報告第72号
(倉本高校教育課長)
報告第72号産学官連携による課題研究事業の実施についてご報告する。平成21年度の教育委員会の主要施策の一つとして、キャリア教育の推進に取り組んでいる。その中で働くことを学ぼう推進事業を実施している。この事業を通して、生きる力を身につける、働くことへの意欲を高める、あるいは職業観、勤労観の形成に努めるということでキャリア教育の推進を図っている。この事業の中の一つに、産学官連携による課題研究事業があり、専門学科を持つ14の学校を対象として、各学校の生徒が授業の中の課題研究の時間に実施している。
資料4の1の3の実施内容について、2つ目の点で、実施方法は課題研究形式として実施し、研究を実施するに当たり地域のパートナー企業や自治体との連携を前提とした内容とする。その次の点で、研究テーマは各地域や各学校の実情に応じて設定をする。最後の点で、研究成果は地域に提供するということを主な内容としている。
現在実施している学校については、資料4の1の右側に学校といわゆる実績数を挙げている。したがって、現在、課題研究に取り組んでいる課題研究数の実績数は24である。学校については、資料のとおりであるがその中で特に益田翔陽高校は一つの学校で6つの連携課題研究事業に取り組んでいる。
実際の内容について、各学校での課題研究テーマは、資料4の2のとおりとなっている。わかりやすいものからわかりにくいもの、非常に難しいもの、高度なものと色々あるが、その中で本日2校紹介したいと思う。出雲商業高校と益田翔陽高校である。
産学官連携による課題研究事業説明資料の1ページに出雲商業高校がある。出雲商業高校では、いわゆるオリジナルの縁結びぜんざいの商品開発を行っている。パートナーとして、そこに挙がっている出雲市内のお菓子屋である坂根屋、ぜんざい学会壱号店、ファミリーマートなどがパートナーとなっている。これはかなり進んでおり4番目の成果の発表方法であるが、コンビニエンスストアであるファミリーマートでテストマーケティングを行う予定にしている。その際の商品名としては、縁結びぜんざいプリンとなっており、2月頃に売り出しが始まる。資料の2ページに縁結びぜんざいの写真を載せている。
益田翔陽高校は、農業系、工業系、それから総合学科とそれぞれで研究を進めている。最も多い課題研究を実施をしている学校である。内容について、資料3ページに挙げているのはグラウンドゴルフ場の測量をしてコースマップを作成するものである。そのパンフレットをお手元にお配りしているが、益田市民に配付する予定にしている。
4ページの2段目にオリジナルパンやお菓子があるが、本日、品物があるので配りたいと思う。益田翔陽高校の生徒がつくった品物で、現在売り出している。地域のイチゴからつくったジャムや米粉を使ったものである。試食をしていただき意見を伺えればと思っている。
専門学科を持つ多くの学校が課題研究に取り組んでおり、資料4の1の4番目の事業効果であるが、地元、地域の理解度の向上、職場体験を通して職業観の醸成、実際にそれぞれ研究を進めていく過程で創造力、企画力、コミュニケーション能力等の社会に出て必要な力をつける、地域と学校の連携促進により学校が活性化することをねらっている。以前の専門高校に比べるとかなり学校の中での取り組みが多様で、特色が出ており、生徒が色々な体験、経験をしているところである。
(石井委員)
矢上高校のサツマイモの事業はずっと継続された事業が今回組み込まれているが、そのような長くやってきたもので今回パートナーをつくって事業の中に入ってきたものはあるのか。
(倉本高校教育課長)
矢上高校の焼き芋は、かなり前からやっているが、そのほかについては結構新しいものが多く、学校ごとに考えてもらってからスタートしているので、以前からのものは多くないと思う。
(石井委員)
大変よいことであるので、継続して事業が続けてもらえばと思う。
(藤原教育長)
浜田商業高校のケーブルテレビの番組作成は昨年からやっている。
(渋川委員)
事業説明資料の中に、例えばどのようなところでお金が要ったとか、つくるときの材料費がいくらで、いくらで販売してどれだけ収益があるかなど、利益を挙げるのが目的ではないが、どのようにお金が回るのかを子どもにわかってもらえたらよいと感じている。
(倉本高校教育課長)
学校からの企画書が挙がってくるときは、何にどのぐらい使うのかというのはあるが、事業説明資料への記載についても検討したいと思う。
(山本委員)
ファミリーマートで売ることになっているが、どこの地域をねらっているのか。山陰地方だけなのか。他の地域でもやるのか。
(倉本高校教育課長)
もともと県内からスタートしたが、中国地方で売り出すことになっている。
(藤原教育長)
1,500万円ほど予算をとり、今年からスタートできた。学校の現場も今回の働きかけによってこれだけのことが動き出した。しかも、パートナー情報となっているように、それぞれ地元の関係する行政であったり企業であったりが一緒になってやっていこうということでやっており、何かの事業を動かすとか催し物を実施することの中でネットワークができたり、またお互いが次のステップに進めるという、一つのよい例であると思っている。来年度以降も高校教育課と学校の現場が、それぞれが組織的な対応ができるところまでさらにステップアップしていきたいと思っている。
(北島委員長)
子どもにとっても楽しい事業になると思うし、地域とのつながりも密接になり、ぜひ続けてもらいたいと思う。
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