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報告第85号

 

(大矢生涯学習課長)

 報告第85号「ふるさと島根」子ども東西交流の旅事業の実施報告についてご報告する。

 この事業は、緊急経済対策の一環として6月補正予算において措置された事業である。ふるさと島根を愛する子どもたちの心を育むために、東西地域のそれぞれの児童たちが、県東西部地域の施設を相互に訪れることによって島根全体の自然、歴史、文化を学び、交流する事業を実施したところである。

 対象は小学校5、6年生ということで実施した。実施主体は財団法人島根県文化振興財団である。3カ年全体の事業を今年度に予算措置しており、今年度分としては440万円で、平成22、23年度分として1,600万円であるので、全体的には2,040万円の事業である。今年度ワン泊チャレンジと銘を打って「ふるさと島根」子ども東西交流体験事業を実施した。

 出雲コースについては、10月11、12日に実施して、風土記の丘や松江城、また一畑電車に乗って、歴博や出雲大社本殿の改修特別見学ということで、宿泊先は県立青少年の家で94名が応募をして、参加者は78名、うち出雲部が13名、石見部が65名という内訳である。

 石見コースについては11月14、15日の多少雨まじりの日であったが、津和野町、グラントワ、アクアス、石見銀山を訪問して、宿泊は少年自然の家で、応募者が大変多く、288名であったが、参加者はインフルエンザ等の影響もあり73名で、出雲部が58名、石見部15名という内訳であった。

 この事業を実施するに当たり、事業の目的に沿った形で、見学だけでなく体験や交流を実施して事前の学習等にも配慮した。経済対策という観点もあり、JR、バス、電鉄など複数の交通機関を利用した。インフルエンザには最大の注意を払い、ぎりぎりまで実施するか検討したが、無事に予定どおりできたところである。

 結果として、150名余の子どもたちにそれぞれの地域を体感させ、交流もできた。観光ボランティアをはじめ、地域のボランティアの大きな支援を受けて、大人との交流も十分できたと思っている。今後はアンケートを分析して、来年度以降に反映したいと思っている。特に隠岐の子どもたちが参加できる条件整備をしていきたいと思っている。

 平成22年度の事業は、今年度と同様な東西交流体験事業に加えて、ふるさと教育実践校の代表を一堂に集めた事業も行うことにしている。アンケートの結果は資料6の3からである。

 回収率は70%程度であった。48名の回答の中で、松江城を初めて訪問したのは29名で、全体では6割であるが、石見部の子どもたちは松江城を見たのは7割が初めてであった。一方、出雲大社は全体では3割の子どもたちは初めてで、石見の子どもたちは4割であった。一番印象に残ったのは、友達ができたことが1番で、松江城、フォーゲルパーク、出雲大社と続いている。楽しかったところはどこかというとフォーゲルパークが一番楽しかったようである。出雲については、歴史が勉強になった、文化財がたくさんあるという意見が多かった。

 今後はゴビウスや隠岐、堀川遊覧に行ってみたいと言っている。友達ができたということが大きな感想になっている。2泊3日でゆったりした時間が欲しいということもあった。個々の感想を見ると、初めての人でも頑張れば意外と話せるとか、出雲大社の本殿の改修工事については、感動しているようである。益田には城がないけど松江城を見て大きさにびっくりした感想も持っている。知った子どもが1人もいない中で参加でき、有意義に過ごせたという保護者のコメントもあった。

 石見コースを見ると、出雲の子どもたちは、石見に行ってる子どもは少ないというアンケートの結果である。全体でも津和野を初めて訪れた子どもたちは8割で、出雲部に限って見ると9割の子どもが初めて津和野に行ったと言っている。石見銀山についても7割の子どもたちが初めてであり出雲の子どもたちだけ見ると8割ということで、やはり出雲の子どもたちが石見に行く機会が少ない結果だと思われる。一番印象に残ったのは、石見銀山、そして石見神楽、友達との交流ができたことが挙がっている。楽しかったところは、アクアス、それから少年自然の家での宿泊研修が楽しかったようである。印象としては、自然が豊かだという意見が多かった。

 今後行ってみたいところは隠岐、そしてサンドミュージアム、三瓶が挙がっている。個々の意見を見ると、同じ県内なのに行くのに3時間もかかってどれだけ細長い県かわかったとか、実は津和野で200人の動員を組んでもらって、地域の大人がボランティアで事業を支えていたが、津和野の人は優しくてびっくりしたとか、保護者のコメントの中にも出ているが、子どもが何度も、豚汁とおにぎりがおいしかったと言っていたということで、強い印象を与えたことが見てとれると思う。こうした事業を来年、再来年も引き続き行い、コミュニケーション能力というのも、こういうところで初めての子どもたちとどうつき合っていくかという訓練にもなると思っている。

(山本委員)

 参加した子どもは、学校別で見ると、同じ学校に片寄ることなく様々な学校から参加されたのか。

(大矢生涯学習課長)

 募集については、8月の終わりから9月にかけて全市町村にチラシを持ち回って、小学校5、6年生に対して配布している。全県的に応募は来ているが、先着順ということもあったので、ばらつきは多少あったと思う。

 

 


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