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乳児ボツリヌス症の予防について

 本症の原因食品としては、蜂蜜が注目されていましたが、今般、ボツリヌス菌に汚染された井戸水を原因とする事例が発生しました。乳児のいる家庭や児童福祉施設等においては、次の事項に留意し、乳児ボツリヌス症を予防しましょう。

蜂蜜について

 1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないこと。

 なお、本症は乳児特有の疾病であり、1歳以上の者に蜂蜜を与えても本症の発生はありません。

1歳未満の乳児の調製粉乳の調製及び水分補給に使用する水について

 次のいずれかの水を使用し、念のため一度沸騰させ50℃程度に冷ましたもの用いましょう。

  • 水道水
  • 水道法に基づく水質基準に適合することが確認されている自家用飲用井戸等の水
  • 調製粉乳の調製用として推奨される容器包装に充填し、密栓又は密封した水

自家用飲用井戸や湧水等の水の衛生確保について

 自家用飲用井戸等の水については、居住成人で直ちに影響が現れなくとも、細菌、硝酸態窒素、ヒ素等により汚染されていることは珍しいことではありません。したがって、井戸等を使用する場合は、使用開始前の水質検査や使用開始後の定期的な検査などを実施して衛生を確保しましょう。

 

乳児ボツリヌス症等についてのQ&A

乳児ボツリヌス症について

  • 乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌芽胞を生後1年未満の乳児が経口的に摂取した結果、腸管内で菌が発芽・増殖して産生した毒素により発症するもの。弛緩性の麻痺、呼吸麻痺が主症状で致命率は毒素による食中毒に比べ低く1〜3%。頑固な便秘のために、便から1〜2カ月菌が排泄される例も珍しくなく、この間の二次汚染に十分な注意が必要。
  • 国内では、1986年の千葉県での初発例以来約20例が報告されているが(生後1〜9ヶ月)、当初は蜂蜜が主要な原因食品として注目。飲料水に起因する発症事例はこれまで報告されていない。なお、今回報告があった事例において、患者宅の井戸水から検出されたボツリヌス菌の汚染源は特定されていない。

ボツリヌス菌について

  • ボツリヌス菌は元来土壌細菌であり、国内の土壌中から比較的容易に見いだすことができるが、A型及びB型菌は国内の土壌中には稀。偏性嫌気性菌で酸素の存在下では発育できない。
  • ボツリヌス毒素は、水道水に義務づけている塩素消毒により速やかに失活し、また、100℃で10分間加熱すれば失活するとされている。但し、芽胞菌の状態では耐熱性があり、100℃で数分程度の加熱では生き残ることがあるとされており、低濃度の塩素も無効と考えられるが、濁質の除去は汚染レベルの低減に有効。飲料水中で一般的に増殖しにくい。

参考資料・リンク


お問い合わせ先

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島根県健康福祉部薬事衛生課
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