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風しん
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風しんを予防して、胎児を「先天性風しん症候群」から守りましょう

発生状況
 風しんは、1993年頃までは数年間隔で流行がみられていました。
 その後は、散発あるいは単発的な発生となっていましたが、2011年以降流行が拡大し、2012年から2013年は大都市圏を中心とした風しんの流行がみられました。
 2014年以降は大きな流行は見られませんでしたが、2018年の春から患者発生報告が増加し、5年ぶりの流行となっています。  風しんに対して抗体の無い妊娠初期の妊婦が感染した場合、生まれてくる赤ちゃんが先天性風しん症候群になるおそれがあります。
 先天性風しん症候群は、2006年4月の調査開始以降、全国で48人の症例が報告されています。うち44件は、2012〜14年の風しん流行時に出生しています。
 風しんはワクチンで予防できる病気です。定期の予防接種の機会がなかった30〜40代男性において抗体保有率(風しんに対して十分な免疫があるかどうかを示す検査値)が低いことがわかっており、2018年の流行でも30〜40代男性の報告数が多くなっています。このような流行が続くと、妊娠しているパートナーへの感染が起こり、先天性風しん症候群が発生するおそれが生じます。
風疹急増に関する緊急情報(2019年)(外部リンク:国立感染症研究所)
病原体
 風疹ウイルス(rubella virus)
感染経路
 鼻咽頭分泌物の飛沫感染。
 ウイルスの排泄期間は、発疹出現の前後約1週間。
潜伏期
 14〜21日です。
臨床症状
 発疹、リンパ節腫脹、発熱を主徴とします。まず、発疹は紅色の斑状丘疹が顔面に始まり、全身に広がり 約3日で消失します。全身のリンパ節腫脹(主に後頭、耳後、頸部)は発疹出現の数日前からみられ、発疹期 に著明となり数週間で消失します。発熱は一般に軽度で、無熱のこともあります。
 一般に風しんは予後良好な発疹性疾患ですが、成人の感染は小児に比べ重症感があり、しばしば予後良好な 関節炎がみられます。また、小児では血小板減少性紫斑病(風しん患者3000人に1人程度)、脳炎(患者数1000人に 1人程度)が発生します。
※※ 先天性風しん症候群 ※※  免疫のない妊娠初期の妊婦の感染により白内障、心疾患、難聴、小頭症、肝脾腫などの先天性異常 の児が生まれることがあります。
風しん抗体価未保有者
※2010年全国感染症流行予測調査より

治療と予防
 特異的治療法はなく、必要に応じて対症的におこないます。
 予防法としては、風しんワクチンの予防接種があります。麻しんとの混合ワクチン(MRワクチン)の定期予防接種が1期(1歳児)、 2期(小学校入学前)で実施されていますので、予防接種を受けましょう。
 定期予防接種対象年齢以外の方で、風しんに罹った事がなく、風しん若しくは麻しん風しん混合ワクチン(MR)未接種の方や抗体価が低い方(特に妊娠中の女性の家族、妊娠を予定又は希望している方やその家族)は、任意の予防接種を受けられることをお勧めします。
 出産を経験された女性は、妊娠中に風しん抗体価の検査がおこなわれ、母子手帳に記録が残っています。抗体価が低い場合は、出産後、早期のワクチン接種をお勧めします(なお、ワクチン接種後は2ヶ月間避妊が必要です)。

法律での取扱い
 感染症法では、風しんは2008年1月1日から、5類全数把握疾患として、最寄の保健所に発生数を届け出ることに なりました。先天性風しん症候群を診断した医師も、5類全数把握疾患として最寄の保健所に届け出ます。
 なお、風しんについては、感染拡大防止のための調査を迅速に開始する必要性があるため、診断を行った医師は直ちに最寄りの保健所へ届出を行ってください。(病原体検査で風しんではないと判明した場合には届出の取り下げもお願いします。)
 また、学校保健安全法では、発疹が消失するまで出席停止となっています。
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島根県感染症情報センター