報告第1号
(鴨木総務課長)
報告第1号障害者雇用適正実施勧告についてご報告する。
資料1の2のとおり今年3月27日に厚生労働大臣から島根県教育長に対し勧告を受けている。平成21年から23年の暦年の3年間における障害者の採用計画を適正に実施するようにという勧告である。
背景、経過についてであるが、障害者の雇用の促進等に関する法律により事業主ごとに障害者の雇用率の義務づけがされている。例えば民間の事業主であれば1.8%、国や地方公共団体は率先垂範すべきであるという考え方から、それより高い率が設定されており、地方公共団体の場合、県知事部局は2.1%、都道府県教育委員会は2.0%の雇用率が義務づけられている。この雇用率が未達成の場合、計画的に達成していくための障害者採用計画を策定し、その計画に沿って雇用をしていく必要があるという法制度になっている。
資料1の1の「1経過」について、本県教育委員会の場合、平成17年当時1.24%の雇用率であり、本来雇用すべき人数に対して31人不足していたため、平成18年から平成20年の3年間にわたる採用計画を立てたが、この3年間の採用実績がゼロであり、法定雇用率を達成できなかったため、さらに暦年の平成21年から23年の3年間の障害者採用計画を策定し、実施する必要がある。今回の勧告はこれまでの3年間の採用計画に対する実施状況が適切でないことを踏まえ、今後の3年間の計画を適正に実施するように求めるものである。
「1経過」の「参考」について、本県教育委員会の障害者雇用率は、平成15年から平成20年にかけて、率としては徐々に改善している。
平成20年12月31日時点で全国の状況と比較すると、島根県教育委員会は1.62%、全国47の都道府県教育委員会の平均が1.60%である。全国的にも都道府県教育委員会47のうち42が法定雇用率未達成となっている。この資料には記載していないが、これまでの3年間の採用計画に対して採用の実施率について、全国平均で13.7%にとどまっている状況である。
このように、本県も含め全国的に都道府県教育委員会の障害者採用が進まない背景には、資料1の1の一番下に記載しているようなことがあると思っている。島根県でもここ2年間、教員の採用試験において障害者の募集枠を設定し進めてきたが、受験者は平成19年度1人、平成20年度1人ということで、結果として採用に至らなかったということである。そういう状況を受けた勧告である。
「3勧告を受けての対応」について、今回の勧告を厳粛に受け止め、これから3年間の採用計画の達成に最大限の努力をしたいと考えている。特に教員等の採用面でこれまで以上の更なる改善を検討していきたい。
資料1の2は厚生労働大臣からの勧告書の写しである。
勧告内容は、前段と後段に分かれている。前段は、これまで3年間の採用計画の実施状況が適正に実施されたとは認められないということであり、それを受けて後段に今後3年間の採用計画について適正に実施し障害者雇用率の2.0%を達成するよう勧告を受けたところである。
厳粛に受け止め、具体的な改善を図りたいと考えている。
(北島委員)
教育委員会の場合、障害者雇用が進まないのも仕方がない面もあると思う。障害者雇用率は今後必ず達成することが求められるのか。
(鴨木総務課長)
地方公共団体は民間の事業主に率先して計画を達成していく強い責務を担っており、一歩でも二歩でも具体的に改善ができるように努力していきたい。具体的な手法として特別な切り札があるということにはならないかもしれないが、あらゆる手だてを講じて、障害者採用が進むように取り組んでいきたいと考えている。
(山根委員長)
今後、分母の職員数が減少すれば障害者雇用率は上昇していくのではないか。
(鴨木総務課長)
実際に島根県教育委員会でも資料1の1の中段にあるように、平成15年の1.00%から平成20年の年末には1.62%と徐々に率の上では改善している。少子化に伴い在籍の職員数が減少する傾向にある。また、障害者手帳等の所持者が計算上の分子の対象者であるが、新たな採用でなくても障害者手帳等の所持者の数を把握することにより徐々に改善してきている。しかし、この法律の立法趣旨は法定雇用率の達成を義務づけているが、一方で採用により障害者の雇用が進むことを促進する趣旨もある。雇用率の推移はしっかりと把握し、将来見通しを立て、一方で採用により事業主としての責任を果たしていくことができるように両面できちんとした取り組みをやっていく必要があると思っている。
(山根委員長)
今後、障害者雇用率が未達成で推移した場合、どのようなペナルティーがあるのか。
(鴨木総務課長)
仮に障害者雇用率が順調に推移しなかった場合、3年間の中途で勧告を受けることも理論上あり得るし、3年間たった時点で状況が改善していなければさらなる勧告を受けることになる。民間の事業主に対して率先垂範すべき立場として、勧告を受け続けることになることは許されることではないと思っているので、しっかりと取り組んでいきたい。
(藤原教育長)
小学校教員の場合は、基本的にクラス担任制のためすべてのことをしなければならないため、障害のハンディがあった場合、難しい面があると思っている。事務職員も小規模校は1人しか配置がなく、大規模校でやっと複数配置している状況であるのでなかなか難しいと思っている。専門の教科を教えている中学校や高校で人材が得られる方法を考えていかなければならないと思っている。
一方、高校の事務は知事部局で一括して人事管理をやっているが、人事課と協議しながら受け皿として考えていくことも検討していき、色々やりながら達成するよう考えていきたい。
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