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2004(H16)年 <  2005(H17)年 年報  > 2006(H18)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
全数把握週報(インフルエンザ・小児科・眼科・基幹定点)月報(STD・基幹定点)精度評価
発生状況表1.全国表2.月別表3.保健所別表4.過去
1.2005(平成17)年の感染症発生状況の解析と評価
1)全数把握疾患の発生状況:表1〜3
(1)一類感染症
 全国でも報告がなかった。
(2)二類感染症
 細菌性赤痢(Shigella sonnei 1)が1名報告された。東南アジアの旅行による感染であるが、感染源等は不明である。旅行の同行者にも発症は無く、感染が広がることなく治癒した。細菌性赤痢は近年海外からの輸入例が多発し、旅行や輸入食品に対して十分な注意喚起が必要である。
(3)三類感染症
 腸管出血性大腸菌感染症は、64名の報告があった。夏期に食品を原因とした感染事例が多く報告されるが、本年は施設内の集団発生が多く約80%(51名)を占めた。特に1月にはO26とノロウイルスの複合感染事例があり、施設の日頃の健康管理の在り方が問題となった。1月、7月、9月の集団発生はいずれも保育園によるものであり、おむつの管理や取扱いに対する指導を強化する必要がある。
血清型毒素型1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
O26H-VT1+,VT2-1           1
O26H11VT1+,VT2-11    11     13
O111H-VT1+,VT2-      1     1
O157H-VT1+,VT2+        1   1
O157H7VT1+,VT2+      24116  32
VT1-,VT2+        16   16
12000012611860064

(4)四類および五類感染症
 つつが虫病が2名、日本紅斑熱が12名、全国では、つつが虫病が325名、日本紅斑熱が62名報告された。つつが虫病は全国的に患者報告があるが、日本紅斑熱は太平洋側の地域を中心として比較的暖かい地域に発生がみられる。日本海側での発生は島根県のみである。近年島根県内では日本紅斑熱に対する認識が高まり、診断が確実に行えるようになった。季節別では日本紅斑熱は媒介動物であるマダニの活動時期である5月から10月を中心として報告がある。つつが虫病は全国的にみると媒介動物のツツガムシのふ化時期である初夏(5月〜6月)と、初冬(11月〜12月)に多く報告がみられる。
 また、日本脳炎の報告が1名あった。感染症流行予測調査によると2005年は例年よりもブタのHI抗体価の上昇が早く、日本脳炎ウイルスの存在があったと推定される。患者の日本脳炎予防接種歴が無かったのも発症につながったものと考えられる。
 後天性免疫不全症候群の報告が3名あった。ここ3年、1名ずつではあるが増加しており、STD予防とともに啓発を行う必要がある。
 その他の疾患では、マラリアが1名、レジオネラ症が1名、A型肝炎が1名、アメーバ赤痢が4名、ウイルス性肝炎が1名(B型)、クロイツフェルト・ヤコブ病が1名、梅毒が2名、破傷風が2名、バンコマイシン耐性腸球菌感染症が1名、急性脳炎が2名報告された。
島根県感染症情報センター