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報告第81号

 

(鴨木総務課長)

 報告第81号新型インフルエンザについてご報告する。

 最近の新型インフルエンザに関する動向の主なものをまとめている。

 資料2の1について、公立学校の臨時休業措置をどのようにとってきたかということを最近の1カ月間について整理をした表及びグラフである。臨時休業措置を最も多くの学校がとった日が11月27日である。11月27日には、その日時点で何らかの臨時休業措置、具体的には学級閉鎖であったり、学年閉鎖であったり、場合によっては全校閉鎖まであるが、そのいずれかの臨時休業措置をとっている学校が105校あったわけである。中でも小学校が71校、中学校が25校、これがピークであった。それ以降、週を追うごとに減少傾向になっており、昨日時点でグラフ、表の右端のとおりピーク時に105校であったものが36校に、そのうち小学校はピーク時71校が26校に、中学校はピーク時25校が4校に減ってきている。

 資料2の2について整合性のある数字になっている。県内の定点医療機関として38の医療機関があるが、そこでインフルエンザ様疾患と診断された患者数が、インフルエンザの流行状況を把握する目的で定点医療機関の観測が行われている。資料2の2の右から2列目に全県の数字がある。これは、徐々に数字が大きくなって、そして現在、減少傾向になっているが、この定点医療機関の報告数は、県内平均値が10を超えると注意報レベル、30を超えると警報レベルである。県内では、第44週の10月26日からの週に13.3いうことで注意報レベルを超えた。そのことを受けて、島根県は11月4日に注意報の発令をしている。その後も週を追うごとに、報告数が増えて、30を超えたのが第47週である。それを受けて、11月25日、島根県は流行警報を発令した。この30レベルの警報レベルを超えていた週は3週ほど続いた。37.3から48.0、そして37.0と縮小し、直近のデータは27.4である。それぞれ保健所の所管区域ごとに数字が追えるようになっているが、県内で最も早く感染が拡大をしたのは県央地域あるいは隠岐地域であった。その後、松江とか出雲に流行の中心が移ってきたが、いずれの地域ももう既に減少傾向に入っている。

 資料2の3について、県教育委員会ホームページに載せているデータをそのままコピーしたものであるが、県内38の定点医療機関はインフルエンザ様疾患で受診された患者数を1週間ごとに報告をしている。その報告は年齢区分別に行うようになっているので、38の定点医療機関では、何歳の人が今、インフルエンザに感染しているかという年齢層がわかるということになる。この38の医療機関は、概ね全県の動向を把握する上で10%程度のデータがそこでサンプリングされる仕掛けになっているので、逆に言うとこの38の医療機関のデータを約10倍すると、全県で起こっている動向がほぼ推察できる仕掛けになっている。この38医療機関の年齢別のデータを10倍して、現在その年齢層のうちどれぐらいの割合の人が新型インフルエンザに既に感染したのか、この既感染率を推計したデータである。ゼロ歳から4歳が現時点12月13日までで49%程度、そして5歳から9歳はほぼ100%感染したという推計値になっている。10歳から14歳は71%、15歳から19歳は23%と急に落ちている。それ以降、20歳以上は資料のとおり数%となっている。今回の新型インフルエンザのこれまでの流行拡大は特に5歳から9歳、10歳から14歳、いわゆる小・中学生のところで急速な感染爆発が起こったことがこのデータからも推察される。

 これらのことからほぼ小・中学生については、感染拡大のピークは過ぎて、ほぼ感染が終わりつつあるという状況が見てとれる。このことが小・中学校の学級閉鎖の数が減少していることと整合性が認められるということである。

 今後であるが、全年齢層を合計した全数で見ると、まだ県内人口のうち13%程度しか感染していないことになるので、今後とも爆発的ではないにせよ、この流行はしばらく続いていくと考えざるを得ないと思う。その中でも特にゼロ歳から4歳がまだ49%程度であるので、今後乳幼児の感染拡大が依然として続いていくことが懸念される。乳幼児の場合には重症化しやすいリスクもあるので、きちんとフォローしていく必要がある。そして、15歳から19歳は高校生が含まれているが、まだ23%程度しか感染が進んでいない。特に高校3年生はいよいよセンター試験も始まり、大学入試も始まるが、感染した高校生の割合は低いことから考えると、今後始まるワクチン接種に期待をしたいところである。こういう状況であるので、センター試験も追試をきちんと用意してもらい、あるいは多くの国立大学、私立大学でも追試の検討が進んでいるが、新型インフルエンザに感染することによって受験機会を失うことがないように、そういった点の配慮を大学側に求めたいというデータになっている。一方、高校入試については、県の教育委員会として1週間後に追試を行うことは、10月の教育委員会会議で決定したのでそのとおり進めているところである。

(藤原教育長)

 不顕性症状について、補足説明してもらいたい。

(鴨木総務課長)

 今回の新型インフルエンザについて、あるいは通常の季節性インフルエンザでも、ほぼ同様だと言われているが、インフルエンザがなぜこれだけ感染が拡大するのかというと、不顕性症状と言うが、顕著な症状の出ない人が一定割合出る。要するに自分がかかっているという自覚がないため自宅にこもることなく色々な人と接触をして感染を拡大してしまう。インフルエンザがこれほど多くの人口に感染をする特徴はこの不顕性症状にあると言われているが、今回の新型インフルエンザは一番最初に大量感染を起こした大阪の大倉高校で全生徒を対象にして血液検査をやって、どれぐらいの生徒が感染したか検査をしたところ、顕著な症状の出なかった不顕性症の生徒が18%いることがわかった。本人にその自覚がなければ外にも出るし、人にも接触するということでこのインフルエンザというのは感染力があるということである。

(藤原教育長)

 不顕性症状でも免疫性はつくのか。

(鴨木総務課長)

 不顕性症状でも感染したことになり、当然免疫力はつくことになる。

(渋川委員)

 学級閉鎖や学校閉鎖で、勉強の進度が遅れてきたりしていると思うが、冬休みを短くすることもあるのか。

(秋利義務教育課長)

 学校によってその辺の対応はまちまちであるが、学級閉鎖を重ねるところもあり授業時間数確保ということで、今回冬休みを短くする学校が多々ある。

(北島委員長)

 大学側に島根県から追試の実施を求められたのか。

(鴨木総務課長)

 島根県教育委員会として、特別の要請をやったということではないが、文部科学省が既に国立大学、私立大学に対して受験機会を確保するように通達を出している。それに沿ってセンター試験は追試が確保されており、それ以外の通常の前期・後期、あるいは私立大学においても、基本的には追試が確保される方向で検討が進められている。

 

 


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