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2016(H28)年 <  2017(H29)年 年報    > 2018(H30)年
目次 I.概要 II-1.発生状況の解析と評価 II-2.定点把握疾患発生状況 III.検査情報
ウイルス検査情報 細菌検査情報 流行予測検査
印刷用ページ 2.感染症流行予測調査
1)ブタにおける日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況 2017年
 2017年7月から9月の間に島根県食肉公社(大田市)で採取したブタ血清についてJaGAr#01株に対するHI抗体の推移および2ME感受性抗体を測定した。なお、2ME感受性抗体はHI抗体価が40倍以上となった際に行うこととした。結果は下表に示すとおりである。 7月上旬に10頭中9頭(90%)が抗体陽性となり、7月中旬に40%、7月下旬に90%が抗体陽性となった。しかし、抗体価は10倍および20倍であったため、2ME感受性抗体試験は実施しなかった。 Konnoらによれば、ブタの半数以上が抗体陽性となると約2週間後からその地域で日本脳炎患者が発生することを報告している1)。 実際に2016年は8月下旬から抗体保有率が60%となり、日本脳炎患者が発生した。 2017年は7月に抗体保有率が半数以上となったが、幸いにして患者発生は確認されなかった。 次年度も引き続き調査を実施し、流行予測、予防啓発に努めたい。
*本調査は平成29年度感染症流行調査実施要領(厚生労働省)に基づき行った。
表29 ブタの日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況(2017年)
採血月日検査頭数HI抗体価HI抗体陽性率2ME感受性抗体※1
<1010204080160320 ≧640(≧10)%検査数※2陽性数(%)
7月5日10181     90  
7月14日1064      40   
7月28日1019      90   
8月4日1010       0   
8月18日10101      10   
8月25日10101      10   
9月1日1010       0   
9月15日1010       0   
※1:2-メルカプトエタノール(2ME)感受性抗体(感染初期のIgM抗体の存在を示す)
※2:HI抗体価 1:40以上
島根県感染症情報センター