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日本脳炎(Japanese encephalitis)
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日本脳炎
日本脳炎とは
日本脳炎報告の推移  日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。
 九州・沖縄・中国・四国地方などの西日本に多く、1960年代中頃までは、全国と同様に島根県でも流行していましたが、予防接種により患者数は激減しています。
 島根県では、まれに年間1件の報告がある事があり、平成28(2016)年には2件(出雲圏域・益田圏域各1件)、令和元(2019)年には1件(益田圏域)の報告がありましたが、以後は報告されていません。
全国では年間2から10件程度の発生が続いています。
 一方、毎年実施される島根県の感染症流行予測調査では 今シーズン(2024年)すでにブタで日本脳炎ウイルスがまん延し、ヒトへの感染リスクが高くなっていることがわかりました。予防接種の確実な実施と、蚊の防除が大切です。

病原体と感染経路
コガタアカイエカ  日本脳炎ウイルスは、日本のほか、韓国、中国南部、インド、東南アジアなど広く分布しています。
 ウイルスに感染しているブタ、馬、鳥を吸血した蚊(コガタアカイエカ、アカイエカ)に刺されることで感染します。感染したウイルスは血液中で増殖し、中枢神経に感染することによって脳炎を発症します。
 ヒトからヒトへのウイルス感染はありません。
潜伏期
 発症は、ウイルスを保有する蚊に刺されてから6〜16日後です。
臨床症状
 突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、小児では、腹痛、下痢も多くみられます。その後、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こし、後遺症を残すことや死に至ることもあります。
 感染しても日本脳炎を発病するのは 100〜1,000人に1人程度で、大多数は無症状(不顕性感染)のまま経過しますが、発症すると死亡率は20〜40%、生存者の45〜75%に後遺症が残り、特に、小児や高齢者では、危険度が高いとされています。
検査室診断
 血液・髄液からの病原体遺伝子の検出(PCR法)、血清抗体の検出(ペア血清による抗体陽転又は抗体価の有意上昇の確認)などを行います。
治療と予防
 特異的な治療法はありません。対照療法として解熱剤、強心剤、ステロイド投与、酸素吸入等を適切に行います。
 予防にはワクチンの接種が有効です。予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。 詳しくは、お住まいの市町村へお尋ねください。
 また、他の蚊媒介性感染症の予防と同様、蚊の駆除と蚊に刺されないよう注意することが重要です。
感染症法に基づく取扱い
 4類感染症に指定されており、症状や所見から日本脳炎が疑われ、病原体・血清学的に診断した医師は、直ちに最寄りの保健所に届出をすることが義務づけられています。
更新:2023年7月28日(流行予測調査を更新)
媒介疾患


島根県感染症情報センター