報告第38号
(佐藤生徒指導推進室長)
報告第38号平成20年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果についてご報告する。
平成20年度小・中学校不登校、高等学校長期欠席者・中途退学者の概要について、8月6日に文部科学省から公表があり、あわせて本県の数字も公表している。
小・中学校不登校人数と割合の推移は、資料6の1のとおりである。小学校は平成18年度が全国ワースト1位でしたが、平成19年度が3位、平成20年度が4位、中学校は、平成18年度が5位、平成19年度が9位、平成20年度が23位と小・中学校ともに少しずつ改善傾向にある。
島根県公立小中学校の不登校人数を表及びグラフにしたものが資料6の2のとおりである。平成18年度の1,006人、1.64%が全国ワースト1位だったが、平成19年度の1.46%が5位、平成20年度は1.35%まで改善し、7位となっている。
不登校児童生徒が在籍する学校数は、小・中学校とも少しずつ減少している。全学校数に対する割合では、本県の小学校が35.7%に対し、全国の数字が8ポイント高い43.6%、本県の中学校が76.9%に対し、全国は9ポイント高い85.8%となっており、いずれも全国平均より低い状況である。学年別の不登校児童生徒数は、小学校では平成18年度比較では減少しているが、平成19年度と比べると横ばい状態、中学校では特に2、3年生で減少傾向が見られる。小6から中1へのいわゆる中1ギャップと言われる中学1年生は全国的には小6から3倍を超える人数に増加する状況にあるが、本県の場合は2倍から2.5倍程度にとどまっている状況である。これは大規模中学校へのクラスサポートティーチャー配置事業等の成果であると考えている。
高等学校の不登校生徒について、平成11年度に340人の不登校生徒がいたのをピークにして、平成15年度まで300人台の不登校生がいたが、近年減少傾向にある。1,000人当たりの人数は、全国平均を下回っている。本県の国立、公立、私立の16.4人はワーストから数えて18位になるが、公立だけでは全国平均よりも下の位置にあるので、かなり低い状況である。中途退学者は平成11年度331人をピークに、年々減少傾向にある。本県公立学校の中退率は全国比較でも下位層にある。全国の公立学校が1.9%に対し、0.9%であるので、高校現場ではかなり努力していると考えている。
小・中・高の不登校が減少傾向、あるいは中退率の減少傾向という状況であるが、特に不登校生徒については、病気、経済的理由、その他を含めた、いわゆる年間30日以上の長期欠席者の原因別の分類において、心因性の病気の扱いや主たる理由が特定できない場合等、安易に病気、その他として計上することがないよう、また、不登校に分類されるか否かにかかわらず、児童生徒に応じて適切な対応を図る必要があると考えている。分類のしづらい部分はあるが、文部科学省が指示している項目に照らし合わせながら各学校の担当者と協議しているところである。調査上の分類によって指導、支援から切り離すことがあってはならないと考えている。
児童生徒一人一人に存在感を与える、生徒の自主企画による学校・学級行事、いわゆる多くの自己決定の場を与える、受容し合う、認め合う、指摘し合うというような共感的人間関係を育成することを踏まえて、子どもが学校を楽しく、きちんとルールを守れるなど教員研修でしっかりやっていきたい。
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