報告第34号
(卜部文化財課長)
報告第34号、このたびユネスコの無形文化財遺産第1回の提案候補として重要無形文化財「石州半紙」の保持団体、石州半紙技術者会が選定されたのでご報告する。
区分は工芸技術、指定は昭和44年4月15日である。指定の古いものから選定されたという経緯があるようである。この石州半紙は、3年間育てた地元のコウゾを原料に、「流しすき」と呼ばれる製紙技法で作るものであり、非常に頑丈で、書画用紙などに重宝されているものである。
7の2ページをご覧いただきたい。選定に至る経緯であるが、平成16年に日本が世界3番目に条約締結を行っている。続いて、平成19年から国の文化審議会等で対応を審議され、このたび石州半紙などを含め、第1回候補が文化庁から発表された。3.今後の日程だが、平成21年に、条約に基づき設置された政府間委員会で正式に決定される予定である。
ちなみに県内の国指定の無形文化財であるが、7の3ページに挙げている。重要無形文化財は工芸技術の石州半紙、重要無形民俗文化財は神楽、田楽、風流、延年、年中行事、それから選定保存技術ということで、これだけのものが現在指定されている。順次、これから登録されると考えている。
それから、7の4ページをご覧いただきたい。真ん中の(2)具体的な提案方法と書いてあるが、この中の各分野から今回一つずつ選んでいるようである。そこからユネスコの無形遺産になってもいいかどうかという確認があり、石州半紙も同意をされ、このたび推薦の運びになった。
次の7の5ページを見ていただくと、今回選定されたものが挙げてある。別枠でアイヌの古式舞踊が入っているが、ほぼ一つずつ古いものから入っている。
無形文化遺産と世界遺産がどのように違うのかということを7の6ページにつけている。基本的にまず推薦対象が違う。無形文化遺産は、将来的には記載基準に適合可能なものはすべて記載を目指していくということである。世界遺産の場合は、現在、登録を極力抑えるという方向にあり、推薦は文化遺産、自然遺産を含め年間2件までという枠があるが、無形文化遺産に関してはそのような枠はない。それから、審査の主なポイントとして、無形文化遺産であることの説明、特殊性が特徴ということになっているが、顕著な普遍的価値の証明や、完全性、真実性の証明、適正な保存管理といった、世界遺産のような厳しい内容ではない。事前審査であるが、世界遺産はイコモスが事前審査をして現地調査もするが、無形文化遺産はそういったものはなく、補助機関による検討、書類審査のみで行われる予定である。決議区分であるが、世界遺産については、記載、情報照会、登録延期、不記載決議という4つの区分があるが、無形文化遺産は記載と不記載の2つの区分である。不記載の場合も4年後に再推薦が可能であり、基本的には推薦したものは登録になると聞いている。
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