（若槻世界遺産室長）

　報告第２９号第１回世界遺産フォーラムの開催についてご報告する。

　現在、この世界遺産フォーラムの開催についての準備を進めている。開催日は本年１０月３１日（土）、大田市民会館において開催する予定である。開催の概要は、基調講演者としてタレントの楠田枝里子さんをお呼びし、タイトルは「世界遺産『ナスカの地上絵』の謎を追って」ということで講演していただく。楠田枝里子さんは個人的にペルーにあるナスカの地上絵の保存活動をしておられることもあり、今回基調講演者としてお呼びすることにしている。

　日本の１４カ所の登録地の行政関係者あるいは民間で活動されている方をお呼びして関係者会議を考えている。その関係者会議に沿った形でパネルディスカッションも行うことにしている。テーマについては検討中であるが、世界遺産に登録されると非常に厳格な維持管理、保存が求められる一方で、観光地ということ、あるいは住民の生活の確保の問題等、世界遺産としての保存が色々な形で影響を生む場合もある。また非常に広い範囲で適切な保護をしていくためには、経費的にも大きな負担がかかってくるので、住民にも協力も得ながら進めていかなければならない。このようなテーマについて関係者会議を行うとともにパネルディスカッションで議論をしていきたい。そして石見銀山の世界遺産としての情報発信をしていこうと考えている。

　あわせて、石見銀山遺跡には様々な街道が残っているので、翌日に「街道ウォーク」を計画している。「街道ウォーク」とフォーラムを合体させ、総合的な連携のもとで開催を考えている。「街道ウォーク」について現在実施計画を作成しているところである。

　山陰中央新報社と中国新聞社が中心になり、世界遺産登録地を抱える地方紙の１４社で世界遺産ネットワーク会議を立ち上げる予定にしている。５４０万部の部数があり、世界遺産の情報発信、あるいは情報の受容がやりやすくなるので、この世界遺産ネットワーク会議とも協力しながら世界遺産フォーラムも成功させていきたいと思っている。