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2017(H29)年 <  2018(H30)年 年報  > 2019(H31)年
目次 I.概要 II-1.発生状況の解析と評価 II-2.定点把握疾患発生状況 III.検査情報
ウイルス検査情報 細菌検査情報 流行予測検査
印刷用ページ 2.感染症流行予測調査
1)ブタにおける日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況 2018年
 2018年6月から9月の間に島根県食肉公社(大田市)で採取したブタ血清についてJaGAr#01株に対するHI抗体の推移および2ME感受性抗体を測定した。なお、2ME感受性抗体はHI抗体価が40倍以上となった際に行うこととした。結果は下表に示すとおりである。 7月下旬に10頭中3頭(30%)が抗体陽性となり、9月上旬には検査した全てのブタが抗体陽性となった。この内、7月下旬の2頭はHI抗体価が640倍および2560倍であり、40倍以上であったため2ME感受性抗体試験を実施したが、2ME感受性は確認されなかった。このことから、7月下旬の2頭は数週間以上前に感染したと推察される。 Konnoらによれば、ブタの半数以上が抗体陽性となると約2週間後からその地域で日本脳炎患者が発生することを報告している。 実際に2016年は8月下旬から抗体保有率が60%となり、9月に2例の日本脳炎患者が発生した。 2018年は9月に抗体保有率が100%となったが、患者発生は確認されなかった。 次年度も引き続き調査を実施し、流行予測、予防啓発に努めたい。
*本調査は平成30年度感染症流行調査実施要領(厚生労働省)に基づき行った。
表29 ブタの日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況(2018年)
採血月日検査頭数HI抗体価HI抗体陽性率2ME感受性抗体※1
<1010204080160320 ≧640(≧10)%検査数※2陽性数(%)
6月22日1010       0   
6月28日1010       0   
7月13日1010       0   
7月27日1071     23020
8月10日1091      10   
8月24日10811     20  
9月7日10 10      100   
9月21日10 10      100   
※1:2-メルカプトエタノール(2ME)感受性抗体(感染初期のIgM抗体の存在を示す)
※2:HI抗体価 1:40以上
島根県感染症情報センター