結核患者の管理
結核の場合、インフルエンザや感染性胃腸炎のような急性感染症に比べ、経過が長い感染症です。
平均で10か月程度の長期的な服薬治療が大切です。治療を中断すると、薬剤耐性で難治性となり、治療が更に長期化することがあります。
現在、結核は、患者の登録から治癒まで、一環して保健所で管理されています。
通常、結核の発生届出を受理した後、患者を台帳登録し、治療状態や菌検査結果、患者がきちんと服薬治療しているのかを把握し管理します。
平均治療期間としては島根県では8か月程度ですが、治療中断のおそれがある患者に対しては、個別訪問して服薬指導を行うこともあります。
服薬治療が終了した後も、患者の健康状態を定期的に把握して、再発のおそれが
十分なくなったと判断した場合に、結核の登録台帳から削除します。
●結核登録率の推移
昭和50年(1975年)には、全国で10万人あたり614.2人が、島根県で718.3人が登録されていました。
10年後の昭和60年(1985年)では、全国で10万人あたり253.1人島根県で226.7人と半数以下に激減しました。(図1)
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図2 登録まで時間が掛かった人の割合(%) |
●発見の遅れ
結核患者の約80%がなんらかの自覚症状があって受診し発見されています。
発見の遅れをできるだけ短くすることは、本人のみでなく、周囲への感染機会を減らすという利点があります。
図2は、結核の発見の遅れの状況を、発病から初診までの期間が2か月以上の割合、初診から登録までの期間が1か月以上の割合、の二つの指標で表したものです。
全国では、発病から初診まで1か月以上の割合、初診から登録まで1か月以上の割合は、横ばいです。島根県では、年による変動はあるものの、早期受診、早期届出が行われています。
●治療期間
右図は、結核の平均治療期間と平均入院期間の推移を表したものです。全国的に、平均治療期間、平均入院期間共に、短くなってきています。
全国との比較では、平均治療期間は、島根県は、平成17年で7.3か月と、全国の10.2か月に比べて、約2か月短くなっており、平均入院期間は、島根県は、平成17年で2.7か月と、全国の3.9か月に比べて約1か月短くなっています。