平成25年(2013年)県政の主な動き
島根県地域防災計画と防災対策の強化が進む【1月、2月、11月以降】
◆地域防災計画の修正
防災関係機関が全機能を有効に発揮し、相互に協力して県民の生命、身体及び財産を災害から守ることや、県民一人一人の意識によって、できるだけその被害を軽減していくことを目的に、「地域防災計画」を策定している。津波と地震で甚大な被害が発生した東日本大震災を受け、この「地域防災計画」を修正した。(2月)
主な修正点は、「避難対策の充実・強化」、「地域防災力の向上」、「広域・長期に及ぶ大規模災害への対応強化」となる。
また、福島第一原発事故後の国におけるさまざまな見直しを踏まえて、原子力災害対策重点区域(島根原発から概ね30キロ圏)の設定や広域避難計画の策定などを盛り込んで「原子力災害対策編」についても修正を行った。(2月)
〔写真〕海士町菱浦地区での津波避難マップづくりの様子
◆原子力防災訓練を実施
中国電力島根原子力発電所の事故を想定した原子力防災訓練を、松江市、出雲市、安来市、雲南市、鳥取県、米子市、境港市とともに実施した。昨年策定した、広域避難計画に基づき、島根県内で住民546人が島根原発から30キロ圏外へ避難する訓練を初めて行った。(1月下旬)
11月には、2日間に分けて、原子力防災訓練を実施した。初日は、防災関係機関による通信連絡を含む初動対応訓練や放射線量を測定するモニタリング訓練、病院の避難訓練を実施した。2日目は、住民避難訓練や社会福祉施設の避難訓練などを行った。(11月5日、10日)
〔写真〕情報交換を行う溝口知事(原子力防災訓練)
竹島領土権の早期確立に向け取り組み推進【2月】
政府において、2月初め、竹島を含め領土に係る問題を所管する組織「領土・主権対策企画調整室」が内閣官房へ設置された。
2月22日の第8回「竹島の日」記念式典には、初めて政府代表(島尻内閣府政務官)の出席や多くの国会議員の参加をいただき、また数多くのマスコミにも取り上げられ、竹島問題について全国に広く情報発信された。
〔写真〕主催者を代表して挨拶する知事
〔写真〕島尻内閣府大臣政務官に要望書を手渡す知事
松江自動車道、松江だんだん道路が全線開通【3月】
◆松江自動車道全線開通
「松江自動車道」が3月30日に、吉田掛合IC〜三次東JCT・IC間(延長48.7km)が開通し全線開通となった。三次東JCTで中国道と接続したことにより、松江〜広島間がすべて高速道路でつながり、松江玉造IC〜広島IC間は2時間15分程度で行くことができるようになった。
〔写真〕松江自動車道が全線開通
◆松江だんだん道路全線開通
「松江だんだん道路」は全体延長5.2kmのうち、残っていた北側の川津ICから西尾IC間(延長2.6km)が3月10日に開通した。これにより一般国道431号川津バイパスと山陰道が自動車専用道路で結ばれ、松江市街地の南北を繋ぐ大動脈が完成した。
これらの道路の完成により、県東部の中核をなす宍道湖・中海圏域が全国の高速道路ネットワークと繋がり、観光振興や企業誘致に効果が現れた。平成26年度には尾道松江線が全線開通し、山陽方面はもとより、四国方面との交流の拡大も期待される。
〔写真〕松江だんだん道路(川津ICから西尾IC間)開通式
東北との絆、水産練習船「神海丸」の竣工【4月】
県内の水産高校が使用する新大型水産練習船「神海丸」(699トン)の竣工式を、4月12日にマリンプラザしまね(松江市島根町)で行った。
この「神海丸」は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により大きな被害を受けた宮城県石巻市の造船所で建造され、震災後、同造船所で初めて竣工した復興一番船となった。船体には生徒たちの思いを込め、島根と東北を結ぶ「絆」をイメージした島根、岩手、宮城、福島の県旗の色を使用している。
〔写真〕竣工した神海丸
「平成の大遷宮」とキャンペーンの展開【5月以降、7月以降】
◆出雲大社「平成の大遷宮」による県内各地の賑わい
出雲大社で60年ぶりに「平成の大遷宮」が執り行われ、出雲大社や周辺地域を始め、県内各地が多くの観光客で賑わった。また、出雲縁結び空港発着便利用者数が大きく伸びたほか、JR、一畑電車などの利用者数も増えた。
遷宮にあわせて、古代出雲歴史博物館では特別展「平成の大遷宮出雲大社展」を開催した。
〔写真〕御修造を終え美しく蘇った出雲大社本殿
〔写真〕観光客で賑わう神門通り
◆「ご縁の国しまね」観光PRキャンペーン
首都圏在住者を対象に島根県の認知度向上と来訪促進を図るため、「ご縁」をテーマにした観光PRキャンペーンを展開した。
キャッチコピーは「運は一瞬、縁は一生。ご縁の国しまね」、PR大使に「DAIGO」を起用した。
・主なPR内容
7月プレス発表の開催、特設サイト開設、交通広告
9月「ご縁カフェ」、「ご縁居酒屋」の実施、「ご縁電車しまねっこ号」の運行
11月「ご縁」にまつわるエピソード募集
〔ご縁の国しまねのPRポスター〕
〔写真〕ご縁電車しまねっこ号の運行
ドクターヘリの広域連携開始【5月〜6月】
中国5県によるドクターヘリの広域運航については、1月23日に5県及び4基地病院による基本協定を締結した。
広島県ドクターヘリは5月1日、山口県ドクターヘリは6月10日から島根県へ乗り入れを開始し、島根県ドクターヘリが5月27日から鳥取県へ乗り入れを開始したことにより、島根県が関係する全ての広域運航が開始された。
これにより、県下全域で30分以内にドクターヘリが到着可能となり、救命率の向上や後遺障害の軽減に効果を発揮した。
〔写真〕中国地方5県の基本協定締結式
〔写真〕鳥取県西部消防との訓練の様子
斐伊川神戸川治水事業の推進【6月】
斐伊川神戸川治水事業の3点セットのひとつである「斐伊川放水路」が完成し運用を開始した。
9月3日からの降雨では、上流部の尾原ダムと中流部の斐伊川放水路により、斐伊川本川で約80cm、宍道湖湖心では約20cmの水位が低減するなどの効果があった。
下流部の大橋川改修については、追子地区の堤防整備や、天神川水門などの工事が進められている。
〔写真〕完成した斐伊川放水路の分流堰
〔写真〕工事が進む天神川の水門
県西部を中心とした大雨災害発生【7月、8月】
津和野町及び浜田市、江津市、邑南町を中心とした西部地域及び安来市などで、7月と8月に大雨災害が発生した。
死者1名、行方不明者1名、家屋の損壊、浸水など多大な被害が発生し、JR三江線、山口線、山陰本線の一部区間が運休するなど公共交通機関にも被害が発生した。
県では防災ヘリによる救助活動を実施するとともに、津和野町及び江津市に災害救助法を適用した。また、県警察本部及び関係警察署に災害警備本部を設置し、関係機関と連携しながら、孤立した住民の救出救助、各種支援等の災害警備活動を実施した。
補正予算を措置し、被災者の生活支援の貸付け等や、早急な災害復旧工事に対応した。
〔写真〕津和野町鷲原地区の被害状況
〔写真〕国道261号(邑南町井原)の被害状況
売れる農産品づくりに向けて期待の新品種が好評価【7月、10月以降】
島根の名牛「第7糸桜」の血を受け継いでいる、県有種雄牛「隆娘(たかむすめ)」号は、7月5日、現場後代検定において、上物率(4等級以上の割合)が100%と極めて優秀な成績であることが判明した。新たな糸桜系種雄牛として今後の活躍が期待される。
〔写真〕県有種雄牛「隆娘」
秋から、トルコギキョウ県オリジナル新品種「SO八雲雅(やくもみやび)」の本格出荷が始まった。明るい紫色、大輪のボリュームある品種で、幅広い用途に利用できることから、高単価で取引された。県オリジナル品種のトルコギキョウは15品種となり、バラエティーに富んだラインナップとなった。(9月)
〔写真〕トルコギキョウ県オリジナル新品種「SO八雲雅」
県オリジナルのメロンの新品種「ゴールデンパール」の出荷を開始した。このメロンは、とろける甘さと芳しい香りを持つ白い果肉を覆う果皮が、食べ頃を迎えると黄色に変わる特徴を持つ。県内のメロン産地を活性化させる起爆剤となり、メロンの生産拡大につながることが期待されている。(10月)
〔写真〕メロン県オリジナル新品種「ゴールデンパール」
農業技術センターで育種したあじさいの県オリジナル品種「美雲(みくも)」が日本の花き新品種コンテスト「ジャパンフラワーセレクション2013-2014」(鉢物部門)で、優秀賞となる「ベスト・フラワー」と「ジャパンデザイン特別賞」を受賞した。県オリジナル品種としては、昨年の「万華鏡」に続き2年連続受賞となった。(11月)
〔写真〕あじさいの県オリジナル新品種「美雲」
隠岐諸島が世界ジオパークに認定【9月】
9月9日に韓国・済州島で開催されたアジア太平洋ジオパークチェジュ会議で、隠岐諸島が世界ジオパークに認定された。
世界認定は国内で山陰海岸、室戸などに次いで6番目となる。隠岐世界ジオパークは、隠岐諸島の陸域と周辺海域を範囲とし、科学的に貴重な地形、地質に恵まれ、独自の生態系、豊かな自然が育んだ歴史、文化も見どころになっている。
〔写真〕アジア太平洋ジオパークチェジュ会議での認定発表
〔写真〕世界認定を喜ぶ隠岐ジオパークの関係者
古代歴史文化賞の創設、決定と全国への情報発信【9月〜12月】
国民の歴史文化への関心を高めることを目的とする古代歴史文化賞を創設した。この賞は、島根県が提唱し、古代の歴史文化にゆかりの深い三重県、奈良県、宮崎県と共同で企画するもので、歴史研究を踏まえながらも分かりやすい書籍を対象としている。9月に、第1回の大賞及び地域賞を決定した。
11月には東京で、12月には松江で受賞者による講演と記念シンポジウムを開催し、多くの聴講者の来場があった。
・受賞作品
古代歴史文化賞(大賞)「古代国家はいつ成立したか」都出比呂志著
古代歴史文化しまね賞「古代に行った男ありけり」関和彦著
古代歴史文化みえ賞「古事記はいかに読まれてきたか−<神話>の変貌」斎藤英喜著
古代歴史文化なら賞「道が語る日本古代史」近江俊秀著
古代歴史文化みやざき賞「古事記を読みなおす」三浦佑之著
〔写真〕受賞作品発表の様子
〔写真〕東京で開催した記念シンポジウムの様子
中国電力の島根原発2号機の新規制基準への適合性確認申請を了解【12月】
中国電力が原子力規制委員会に新規制基準適合性確認申請をすることについて、12月24日に了解した。
この了解に当たっては、中国電力に対しては12月24日、原子力規制委員会に対しては12月26日に諸事項を要請した。
安全協定第6条の最終的な了解は、原子力規制委員会から審査結果について説明を受け、それに対して県議会をはじめ、県の安全対策協議会、原子力安全顧問、松江市や周辺自治体などの意見を聞いて、総合的に判断することとしている。
〔写真〕適合性確認申請の回答書を中国電力へ手渡す溝口知事
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp