報告第19号
(瀧野健康づくり推進室長)
報告第19号5月26日に出雲市で散布された松くい虫防除剤空中散布が原因ではないかと疑われている、出雲市における健康被害の状況について御報告する。
経緯としては、26日の9時40分に、森林整備課から浜山中学校の生徒が目の痛みを訴えて受診中であるという報告を受けた。その後、いろいろなところと連絡を取り合ううちに高校でも同様の事例があることがわかり、健康づくり推進室から県立学校に対して直接、毎日聞き取り調査を行った。
初日には、出雲農林高校で74名、大社高校で32名について症状が見られた。出雲農林では74名のうち2名が受診しているが、これは下校後に受診したものである。大社高校については、目が痛いと訴えてきた者32名のうち31名が学校の引率ですぐに受診しており、1名は家庭へ帰ってから受診している。出雲高校については、ちょうど眼科検診の日であり、目がかゆいという状況を眼科医に話して診てもらっている。あとの3つの高校、養護学校については初日には該当はなかった。その後1週間状況確認を行い、6月2日の時点では、症状を訴える子や、受診する子はないという状況であった。
次ページから、出雲市教育委員会がまとめた資料をつけている。出雲市教育委員会で高校も含めた全ての学校について調査をされている。この数字と当室で聞き取りを行った数字が若干違っているが、これは出雲の場合は正午をもって数字をまとめており、当室では3時でまとめていることと、出雲では初日に家庭へ帰ってから受診をしたものがカウントされていないようなので、そういったところで違いが出ている。
現在、6月11日に出雲市で立ち上げられた健康被害原因調査委員会が調査に入っている。その結果を待って、保健体育課でも被害の動向を見きわめた上で、関係課と連絡、協議しながら対応したいと考えている。
(北島委員長)
空散は最近始めたばかりではなくずっと以前から行っているわけだが、これだけ大きく健康被害が出たのは今回初めてのような気がする。やはりこのままいくと空散は取りやめになるという方向性なのだろうか。
(瀧野健康づくり推進室長)
そのあたりも、調査委員会の結果を待って協議されることになると思うので、結果を待って対応したいと考えている。
(北島委員長)
結局、空散がなくなると、松はほとんど全滅するであろうということ、出雲大社の景観はかなり変わるのを覚悟しなくてはならない。だから、因果関係がはっきりすればしようがないというあきらめもつくが、状況もわからないままに取りやめられてしまうというのは、長い目で見ると、大社町にとってはつらいものがあるなという気はしている。
(山根委員)
1,000人というのが大々的だが、結果的に検診を受けて異常があった件数、痛みとかかゆみ以外の被害はどのぐらいあったのか。
(瀧野健康づくり推進室長)
聞き取り調査によると、目のかゆみが一番多く出てきた症状と言える。そして、中には気分が悪くなって立っていられないという訴えをした子もいるが、その子についても、2日後ぐらいにそれを言ってきて、病院にかかってすぐによくなって、再受診を勧められたが、もうそれも要らないということでいるので、それ以上の症状は出ていない。
(山根委員)
今から水田の農薬散布、無人ヘリの防除が始まる。今度は農家の受益との関係で、非常に判断が難しいことになるわけである。必要な防除などの活動に過敏反応されてしまうと困るということもある。
(七五三委員)
出雲市も行政当局も慎重に調査をされながら、今後の対応をされるということだろうから、当教育委員会で軽々しくどうだこうだというのは僣越なことだろうという気がするのだが、因果関係でということになると、散布した農薬が昨年来使っているものと同じものを使ったのかどうかとか、いろいろな要因があると思うので、慎重に対応してもらうように。
(北島委員長)
これは、多分ここでどうこう決定できる問題でもないが、子供の健康にかかわることであるので、やはりその辺を我々としては一番大切にしていかなくてはいけない問題ではあろうと思う。また、いずれ何らかの形で調査結果などが報道されるかと思うので、これについては報告を了承したということにさせていただこうと思う。
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