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報告第26号

(下岡保健体育課長)

 報告第26号定期健康診断に係る損害賠償請求事件の1審判決についてご報告する。

 訴状の概要であるが、当時島根県立高校の職員であった原告が、平成14年度定期健康診断において肺がんによる胸部の異常所見を見落とされた結果、早期に肺がんの治療を受ける機会を奪われた。異常所見の見落としの原因は、県及び県環境保健公社の実施していた胸部検診システムの不備やレベルの低さにあったことが過失に該当するので、県及び県環境保健公社に対して連帯した損害賠償を求めるというものである。

 これに対し島根県は、学校保健法等で規定された内容の健康診断を、それを行いうる環境保健公社に委託して実施しており、何ら安全配慮義務に違反しておらず、また、不法行為責任を負うものではないという主張である。

 7月30日の1審の判決は、原告の請求を棄却する内容であった。判決理由は、被告島根県の安全配慮義務は一般医療水準に照らし相当と認められる程度の健康診断を、これを行い得る医療機関に委嘱することで足り、原告は安全配慮義務違反があったと主張するが、いずれも理由がなく、被告島根県に安全配慮義務違反ないし不法行為責任はないというものであった。

 原告の控訴期限は8月13日までであったが、原告が控訴を断念したので、1審の判決が確定したものである。


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