報告第25号
(稲垣教育次長)
報告第25号採用試験における合否事前連絡の実態調査結果についてご報告する。
全国的に職員の採用試験に係る合否結果の事前連絡がいわば慣行的に行われていたということであり、知事部局で音頭をとり、教育委員会に対しても実態調査を行うよう要請があり、調査を行った。その内容について説明する。この件については8月11日に、知事部局で取りまとめの上、統一的に公表される。今日のところでは、教育委員会が取りまとめた概要についてお話をするということで御了解いただきたい。
この調査の対象者及び対象期間であるが、平成17年から20年度において、本庁に勤務をしている、あるいはしたことのある管理職員及び人事担当組織に所属していたグループリーダー以上の者である。
調査期間は、7月24日から8月5日で調査対象者は53人であった。教員採用候補者選考試験における合否事前連絡の有無、あるいは事前連絡の相手先の数がどの程度あったかということについて調査を行った。
その結果であるが、平成17年度は、複数の管理職員が延べ20人程度の相手方に事前連絡を行っていた。この延べ20人であるが、それぞれがそれぞれの方に連絡をしているので、かなり重複が含まれていると推測できる。平成18年度以降については事前連絡を行った職員はなかった。
(3)で事前連絡を行ったことのある職員、退職者も含む職員に対して、その実態について聞き取り調査を行ったが、次のような回答であった。「相手方から合否そのものへの便宜を依頼されたことは全くなかった」、また、「事前連絡は発表日の前日の夕方から当日の朝に行われていた」ということである。教育委員会の最近の事例からすると、朝9時に県庁の掲示板に合格者の番号の一覧を掲示し、それをもって公表としているので、当日の朝、8時半以降にこのような連絡が行われていたようである。そしてまた、事前連絡に当たって、職員は「利益供与を受けていない」ということも明らかになった。
なお、若干補足すると、相手方からは、採用に便宜を図ってくれというような内容ではなく、合否判定について、事前にちょっと早く知らせてくれという内容であったようである。また、依頼される相手方も、それによって合否がひっくり返るというような認識は毛頭持っていなくて、ちょっと早目に教えてくれということを言われたのが実態のようである。
それから、追加の調査として16年度以前に人事担当組織に所属していた現役の管理職員にも聞き取り調査を行った。これについても、事前連絡を行ったことのある職員はいなかったことが明らかになった。
今後の対応だが、平成18年度からは事前連絡を行っていないが、今年度以降は、事前連絡の依頼自体受けるのをやめようということで、意思統一を図っているところである。
さらに、今後、万一事前連絡というようなことがあった場合には、厳正に対処するということで考えている。
(山根委員)
大分の事件があって、どの県も疑いの目で見られるということは非常に不愉快なことであるわけだが、島根県の場合は、今報告があったように規律を持って対応しており、高く評価すべきである。私は県民の皆さんに、島根県は一切そういうことをやってないと堂々と披露していただき、不信感を持たれないようにすべきだと思う。私はこの報告を聞いて安心もし、また、やり方が非常に立派で、誇りに思っている。
(稲垣教育次長)
後ほど試験制度の仕組みについても議論いただくことになっているが、これまでも教育委員会では逐年改善を図ってきており、島根県の場合には不正の入る余地のないシステムだと思っている。ただ、事前連絡については、聞き取り調査したところ、慣行的にずっと行われてきていて、自分の段階で断ることができなかったというようなことを言っていた。その一方で、事前にお知らせをするということは、公表まで待っている人もいるので、不公平な取り扱いになるので、後ろめたさを感じている人もあった。
私どもとしては、延べ20人というのは非常に多い感じがするが、一般的に県職員、警察職員の採用と比べると教職員の場合には応募が非常に多いからということもあっただろうし、慣行的に行われている間にだんだん数が膨らんできたということもあったと考えている。
18年に教育長がかわり、その際に、こういうことについてどうするかという内部的な話があって、今後一切事前連絡はやめようということで意思統一が図られたと聞いている。
(七五三委員)
島根の場合は18年度、教育長の交代を機に、それらのことは一切やめるということで今日に至っているということは、私はすばらしいことだと思っている。今後の改善について次の議題で出てくるが、万全の策を講じていくことがより重要だと感じている。
(北島委員長)
山根委員、七五三委員と同じように、島根県は大分の問題が発覚する以前からこういうことはしていなかったということは、私は当然というか、当然のことを粛々とやった教育長の成果だったと思っている。30年くらい前だと、おそらくごく普通にこういうことがされていたような世代、時代的なものがあったんだと思う。やはりいろいろなしがらみからなかなか抜け切れなかったということも私は理解できるが、それを思い切って事が発覚する前に自浄努力がなされたということは、私は高く評価できるのではないかなと思う。これを機会に、より毅然とした態度をもって以後徹底をしていただけば何ら問題はないと私は考える。
(藤原教育長)
資料の5番のところだが、事前連絡の依頼自体を受け付けないこととするという表現になっているが、事後の連絡もやめるということではなかったか。
(稲垣教育次長)
事後を含め、一切今後は応じないということである。
(藤原教育長)
李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れずということで、事後の分もやめることにしようと思っている。
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