9月11日質問項目7

7.食料品消費税減税の代替財源としての法人税の引き上げ

○山陰中央新報(岸本):経団連の筒井会長が、食料品の消費税減税の代替財源として法人税を引き上げる案が与野党の一部で議論されていることに対して、賛成できないと発言されました。このことについての受け止めをお願いします。

 

○丸山知事:かつて、今の会長さんじゃありませんけど、多分前の会長さんだったと思いますが、経団連の会長さんが消費税を引き上げるべきだというふうにおっしゃったことを鮮明に思い出します。そんなこと言っていたら日本は滅びるとたしか申し上げたはずですけれども、言葉は悪いけど、最終消費者、つまり最後は個人が負担するものをどんどん上げていけばいいんだというふうに言ってきたツケが回ってきているということでしょう。言葉は悪いですけれども、過去最高益を繰り返し、内部留保を積み上げながら、十分な投資もせず、アベノミクスで言われていたトリクルダウンとかいうものも発生させず、日経平均株価が6万円を超えているけれども、その企業以外が恩恵を一切感じないような、そういう状況をつくってきた方々に負担してもらおうというのは、当然中の当然ですよ。こんな議論が出てくるのが遅かったぐらいで。

 もう一つ言うと、私からするとですよ、真面目に考えるのだったら、政策論としては、時限の消費税減税の財源にするっていうことは、つまり時限の法人税増税だけど、そんなのじゃ足りないと。社会保険料が高くて困っているっていうんだったら、医療保険の対象を削って社会保障を縮めるっていう議論をする前に、バブル崩壊後、銀行の名前が全て変わって、我々、誰でも知っているような大きな企業が破綻をして、大企業でも経営が成り立たない、潰れていく。そういう一番厳しい状況に見かねて法人税が引き下げられたり、製造業まで派遣が拡大されたり、そういう大企業向けの制度改正を、そういう厳しい状況に合わせてつくったのにもかかわらず、過去最高の利益を出しながら、税負担もそのままで、雇用の不安定化をずっと放置されて、そういう受益をしながら、自分とか自分の株主とか、自分の社員とか自分とこの経営者とか以外に利益還元をせずやってきた人たちに対して、応能負担できるでしょう、別に赤字法人に対してやるわけじゃない。中小企業向けの軽減税率を上げる必要はない。大企業に適用される本則税率を上げればいいと思いますし、そういった意味で、雇用を不安定化させ、企業の経営のために人件費を変動費化するということのために、日本の雇用というのは本当にこれだけ非正規化が進んだわけです。それがいろんな社会のひずみを起こしている。しかも、それで社会保険料負担の国民負担率が上がっている。現役世代の若い人たちが社会保険料の負担下げてくれ、国民負担を下げてくれ、税金を下げてくれっていう状況になっているわけですから、それは、その元になっている、受益をしている大企業の皆さんに協力してもらうというのは、私は応能負担でもあり応益負担でもあると思う。

 私は何か消費税減税の代替財源なんていう小さな話でやるんじゃなくて、恒久的に法人税の本則税率を上げて、大企業にもっと負担をしてもらうべきですよ。だって、言葉は悪いけど、これだけ利益を積み上げて、内部留保を積み上げている人たちに、成長17分野だからといって補助金をどんどんつぎ込んでいくなんてこと、本当にやっていいのかと。もっと法人税率を上げたほうが、言葉は悪いですけど、昔は、税金を取られるよりもやるべき投資をやっていこうといって投資が促進されるんじゃないかと。投資を促進するためにも、お金を使ってもらうためにも法人税上げたほうがいいんじゃないかと。そんな、法人税下げたままで補助金をどんどんつぎ込んでいくことよりも、法人税率を上げることを先にやるべきだと。だって、法人税下げたところで、内部留保を積み上げるだけなんでしょう。国から大規模な投資支援をしないと、成長分野でも投資してくれない。おかしいじゃないですか。そんなんだったら、もう税金でもらったほうがいいですよ。それこそ成長17分野への、これから国債発行が増えるんじゃないかと言われているから、その財源に充てたっていいかもしれない。

 私はそれよりも、社会保障とか、医療保険の範囲を縮小しようとか、国立大学の授業料を3倍にしようとか、国立の博物館が電気代も出せなくて、クラウドファンディングやりましょうとか、そんなことをやるぐらいだったら、もう本当にちゃんと法人税を、大企業から頂く、法人税をきちんと率を上げて、それを社会保障、現役の皆さんもそうだし、事業主負担も、両方とも同時に引き下げる、公費負担をきちんともうちょっと入れていくと、やり方はいろいろとあると思いますけど、医療保険とかね、年金とか。分かりませんけども、そういう財源に充てていく。まさに所得再配分ですよ。

 だって、個人でいったらですよ、今は本当に個人たる国民の中で、お年寄りが得しているとか、何か高齢者向けの制度を縮小すべきだとかっていって、医療費の3割負担というふうなことを平気で言う人が出てきたけど、3割負担にしたら、自分たちも年取ったら3割負担なんですよ、年金しか所得がないのに。なぜ負担率を下げているかというと、現役のように働けなくなるからでしょ。それは、一般的な所得形態に合わせて合理的に設定されているんですよ。それは、現役世代と同じようなサラリーを得られないのに、現役世代と同じように3割払えということこそ不公平なわけです。だから、1割負担とか2割負担の方おられますけど、所得がある程度ある方は、ちゃんと3割負担に近く、3割負担してもらう、1割じゃなくて2割負担してもらう。だから、同じような所得がある人は同じように負担してもらうという制度が既にあるのに、一律に3割負担にしようというのは、所得がない人や所得が低い人に3割負担しろというむちゃくちゃな議論をしようとしているわけですよ。それは、現役世代の人たちは一時的に下がるかもしれないけど、現役世代の人たちは、自分が現役世代じゃなくなったら3割負担しなきゃいけないんですよ。年金が普通より低くても。自分の首を絞めているんですよ。そういう現役世代と高齢者というか、年金受給者との間で非常に不幸な争いになっている。世代間対立になっている。この状況を政治が改善しようと思ったら、それは、もうちょっと負担してもらえる人たち、負担すべき人たち、負担できるし負担すべき人たちだと思う。大企業の利益を上げているところは、法人税率を5%ぐらい上げたところで本社なんか移さないですよ。だって、東京の銀座とかでお酒飲むのが楽しい人たちがニューヨーク行ったって、別にちやほやしてもらえないでしょう。移らないですよ、英語しゃべれないのに。東京がいい人たちがシンガポールとかニューヨークとか行かないですよ。東京でしかちやほやされないんだから、はっきり言って。

 そういうことで、私はもう経団連の会長はそういうのをおっしゃいますけど、申し訳ないけども、そういう議論が出るのは当たり前の話で、国民生活がこれだけ厳しくなっている状況の中で、利益の還元を、自分が上げている収益を取引先に渡すでも、小規模な委託先に対して価格転嫁を十分にせずに、賃上げができないような状況を続けておいて、自分たちだけ物価上昇に負けない賃上げを実現して、株主に喜ばれる、株価が上がるような配当をしたり、自社株買いをして自分たちのためだけに金を使ってきた。その報いを受けるべきだと私は思いますよ。当然の議論というか、不十分ですけどね。2か年だけの一時的な消費税の減税ですよね。それに対応する増税は、多分一時的になるから、それでは事が足りなくて、恒久的な増税を考えて、今のこの社会に起きている様々なひずみを是正するために、その税収を充てていくということを正面から議論すべきだと私は思います。

 別に日本国民は、皆、もろ手を挙げて消費税の導入に賛成したわけでもありませんし、消費税の引上げに賛成したわけでもありません。でも、国家財政として、また社会保障の在り方として必要であれば、反対があってもそういう税制をつくっていくということですから、経団連の人たちが反対したからといって、そんなものはやればいいんですよ。巨大与党で、税法だったら、それこそ3分の2規定を使って実現できますもん、今こそ。参議院でも、衆議院で過半数で通されて、参議院で通されてでもいいと思いますけど、それは政治が政治として必要だというふうに決められれば、衆議院の過半数、参議院の過半数、または衆議院の3分の2の賛成があればできることなんで、法律改正できますから。我が国の財政なり社会保障の在り方として、また、社会の公平性ですよね、社会全体の公平性からして、私は必要なことだと思うので、経団連の皆さんがどう言われようが、そういう議論を、暫定的なことに限定せずに、もっと大胆に実行してもらいたいというのが、私は別に珍しいことを言ってるんじゃなくて、これまでも言ってきたとおりでありまして、我が意を得たりと、少しだけね。もうちょっと頑張んないと、議論の射程が小さ過ぎるとは思いますけど、当然、これだけ国家財政も厳しい、個人の生活も厳しい。そんな中で、言葉は悪いですけど、いろんな諸制度で、バブル崩壊後の大変厳しい時期を乗り切るために設けられた制度の上にあぐらをかいている人たちにきちんと負担をしてもらうということは、政治としてやるべきことだというふうに私は思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

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