報告第63号
(真田調整監)
報告第63号学習時間選択制高校東部独立校(仮称)の概要(中間まとめ)及び校名募集について御報告する。
まず、入学してくるであろうと思われる生徒であるが、働きながら学ぶという生徒はもちろんだが、全日制から転・編入する生徒、また、自分のペースで学習の進度や内容を考えていく新しいタイプの学校で学びたいという意欲のある生徒を受け入れることとしている。
7の1ページをご覧いただきたい。新設高校の特色として、「一人一人の学びを実現する地域に開かれた学校」ということで、学びたい人が、学びたいときに、学びたいスタイルで学べる学校ということを考えている。
一人一人の学びを実現する学校ということについては、学びたい時間帯が選択できるということ、単位制の学校であるということ、学力の向上を目指すということ、多様な生徒に対応していくということで、きめ細やかな指導を考えていきたい。それから、地域に開かれた学校ということについては、地域交流を行い、開かれた学校づくりを目指していきたい。
1番の概要であるが、開校は平成22年4月。設置場所は県林業技術センター跡地。設置課程は定時制、通信制。設置学科については普通科、単位制である。それから、修業年限が3年以上。学校規模としては、定時制は午前部80名、午後部40名、夜間部40名の160名。通信制は350名ということにしている。2番のめざす教育としては、3点を挙げている。(1)入学してくる生徒が自らを理解して主体的に学ぶ意欲を育てる。(2)自然や文化を愛し、他の人を思いやる豊かな心を育てるということで、感性も育てていきたい。(3)社会生活の中で自ら考え行動し、自ら律する態度を育てるということである。
3番目、教育の特色であるが、基本構想の中から9つ選んだ。(1)から(4)については先ほどのめざす教育の1番、学ぶ意欲という点を考えて掲げている。(1)生徒の個性を生かす単位制ということで、時間割を生徒自身で作成できるということ。(2)多彩な単位認定システムとしては、学校外における学習の成果を単位認定し、卒業に必要な単位として加算していく。(3)習熟度別・少人数指導と多彩な開設科目として、1つの講座を大体20名程度で少人数指導をやっていきたい。また、国語、数学、英語を中心に習熟度別の授業を行って、学力の定着を図りたい。また、詳細は後から説明するが、多彩な科目を開設し、子どもたちのニーズに合わせたい。
(5)(6)であるが、めざす教育の2番目、豊かな心を育てるというところで、カウンセリング機能の充実・強化を図りたい。また、ホームルーム機能の重視ということで、本来単位制ではホームルームはあまりないのだがこれを取り入れ、人間的な触れ合いや協調性、自主性を高める教育をやっていきたい。
それから、めざす教育の3番目に掲げた自ら律する態度であるが、(7)就職指導の充実ということで、職業観や勤労観を養いたい。(8)通信制において、平日スクーリングの開設科目を充実させることで登校時のいろいろな活動を援助していきたい。(9)学校開放や公開講座、定期的な情報発信によって開かれた学校づくりをしていきたい。
7の3ページをご覧いただきたい。4番、教育課程の概要であるが、単位制、三修制ということがあるので、生徒に対してガイダンス期間を設けて学習計画の指導を行いたいと思っている。また、習熟度別の少人数指導を取り入れ、基礎・基本の定着及び学力の向上を図りたい。開設予定科目は、必履修科目と選択科目がある。選択科目の下のところに学校設定科目を挙げている。その中で国語入門、数学入門、英語入門という入門科目をつくっている。そのほか学校設定科目の説明については7の4ページに記載している。
それから、5番、取得を推進する資格・検定ということで、将来履歴書等にも書けるような検定の取得を推進していきたい。また、学習外の単位認定等もあるので、どの級が適当かは今後、検討していきたい。
6番の部活動等であるが、体育系の部活動として陸上、ソフトテニス、テニス、サッカー、バスケットボール、バレーボール、卓球、バドミントンということで、全国の定時制、通信制の全国大会で開催されている種目を入れている。また、他県の様子等も考えて、多く取り入れられている部活動にした。文化系についてもいろいろ入れている。なお、開校後、生徒等と相談しながら開設種目等も考えていきたと思っている。
以上が中間まとめである。
7の5ページをご覧いただきたい。新しい学校の校名募集について、内容は記載のとおりであるが、12月26日を締切としてホームページ等で募集したい。選考・結果発表については、平成21年3月を予定している。多数の場合には、同じ名前が多い時は抽せんで景品等を差し上げることにする。今日の報告が終わったところで県ホームページに掲載する。県民の皆さんに、ぜひいい名前を応募してもらいたいと思っている。
(石井委員)
学生寮を設置する計画はあるか。
(真田調整監)
今のところ計画にはない。
(北島委員)
3点お尋ねしたい。1点目は、夜間部40名募集とあるが、現在はどのような規模なのか。40名に達するほどのニーズがあるか。
2点目に、松江南高宍道分校も統合されるが、家政科は廃止となるのか。廃止の場合、その理由は何か。
3点目は、設定科目の中に韓国語があるが、何かねらいがあるのかどうか。
(真田調整監)
松江工業の平日定時制の普通科4学年で89名、浜田が51名、工業全体では機会や電機、建築も含めると195名在籍している。松江工業で単純に学年で割ると1学年20人以上はいるという状況である。
2点目については、宍道分校の生徒も今後独立校へ移行する。普通科ではあるが、家政系の科目もできるだけ取り入れ、ニーズにも応えられるようなカリキュラムを作りたいと考えている。
韓国語については、隣国の理解を深めたいということが主な理由である。松江商業高校や松江市立女子校で実際に取り入れているので、ノウハウを習いながら
やっていきたい。
(渋川委員)
商業科や家政科の単位が取れるということだが、対外的に普通科となっていると普通高校のような印象を与えてしまう。一般的に見たときに、どのような資格が取れるかわからないのではないか。
(真田調整監)
生徒のニーズ等を考えて、実習科目等も当然取り入れていこうと考えている。今後、中学生等に広報活動をする場合には、資格取得のことについても説明して理解を深めていきたいと思っている。
(山根委員長)
学習時間選択制高校というネーミングを対外的に使っていて、今後は定時制や通信制という言葉は表向きには出てこないということか。
(真田調整監)
単位制高校のことは、全国的にはフレックスハイスクール、チャレンジスクールなどいろいろな呼び方をされている。単位制と言っても県民の皆様にとってわかりにくいのではないかということで、島根県の場合には学習時間選択制高校と命名している。定時制や通信制という言葉を全く使わないということではないが、学習時間選択制高校という名前で呼ぶことにしているところである。
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