令和2年県政の主な動き
新型コロナウイルス感染症の世界的流行
令和元年12月に中国武漢市で確認された新型コロナウイルス感染症は、令和2年1月に日本国内で初の感染者が確認されて以降、感染が拡大、世界的流行となった。島根県においても、コロナ感染拡大防止と経済社会活動の両立を図るべく、対策を講じた。
1月 |
・県に危機管理対策本部を設置 |
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2月 |
・県内の各圏域に、帰国者・接触者相談センター、帰国者・接触者外来を設置 |
3月 |
・新型インフルエンザ等特別対策措置法(特措法)が改正され、政府が対策本部を設置 |
4月 |
・第71回全国植樹祭の延期決定 ~県内全ての県立学校に5月6日までの休業を要請 |
5月 |
・GWに島根県への来県自粛ラッピングバスを運行 ~都道府県をまたぐ移動は極力避けることを要請 特措法第45条第2項により、松江市内1施設へ休業を要請するとともに、法第45条第4項により施設名を公表 ~5月2日県立学校の再開、外出自粛の継続など ~5月末までは都道府県をまたぐ移動は極力避けることを要請等 |
6月 |
・第9回県対策本部会議 ~全ての都道府県への移動自粛要請を全面解除 |
7月 |
・第11回県対策本部会議 ~首都圏へ出かける際の注意点等を要請 ~県外での接待を伴う飲食店の利用、県外の人とのアルコールを伴う飲食店の利用は控えること等 |
8月 |
・中国地方知事会新型コロナウイルス感染症対策本部会議(5) |
9月 |
・菅内閣発足(9/16) ~イベントの収容率、人数上限を提示し、要請等 |
10月 |
・第15回県対策本部会議 |
11月 |
・中国地方知事会令和2年度第2回知事会議 ~12月1日以降のイベント開催の目安を提示等 ~感染拡大地域への移動時の注意、感染リスクが高まる5つの場面等 ~北海道札幌市、東京都のように、住民に不要不急の外出自粛をしている地域への移動は必要性を十分に検討し慎重に判断 |
12月 |
・中国地方知事会新型コロナウイルス感染症対策本部会議(6) ~都道府県が住民に対し、不要不急の外出自粛をしている地域からの帰省・旅行は、ご家族と相談するなど、慎重に判断 |
(2)県内の感染者数(月別)
4月:23人5月:1人6月:0人7月:5人8月:108人9月:3人10月:1人11月:7人12月:61人合計:209人
(3)主な対策等
ア.予算編成
3月から11月にかけて9回の補正予算を編成し、総額448億円の新型コロナウイルス感染症対策予算を編成した。
イ.検査体制等
帰国者・接触者相談センターや帰国者・接触者外来の設置、PCR検査機器の増設、広域入院調整本部の設置、軽症者等の宿泊療養施設の確保など、相談から検査、医療に至るまでの体制を整えた。
また、感染事例発生時には、保健所による積極的疫学調査や幅広の行政検査を実施し、感染の拡大防止と封じ込めに取り組んだ。
県民に対しては衛生管理の徹底について、知事会見や県のHP、SNS、新聞などを通じて継続して呼びかけた。
ウ.経済対策
影響が深刻な事業者や農業者、漁業者への対応として「新型コロナウイルス感染症対応資金」などの制度融資の創設や、商業・サービス業向けの感染防止対策支援など緊急性の高い施策を実施した。また、県内の消費喚起対策として、プレミアム宿泊券・飲食券を販売し、宿泊券では約7億円、飲食券では約17億円の消費喚起につなげたり、貸切バス等の運賃助成などにも取り組んだ。
〔写真〕患者から採取された検体から遺伝子を取り出す作業
日本書紀成立1300年特別展「出雲と大和」の開催【1月~2月】
日本書紀成立1300年の節目の年である令和2年に、東京国立博物館において奈良県と共同で特別展「出雲と大和」を開催。出雲と大和の名品を一堂に集めて、島根県と奈良県の歴史文化の魅力を全国へ広く発信した。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため会期途中で閉幕となったが、13万6千人という多くのお客様にお越しいただいた。
〔写真〕特別展「出雲と大和」チラシ
「にほんばし島根館」の閉館及び「日比谷しまね館」の開館【1月、5月】
■平成15年11月に首都圏における島根県の総合的な情報発信拠点としてオープンした「にほんばし島根館」は、開館から16年余り、県産品や観光、移住・定住などの情報発信を行ってきたが、日本橋エリアの再開発により、1月31日に閉館した。
■「にほんばし島根館」に替わる新たな情報発信拠点として、複合商業施設「日比谷シャンテ」(千代田区有楽町)内に、「日比谷しまね館」が5月29日に開館した。県産品や観光、移住情報の発信はもとより、県内自治体や事業者が活用できる設備(イベントスペース、飲食スペース)も備え、様々な情報発信に対応できる施設となっている。
〔写真〕オープンした日比谷しまね館
2名に県民栄誉賞を決定【3月、11月】
■里見香奈女流棋士(3月)
出雲市出身の里見香奈女流棋士は、令和元年9月に女流六冠を達成するとともに、令和2年2月、女流名人戦に勝利し、女流タイトル戦連覇では女流名人で最多の11連覇を達成するなど、女流棋士界において数多くの記録を打ち立てた。
これらの偉業は、県民の誇りであり、県民に明るい希望と活力を与えた。その栄誉を讃え、県民栄誉賞を授与することを決定した。
■澄川喜一先生(11月)
吉賀町出身で島根県芸術文化センター長である澄川喜一先生は、戦後の抽象彫刻のパイオニアとして60年にわたり活動し、その間、東京藝術大学の教授・学長を歴任するなど多大な業績を残した。
また、平成17年4月に芸術文化センター長に就任し、同年10月の開館当初から島根の芸術文化の発展に尽力している。
令和2年11月には、文化勲章を受章し、県民に大きな喜びと感動を与えた。
美術界全体の功績と県の地域振興も含めた芸術文化振興への功績を讃え、県民栄誉賞を授与することを決定した。
「島根創生計画」を策定【3月】
島根県が目指すべき将来の姿を「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」とし、その実現に向けて令和2年度から6年度までの5年間の施策運営の総合的・基本的な指針を示す、「島根創生計画」を策定した。
3つの柱(全3編)で政策・施策を構成し、4月から産業振興、結婚・子育て支援の充実などの取組をスタートした。
第1編人口減少に打ち勝つための総合戦略
第2編生活を支えるサービスの充実
第3編安全安心な県土づくり
〔写真〕島根創生計画
「しまね教育魅力化ビジョン」を策定【3月】
学習指導要領の改訂、人工知能をはじめとする急速な技術革新やグローバル化の一層の進展など、様々な変化が予想される中、基本理念「ふるさと島根を学びの原点に未来にはばたく心豊かな人づくり」や施策の方向性を示す島根県教育の新たなビジョンとして「しまね教育魅力化ビジョン」を策定した。
島根に育ち学んだ自信を胸に、自らの人生と未来を切り拓き、夢や希望を実現してもらいたい、この思いを、学校・家庭・地域・行政など、教育に関わる全ての人が共有し、相互に連携しながら教育施策に取り組むこととした。
〔写真〕しまね教育魅力化ビジョン
萩・石見空港東京線2便運航継続【5月】
萩・石見-東京(羽田)線は、国の「羽田発着枠政策コンテスト」での採択を受け、令和5年3月までの2便運航の継続が決定した。
航空路線の維持・充実は、石見地域の県民生活や産業振興、関係人口の創出などに大きな効果をもたらすことが期待されるため、引き続き、「萩・石見空港東京線利用促進対策会議」を中心に、関係者と連携しながら、空港の利用促進と石見地域の活性化に取り組むこととした。
〔写真〕萩・石見空港出発便を見送る空港関係者
三瓶自然館サヒメル、浜山公園野球場がリニューアルオープン【6月】
■三瓶自然館サヒメル
令和元年度に展示機能などの大幅な施設改修を行い、6月1日にリニューアルオープン、7月23日にオープニングセレモニーを実施した。
リニューアルした施設は、五感で自然を楽しむキッズスペースや、三瓶の火山の成り立ちを大迫力の音と映像で伝える火山時空シアターなどを新たに備え、体感して楽しみながら学べる施設へと生まれ変わった。
また、「しまねの自然公園満喫プロジェクト」の拠点施設として、県内の自然公園等の魅力を発信するフィールドセンターを再整備し、機能の充実・強化を図った。
■浜山球場野球場
選手用施設や大会運営施設などの大幅な拡充を目的として平成30年10月から改築工事を行ってきた県立浜山公園野球場メインスタンドが6月13日にリニューアルオープンした。今回の整備を機に本県の競技力向上への期待が高まった。
〔写真〕大迫力の火山時空シアター
〔写真〕リニューアルした浜山公園野球場のメインスタンド
浜田川総合開発事業の竣工(第二浜田ダム・浜田ダム再開発)【6月】
浜田市街地の治水対策と河川環境の保全を目的として、第二浜田ダムの建設とともに、浜田ダムの再開発を行ってきた。平成28年に第二浜田ダムが完成し、令和2年5月には浜田ダム再開発の工事が完了して、6月から治水専用ダムとして運用を開始した。
河道改修と完成した2つのダムの洪水調節により、浜田市街地の治水安全度は、それまでの最大規模の洪水(S58.7、S63.7)に耐えられるまで向上した。
なお、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、竣工式典は10月6日に延期して開催した。
〔写真〕上空から見た浜田ダム
島根県から2件の日本遺産認定【6月】
益田市の「中世日本の傑作益田を味わう~地方の時代に輝き再び~」と、大田市の「石見の火山が伝える悠久の歴史~“縄文の森”“銀(しろがね)の山”と出逢える旅へ~」の2件のストーリーが、日本遺産に認定された。これにより県内の日本遺産認定件数は6年連続で7件目、全国では104件となった。
(認定されたストーリーの概要)
■中世日本の傑作益田を味わう~地方の時代に輝き再び~(益田市)
櫛代賀姫神社など26の文化財で構成された、中世益田にまつわるストーリー
■石見の火山が伝える悠久の歴史~“縄文の森”“銀(しろがね)の山”と出逢える旅へ~(大田市)
三瓶小豆原埋没林など22の文化財で構成される、火山活動由来の地域資源をまとめたストーリー
〔写真〕萬福寺本堂
〔写真〕三瓶小豆原埋没林
令和2年7月豪雨及び令和2年8月大雨による災害【7月、8月】
令和2年7月13日からの大雨により、江の川下流域の市町を中心に家屋の損壊、浸水などの多大な被害が発生した。特に、多数の住家に被害が生じた江津市に、県は災害救助法及び被災者生活再建支援法を適用した。
また、平成30年7月豪雨で被災し、令和2年7月豪雨で再度被災した世帯の生活再建に必要な、家電や家具等の購入や修理への支援を行うための新たな制度を設けた。
さらに、8月には、大雨により隠岐の島町において、住家の床上浸水等の被害が発生した。
〔写真〕江の川氾濫(令和2年7月豪雨)
〔写真〕道路の被災(令和2年8月大雨)
「島根の『つなぐ道プラン2020』」を策定【9月】
10年間の道路施策(整備・管理・活用)の方向性を示す新たな道路整備計画として「島根の『つなぐ道プラン2020』」を策定した。
『地域』をつなぎ、『ひと』をつなぎ、『いのち』をつなぎ、未来につなぐしまねの道づくりを基本理念に「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」の土台を築くため、
1.選択と集中による早期の効果発揮
2.老朽化対策、防災・安全対策へのシフト
3.既存施設を有効活用する効果的な投資
の3つを念頭に、多様化する道路施策への取り組みをスタートした。
〔写真〕島根の『つなぐ道プラン2020』
第84回国民スポーツ大会・第29回全国障害者スポーツ大会島根県準備委員会設立【10月】
2030年に島根県で開催が予定されている国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の準備委員会設立総会及び第1回総会が10月2日に開催され、丸山知事を会長に10年後の両大会開催に向けた準備が本格的にスタートした。
〔写真〕第84回国民スポーツ大会・第29回全国障害者スポーツ大会島根県準備委員会
しまね健康寿命延伸取組宣言【10月】
健康長寿日本一を目指し、知事と健康長寿しまね推進会議会長が「しまね健康寿命延伸取組宣言」を行った。
[しまね健康寿命延伸取組宣言]
1.一人ひとりが、生涯を通じて健康チェックや生活習慣の改善に取り組みます
2.地域では、人と人とのつながりや住民同士の支え合いを大切にし、社会参画を通じて健康なまちづくりに取り組みます
3.職場では、働き盛り世代の健康づくりと健康経営に一層取り組みます
4.学校では、子ども達の心身の健康づくりに取り組みます
〔写真〕知事と健康長寿しまね推進会議森本会長が「しまね健康寿命延伸取組宣言」に署名
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広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp