報告第90号
○小池保健体育課長
報告第90号「小学生のスポーツ活動の手引き」についてご報告する。
この手引きを作成するに至った経緯、背景であるが、小学生のスポーツ活動の担い手は、現在ほとんど地域のスポーツ少年団やスポーツクラブが担っている。小学校の部活動はほとんどなく、地域の指導者として教員が参加している場合もあるが、小学生のスポーツ活動の担い手は、地域に大きくシフトしている状況である。
学校完全週5日制も一つの大きな契機だったが、地域のスポーツ活動は、地域で担ってもらうことで、非常に成果を上げて小学生の健全な発育、健全な身体の発達に大きく貢献している。全国大会へ出かけて立派な成績を挙げるなど成果も挙げているが、反面さまざまな課題が出始めている。
例えば、勝利至上主義という形で、子どもや親に大きな負担をかけるようになってきている。結果として本来の学校の教育活動にまで及んでいる状況であるが、ではどういう形で小・中学校のスポーツ活動をやればよいのか県の教育委員会としての指針や手引きはこれまでつくってこなかった。一方、スポーツ振興計画の中では既にこういった課題があり、解決しなくてはいけないということで前回の現スポーツ振興計画には書いている。島根県議会でも小学生のスポーツ活動のあり方ということで、平成19年2月に質問があり、スポーツ活動のあり方について検討する旨を教育長が答弁されている。昨年、一昨年からアンケートを通じて、調査を行い、スポーツ振興審議会で意見聴取し、学校、スポーツ指導者、PTAに素案の意見をもらい、パンフレットを作成した。
この手引きは小学生のスポーツ活動を行う際に参考にしてもらい、適切なスポーツ活動をしてもらうためのものである。
スポーツ活動を支える保護者、指導者、学校の3つのそれぞれの主体が一体どういった部分に注意してやったらよいのか、見開きの右のページに書いている。
保護者、指導者、学校がこの手引きの指針、内容を普及することによって、徐々にこれまで言われてきた課題が解消に向かっていくと考えている。
今後、この手引きを関係者に周知することが第一であると考えている。そしてどのように実行していくのかについては、現場の意見を聞きながらやっていきたい。
なお、手引きの裏のページに梨田監督の写真を載せているが、梨田監督に写真を使わせてもらうことをお願いしたところ、快くお引き受けしてもらい、無料で使わせてもらうことができたところである。
○山根委員長
教育委員会が主導もせず、指導もしないのに教育委員会が手引きを作成するのはどういう趣旨なのか。
○小池保健体育課長
小学校は部活動を廃止して体協の加盟団体であるスポーツ少年団がやってきたが、えこひいきの指導、保護者の過重な負担、あるいは土日の練習が続いて子どもが月曜日に学校へ出ると居眠りをしてしまう実態の中で県教委としても小学生のスポーツ活動を検討し直す必要があるということで、この手引きはこれまでは学校がノータッチで地域のスポーツ少年団にすべて任せていて、学校はどういう活動なのか知らなかったので、これからは学校、地域の指導者、保護者が一緒になって、小学生の健全なスポーツ活動をやっていこうということで、検討を重ね、色々な意見を聞きながら一つの方向性がまとまったところである。
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