可能性があるという読み方もできるのか。
(清井生徒指導推進室長)
虐待の報告は、県立学校については各学校から私どもを経由して、市町村立学校については各市町村教育委員会を経由して、それを市町村と児童相談所に連絡するというシステムがある。しかし、今のところ、この数字を出すときに虐待という聞き取りをしたことはなく、この中に虐待が含まれているかどうか定かではない。
(安藤委員)
県立高校の不登校のここ数年間の推移について、今、わかるところで教えて欲しい。
(清井生徒指導推進室長)
高校については、今年の秋に同じような形でお示ししたいと思う。平成21年度の中途退学、問題行動の状況については減ってきているが、一方で不登校がやや増加したというところである。この秋に全国との比較等をご報告したいと思う。
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