報告第51号
(伊藤総務課長)
報告第51号平成20年度当初予算要求の概要についてご報告する。
全体の概要について、来年度の要求額の総額は882億円余、本年度と比較して、11億円余の減額、率にして1.3%の減である。内訳として、事業費と教員給与費を計上しているが、事業費の下げ幅が低くなっている。
個別の主要事業の概要について、「働くことを学ぼう」推進事業は、これまで実施してきた事業内容に加えて、県内産業の担い手育成を推進していきたいと考えている。学校と企業が連携し、実践的な指導や実習を深めていきたい。
いじめ・不登校対策推進事業について、従来からの教育支援センター運営事業、ひきこもりがちな児童生徒に対する心のかけ橋支援事業及びスクールカウンセラーや電話相談を行う悩みの相談事業を引き続き実施するとともに、新たに、こころ・発達・教育相談センター事業を立ち上げたいと考えている。湖陵病院が新たに設置するこころの医療センターに隣接する若松分校内に教育相談室を開設し、松江教育センターの相談窓口と位置づけ、臨床心理士及び教員OBをそれぞれ1名ずつ配置し、さまざまな相談に対応するものである。
未来へ引き継ぐ石見銀山保全事業について、調査研究を引き続き実施していくとともに、保存と活用と来訪者対策も含めて推進していきたいと考えている。
学力向上対策事業について、学力調査を引き続き実施し、その結果を踏まえた諸施策を引き続き推進していきたいと考えている。
ふるさと教育推進事業について、今年度で3年目となるが、来年度も引き続き実施するとともに、新規事業として、わがまち発信プロジェクトを実施したいと考えている。これは他地域に出かけて、これまで自分たちがふるさと教育の中で学んできた地域の色々な事について発信する事業であり、モデル事業として5校予定している。
にこにこサポート事業、中学校のクラスサポート事業、小学校30人学級又はスクールサポート事業について、今年度と同様に来年度も実施をしていきたいと考えている。
放課後子どもプラン事業について、今年度と同様に来年度も引き続き推進していきたいと考えている。
「地域力」醸成プログラムについて、公民館の活性化の事業であるが、来年度においても新たに10カ所程度選定し活性化を図っていきたいと考えている。
高校の施設整備について、老朽化対策として、松江工業及び大田高校の屋内運動場を引き続き実施するとともに、横田高校の管理・教室棟の改築、邇摩高校の用地購入を新たに行うものである。また耐震対策が喫緊の課題であるので、耐震対策を進めていきたいと考えている。
学校再編成関連施設整備について、学習時間選択制高等学校東部独立校は、定時制・通信制課程の関係であるが、平成22年4月の開校を目指し、来年度、造成工事、建築工事を進めていきたいと考えている。その他、益田翔陽高校、島根中央高校について所要の整備を進めていきたいと考えている。
産業教育設備整備について、情報科学高校のマルチメディアシステムであるが、現行のものは平成13年に導入をしており、かなり老朽化しているため、来年度新たにしていきたいと考えている。
なお、今回説明した資料は、12月12日(水)に公表したものであり、その時点での数字である。
(石井委員)
若松分校について、今回の相談窓口を設置する目的は何か。
(藤原教育長)
湖陵病院が新しく移転新築し、こころの医療センターとして2月に開院することになっている。従来の入院型、収容型の精神病院から地域に開かれた精神医療をやろうということで、特に思春期から高齢者に至る心の外来相談の受け入れを重視している。若松分校の相談窓口は教員OBと臨床心理士を配置し、電話相談や外来相談に対してのアドバイス、あるいは学校からの相談を受ける体制をつくりたいと考えている。そこで、なかなか解決できないような医療的な問題については、ドクターに逐次相談をして対応していきたい。
(山根委員)
ふるさと教育推進事業の市町村交付金について、県内全ての公立小中学校に定額10分の10の助成をするということであるが、交付金の支給額の算定はどのように決まっているのか。
(鴨木生涯学習課長)
学社連携融合、学校教育と社会教育、学校と地域の連携型の教育を全小中学校、全学年、全学級で3年間実施しており、例えば今年度は各市町村教育委員会に対して、一定の算定方法に基づき、約6千万円の交付金を交付している。
各市町村ごとに一定の算定方式により交付金の額を決め、市町村教育委員会に交付しており、各小中学校の交付金の額は、各市町村教育委員会の判断にゆだねている。
来年度は、4千万円を交付することとしているが、算定方法は、市町村の教育委員会事業として約20万円、各小中学校ごとに物件費と講師の謝金なども含めて10万円の算定としている。市町村教育委員会は、算定どおり10万円ずつ配分する市町村もあれば、例えば生徒数に応じて傾斜配分したり、あるいは一定額をプールして教育委員会事業に活用する場合もある。交付金であるので使途は市町村に任せている。いずれにしても、全学年、全学級で学社連携融合によるふるさと教育が確実に実施してもらうように運用している。市町村から年度初めに事業計画を出してもらい、最終的に交付金をどのように使ったのか、詳細な資料をつけて実績報告を提出してもらい、確認の上、交付金を交付している。
(北島委員長)
耐震対策について、今回の予算で県内の学校の何%の対応ができるのか。
(音田教育施設課長)
今回の予算の中には耐震診断の経費と耐震補強の経費等がある。現時点の高校の耐震化率の場合、50%程度である。来年度の耐震化率は60%に満たない状況になると思うが、10年間かけて耐震化率を100%にしていくスケジュールで今回の予算要求をしている。
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