平成21(2009)年県政の主な動き
県内経済の景気後退と経済対策予算の編成【2月、6月、9月、11月】
昨年10月の米国発の金融不安に始まった世界的大不況の影響を受け、国内の経済・雇用情勢は依然として厳しい状況が続いている。
本県においても、国の経済対策に呼応し、さらに県独自の措置も織り込んで、平成20年度2月補正、平成21年度当初予算以降、数次にわたる補正予算を編成し、切れ目のない景気・雇用対策を実施。
経済対策予算額※()内数は基金積立を除く事業費ベース
H20・2月補正230億円(124億円)
H21当初予算83億円(83億円)
〃・6月補正454億円(230億円)
〃・9月補正88億円(32億円)
〃・11月補正5億円(5億円)
合計860億円(474億円)
島根原子力発電所2号機「プルサーマル計画」事前了解【3月】
平成17年9月12日付けで中国電力株式会社から、安全協定(※1)に基づき事前了解願いのあった「プルサーマル(※2)計画」については、3月24日に了解を行った。
今後は、プルサーマルが開始(2015年度までに開始予定)されるまでの間に蓄積される知見もフォローしながら、安全性に関する新たな知見が出てくれば、国や中国電力株式会社に対し、安全確保のために必要な対応を求めていくこととしている。
(※1)島根原子力発電所周辺地域住民の安全確保等に関する協定
原子力発電の規制・監督は国が一元的に行っているが、島根県では、県民の皆さんの安全と環境の保全を図るため、県、松江市、中国電力株式会社の3者で協定を締結している。
(※2)プルサーマル
プルトニウムとサーマルリアクターからできた造語。プルトニウムとウランを混ぜた燃料を通常の原子力発電所(軽水炉=サーマルリアクター)で利用することをいう。
「新型インフルエンザの発生、流行【4月以降】
4月にメキシコにおいて、新型インフルエンザ(ブタ由来A/H1N1)の流行が確認され、県では、危機管理対策本部を設置した。その後、5月に国内感染が確認され、7月1日には、県内初の患者を確認した。
感染拡大による患者数の増加が想定されることから、県民に対して、咳エチケット、手洗いの励行についてチラシや新聞広報等を活用し啓発を行うとともに、全ての医療機関において外来での診療体制を整えた。
10月以降より若年層を中心として患者数が増加し、11月下旬の週には、閉鎖措置を実施した学校数は延べ188校と今シーズン最大の措置数を記録した。
10月からは、ワクチンの供給が開始され、優先接種順位に添って順次接種を開始し、12月末までに約13万人に接種を行った。
「美味しまね認証」制度がスタート【5月】
安全で品質が高く環境に配慮した生産に取り組んでいる生産者を知事が認証する県独自の「通称:美味しまね認証」(安全で美味しい島根の県産品認証制度)が6月にスタートした。
高まりをみせている消費者の食の安全に対する意識に応え、きちんと生産の工程が管理されている「安全な島根の農林水産物」を認証する制度で、優れた品質と栽培方法などの独自性をアピールして、消費者の信頼を確保し、販路の拡大につなげていこうとするもの。
生産者にとっては、認証の取得が目標となり、生産意欲や技術の向上に結びつくこと、消費者や流通関係者にとっては、商品選択の有力な判断基準となることを期待している。
12月末までに「卵」や「しいたけ」「米」「梨」の25件が認証された。
第4回食育推進全国大会開催【6月】
6月13日(土)、14日(日)に、くにびきメッセ(松江市)において「みんなで広げよう!食育の輪しまねから未来へつなぐ食の知恵」をテーマに「第4回食育推進全国大会」を開催した
この大会は、食育推進基本計画(平成18年3月決定)で定められた食育月間(6月)に行われる全国規模の中核イベント。
県内外から123団体が参加(総出展数:100ブース)し、各地の食育の取組に関する展示や体験コーナー等を設置した。
また、講演会やパネルディスカッションのほか、料理教室や学校給食の試食&食育模擬授業、味覚の授業などを通じ、2日間で13,100人の来場者が「おいしい・たのしい・ためになる」食育を体験し、理解を深めた。
この大会を契機に、県内で一層食育の輪が広がることが期待されている。
アクアスのシロイルカ出産【8月】
浜田市と江津市にまたがるしまね海洋館アクアスで、8月、人気のシロイルカ、アーリャとアンナが相次いで出産した。水族館におけるシロイルカの繁殖成功例は、全国では名古屋港水族館のみ。
残念ながらアンナの赤ちゃんは死亡してしまったが、アーリャの赤ちゃんは順調に成長し、11月18日から公開を開始した。赤ちゃんイルカは、母親に寄り添いながら泳ぎ、時折、ボール遊びをしたり、母乳を飲んだりするなど愛らしい姿を見せ、お客様に喜んでいただいている。
また、継続してシロイルカが出産できるよう、新たなシロイルカ保護繁殖施設の建設をすすめており、今後のシロイルカ出産も期待される。
山陰自動車道は斐川ICから出雲ICが開通【11月】
8月の衆議院議員総選挙の結果、政権交代が起こり、民主党を中心とした連立政権が誕生。
新政権においては、来年度予算編成に向けて高速道路などの公共事業について、大幅な削減を行う方針が示された。県は国に対して道路整備の遅れている実情を訴え、高速道路ネットワークの早期完成などについて強く申し入れを行った。
その状況の中、ネクスコ西日本により建設が進められていた、山陰自動車道の斐川ICから出雲ICまでの間13.6kmが11月28日に開通した。これにより松江市から出雲市までの所要時間が約10分間短縮され、救急医療体制の強化、観光客の増加、企業立地の促進、農林水産物の販路拡大などの様々な効果が期待される。
さらに、宍道湖・中海圏の一体感の向上、県東部と県西部の連携強化にも寄与し、広い範囲で大きな開通効果が発揮されると考えられる。
大橋川改修事業の実施に鳥取県が同意【12月】
12月19日、鳥取・島根両県知事が大橋川改修事業の実施について合意し、鳥取県から同意の回答を得た。
これにより、具体的計画が公表されてから30年経過した事業がようやく本格的に始動できる見込みとなった。
犯罪のない安全で安心なまちづくり推進県民大会の開催【12月】
島根県立大学の学生平岡都さんが被害に遭われた事件の発生を受け、こうした事件が二度と起こらないよう、県民の防犯意識の更なる高揚を図るため、県民参加の防犯推進大会を、12月21日に浜田市(県立大学講堂)で開催した。
また、犯罪のない島根づくりに向け「犯罪に強い社会の実現のための島根行動計画」を策定した。
子どもの読書に関する計画等の策定【通年】
3月24日、読書に関わる「島根県子ども読書活動推進計画」「島根県立図書館振興計画」の2つの計画を同時に策定。今後5年間の指針とするとともに、「子ども読書県しまね」の実現に向けた取組をスタートした。
県内の小中学校(337校)の学校図書館に4月から学校司書等が配置され、読書活動や図書館を活用した学習が積極的に行われるようになった。市町村においては、図書館の支援センター機能を充実させたり、補正予算で図書購入費を増額させたりするなど、子ども読書の気運が高まっている。また、「学校図書館パワーアップ事業」により、今年度指定した15校について、親しみやすく使いやすい図書館に大変身を遂げた。
県立図書館はこうした活動をサポートするため団体貸出用図書の増冊や学校司書等の研修の拡充・開館時間の延長を図った。
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp