協議第1号
(河原高校教育課長)
協議第1号学校徴収金等取扱要綱の改正案について協議をお願いする。
8月7日の教育委員会で、不祥事を受け実施した県費外会計調査の結果について報告した。その調査結果によって明らかになった問題点等を踏まえ、学校現場やPTAの代表の方の意見を聞きながら取扱要綱の改正案をつくったところである。本日これを説明し、御意見をいただきたい。
内容について説明する。1、趣旨に書いているが、不正処理事案を受け、不正の発生を未然に防止し、さらに取扱いの一層の適正化を進めるため、1、2、3にあるとおり、通帳管理者と印鑑管理者の分離、年度中途での校長による処理状況の点検及び年度末における監査の徹底を行う。監査については、後ほどまた説明するが、校内監査、保護者監査といった形で徹底していきたい。3番目として、団体の会計をかなり学校で扱っているわけだが、責任等が不明確な状況であるので、きちんと文書によって団体から委任を受けることにしたい。
2番の概要であるが、まず県費外会計の定義である。県費外会計については、県立学校において管理する公費以外の会計で、2種類、学校徴収金会計と団体会計としたい。学校徴収金会計というのは、受益者負担の原則に基づき、いろいろな教材費等でまとめて購入した方が都合がいいというものについて、学校がお金を集めて生徒に教材等を渡すというものなどが考えられる。それから団体会計、代表的なものはPTA等の会計であるが、こういった団体から、書面による委任をもらって校長が管理するというものである。
会計処理の基本として、2管理運用を徹底するということである。
それから、3すべては校長の責任のもとに管理されるものであるということで、校長は毎年度すべての会計の分掌者を指示して明示する。この辺りも従来あいまいな点があったということで、きちんとしておく。これによって責任体制の明確化を図りたい。
それから、4学校徴収金会計についても本当に必要なものなのか、金額も適正であるかというところが今回の調査でいろいろ課題が明らかになったので、そういった点について精査し、保護者の負担軽減を図っていきたい。
それから、5団体会計については文書による委任を受ける。これについても先ほどの4と同様に趣旨、目的が明確で、保護者等にわかりやすいものにするということを条件とする。会計によっては何の目的にあるのかということも不明なものもある。その辺りも含め、はっきり趣旨等を明確にしていきたい。
それから、6団体会計から財政支援を受ける、後援会やPTA等からいろいろ財政的な支援等を受けることが多いわけだが、そういった際には、団体の総意に基づくものであって、教育上必要最小限のものに限定していきたい。
それから、2の2ページのところだが、これも今回の調査で課題になったチェック体制の強化である。7にあるとおり、原則として収入は口座管理とし、通帳管理者と印鑑管理者は別人とする。それから、8収入支出については文書決裁を受けるものとする。それから、9校長によって年2回は最低点検を行う。年2回としているのは、基本的には各学期末、1学期末、2学期末を想定している。年度末については、校内の監事に加えて保護者等による監査に付すということである。
それから、10高校の場合、特に部活動の経費がある。これらについては学校徴収金の一環だが、原則として口座管理を行う。ただ、実際には遠征費等、当日現金を持ってきて遠征先で支払うというケースも非常に多いので、原則は口座による管理とするが、遠征費については現金管理も認めるということである。学期末に校長が指定する者が必ず点検を行うことにしたい。それから、年度終了後には必ず保護者監査に付する。
施行日については、今月中に最終決定して、年度途中ではあるが、10月1日から施行したい。なお、学校も今回の不正事案等を受け、こちらからの指導等も踏まえ、既にかなり独自で改善をしている。したがって、年度途中から施行しても学校は対応できると考えている。ただ、団体会計の委任等については、年度途中ということにはなりかねるところがあるので、そういったものについては来年度から実施という形にしたい。
それから、3番目に要綱遵守の確保ということで、前回8月の委員会でも申し上げたが、県教委の事務局職員による点検を実施したい。毎年度、全体の3分の1程度の学校を訪問して調査をしたい。これは来年度から実施したいということである。17年度にもこの要綱をつくっているが、これが必ずしも徹底していなかった面もあるで、その辺りを今回は徹底したいということである。
ちょうど来週県立学校の校長会が開かれるので、そちらで趣旨徹底を図るための説明をしたいと思う。また、実際、学校現場では会計の責任者ということになると事務長あるいは教頭が中心になるので、臨時に事務長、教頭を招集し、この趣旨を徹底したいと思う。
なお、実際にはこのようにかなり厳しくすると、逆に教員あるいは事務職員の負担が非常に大きくなってくるという指摘もあるので、そういった面の配慮もしないといけない。今回調査の過程でわかったが、既に非常にいいシステムをつくっておられる学校がある。そういったものを事務長等の会でお互いに紹介し合いながら、負担軽減を図っていきたいと思う。
次のページからは要綱案である。
(山根委員)
義務教育校でもこういった徴収金というのはあるのか。
(秋利義務教育課長)
義務教育校についても、同窓会といった関係のものはあるかもしれない。ただ、学校で徴収し使用するものがほとんどで、使わずに残るようなものはない。同様の会計が全くないということではないので、県立学校においてこの取扱要綱が定められた際には、市町村教育委員会に向けてこれを参考に取り扱うようにという通知をする。高校で不正処理事案が発覚した際にも、どのような会計があるか市町村で確認いただき検査をするようお願いの通知をしている。
(七五三委員)
義務の場合には多額の金がストックされるようなことはない。ただ、高校で起きた事件を他山の石として、公金に準ずるような公の金を扱う上では厳正な取扱いをしてもらうようにということは、市町村教育委員会を通じて徹底してほしい。
それと、今後の要綱遵守の確保として毎年度全体の3分の1の学校を訪問するということについて、これは前の委員会でも話題になったが、多いのではないか。それでなくても負担の多い中で大変ではないか。5分の1くらいを徹底的に、また抜き打ちに行えば、他の学校にも徹底するのではないかという気がするのだが。
(北島委員長)
少し話が違うが、会計処理の基本の5で団体会計の受任に当たっては「文書により委任を受けること」となっており、次の6でそれは「団体の総意に基づくものであること」となっている。これは細かいところまで、例えば部費などの場合徹底できるのかどうか一抹の不安を感じるのだが、実際に可能だろうか。
(河原高校教育課長)
文書による委任ということで、各学校で委任状の作成について戸惑われることもあろうかと思うので、委任状の様式例を示そうと考えている。様式例を示し、あとは各団体で変更してもらうことにしたいと思っている。
また、部費については学校徴収金であるので、団体からの委任ということにはならない。
(石井委員)
平成16年度に前の要綱で試行された際、自分は学校現場にいたが、校長が管理しきれていない部費がたくさんあって困った。今回部費について、校長が指定する者が精算報告書と証拠書を照合し、処理状況を点検することとしてあり、これはかなり効果的だと思う。
(渋川委員)
学校ではどれくらいの会計を扱っているのか。校長がとても大変だという感じを受ける。第三者による監査がきちんと行われていれば問題はないのでは。
(石井委員)
毎月引き落としのお金は割と管理しやすいが、部活動費は大変である。
(北島委員長)
多分校長先生は大変なのだろうが、きちんと処理するようにということを口酸っぱく言い続けるしかないのだろう。要綱としては、大体網羅されているという感じがする。
(稲垣教育次長)
今回の改正のポイントとして、1つ目には、責任体制の明確化、学校を管理運営するに当たってのトップは校長だということをはっきりさせること。2つ目には、相互牽制、チェック体制を働かせるということ。3つ目には書面主義を徹底するということがある。それともう一つ、川本高校の場合、一人の事務長が20もの通帳を持っていた。類似する通帳は名寄せし、さらに情報は共有し、誰にでもわかりやすいものにする必要がある。
なお、3分の1の学校を訪問調査するということについて御心配いただいているが、これまで通知を出したままにしていて遵守されていなかったわけであり、事務局が出かけていって実態を把握することが重要という考えである。3年間で全学校をまわることになるので、その時点で状況によってはまた改正ということもあるかもしれない。加えて、事務局の職員が学校現場に出かけ、その実態を知ることも大事なことだと考えている。
(木村教育監)
平成16年度に自分は学校現場にいて、すべての部活動、学級会計などを調べたが、チェックしにくいのは年度途中にある個々の大会、臨時でお金を集めるようなものである。そういったところについてもやはりきちんとやっていかなければいけない。
確かに校長は大変だが、きちんと早めに整理させ、いろいろな者の目で見ていくということは十分可能だと思う。
(七五三委員)
3分の1の学校ということについては、事務局の負担がそれだけ多くなりはしないかと心配して申し上げただけであり、稲垣次長がおっしゃるように指導監査的な立場で行って見るのだということであれば、それはそれなりに必要なことだろうと思う。
(北島委員長)
この要綱については、この場で決定するというものではないので、今回の話をもとによりわかりやすくより適正なものをつくってもらえればよい。
(藤原教育長)
要綱の中で学校徴収金が前段、団体会計が後段に出てくるのはどういう考え方からか。
(河原高校教育課長)
学校徴収金は学校で直接使うものということで、より県費に近い、県費に準ずるという考え方をしている。
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