7月29日質問項目9

9.政府備蓄米の買い戻し

○山陰中央新報(曽田):政府の備蓄米の買戻しに関する質問で、先日、要望もなされましたけども、農水省が買戻しを実施する方針を明らかにされました。この方針の御所感や、また、先日の要請に込められた思いですとか、今年の生産現場で懸念される影響みたいなのをどのように見てらっしゃるか、教えていただけますでしょうか。

 

○丸山知事:8月末の数字を見てから決めていく、多分備蓄米、たしか予算上は、今決まってるものに加えて15万トン分の予算が措置されているというふうに聞いてますので、それをどこまで、15万トンでやるのか、10万トンでやるのか、量の問題と価格帯の問題、2つあると思うんですけど、今は何といっても6月末の、もう数字確定しましたけど、6月末の民間在庫の水準が過去最高になってる。これは、平成16年からのデータを取ってるらしいんですけど、飲食需要が激減したコロナの最盛期の、米の需要が減退したときの数字も超えてるわけですよね。そういう米余りの数字がもう経年的にも、歴史的にも明らかになってる中で、まずはそれが一つ。

 もう一つ、実は8月の末までというのは、大体のところが稲刈りが始まる前までに、農家の皆さんが稲刈りをして収穫したものが1俵幾らぐらいで買ってくれるのかということを示せるように、各地域のJAが概算金という形で、そのエリアの民間の、JA以外の米穀業者の皆さんも参考にされる数字を公表されていくというタイミングからすると、その数字が出終わってからやるかどうか決めるというふうに今表明されてるという、大変残念な状況です。極めて残念です。多分日本中の米農家さんが落胆されてると思います。

 それはなぜかというと、今、この米の民間在庫の状況でいくと、新米を1俵、米を農家から買い入れる人たちが買い入れたとして、その次の卸の人たちがどれぐらいの量をどれぐらいの金額で買ってくれるかということの数字が返ってこないらしいんですね、民間在庫、在庫を抱え過ぎてて。新米をどれぐらいの値段でどれぐらい買うかっていうめどが、今、米を買い入れる立場の人たちが、立たない。そのベースとなる数字が出てこないっていう、その地域に限らず日本全体のJAさんが困ってる。これJAさんって、JAさんが概算金というリーディング数を出すので、つまり、その数字を基にしてJA以外の集荷業者さんが使っていく数字が決まらないという状況ですけど、そうなっていくと、幾らで売れるか分かんないものの値段を8月末までに決めるってなったら、下げるしかないですよね、概算金を。できるだけ高く、協同組合組織ですから、JAさんの場合ですと、できるだけ組合員の皆さんから、売れる範囲内で高く設定したいと思ってる数字が、そういう数字を設定、提示するのが難しいということになりかねないので、私は低い数字で概算金が、極めてシビアな数字の概算金が出てしまうか、またはそんな数字出せないから、私は一つの有力な選択肢だと思いますけど、もう8月末までに概算金を出すなんてやめて、政府が作柄を見て決めるって言われてる備蓄米の買戻しをどれぐらいの水準やってくれるかということを見極めてからしか概算金を出さない。概算金を出す時期が遅れてしまう、そういう異例な状況になり得ると。どっちにしても普通じゃない状況が、今回の政府の方針が決まったことによって何か確定していくんじゃないか。だから、今までにないことが、今までにない数字が発生してるのに、言ってみれば、それに対する対策が何もないので、今までにない状況が発生してしまうという意味で、大変問題だと。

 ところが、ミクロではそういうことですけど、最後に、中長期でいうとどういうことになるかというと、この2年間、令和6年産米が上がって、令和7年産米はさらに上がって、米農家の皆さんにとっては非常に活況を呈したと。令和7年産米がそのままというのはちょっと甘いかもしれませんけど、令和7年産米からある程度下がったとしても、再生産可能な価格で米価が安定してくれれば、後継者を確保して自分たちが耕作してる水田を引き継いでもらうということが見込めるというふうに喜んでおられましたけど、今回、本当に元の数字に戻っていくとかいう状況になってしまうと、やっぱり日本の農家の主要な生産品である米自体の価格がもう乱高下し過ぎて、言葉は悪いですけども、飯が食っていけるかどうか分かんないみたいなことになってしまうと、後継者が確保できない。後継者が確保できなくなると、米の生産が常に構造的な過少になると。需要に対して、その需要に追いつかない水準になっていくということで、構造的な高米価というふうに将来的になりかねない。そういう何か分水嶺に私はあると思うんです。なので、過去最高の民間在庫水準に対して取られる手が1か月早ければ全く違う結果になっていたのに、この1か月ずれたことで、後継者確保が困難になったり、離農が進む。米生産から離れる方が出てくるということになって、最後は消費者の皆さんが高い米をずっと買わなきゃいけなくなるということになりかねないかと。

 つまり、米は高過ぎても安過ぎてもいけない。高過ぎたので備蓄米の放出があった。低過ぎると、これはこれで、最初は農家の皆さんが困る。農家の皆さんが困るっていうことは、最後は消費者の皆さんが困る。なので、この備蓄米の買入れをしていくということ、食料安全保障の観点から政府ができる対策の範囲内でそういう対策を適切な時期にやってもらうとよかったんですけど、ちょっと農家とか農業関係者の皆さんからすると、タイミングが遅いと思いますよ。せめて、金額は需給を見ながら、先に金額を決めていくでもいいと思いますけど、規模ぐらい決めるとか、買入れ規模を決めていくとかっていうことぐらいを先に決めてくれれば、そうすると、需給が、政府の買入れがこれぐらい入るということが確定していくと、米の値段もどういうふうに、どれぐらいのところで買い入れていくかということのめどが立ってくるのに、それがないことで、残念ながら概算金の数字設定に間に合わないという残念な事案になりつつあるということは、あまり好ましくないと思います。日本中の米農家の皆さんががっかりされてると思います。これは農家の皆さんの話ってみんな思うかもしれませんけど、農家の皆さんからすると、今回のこれに伴って決まってくる米価を踏まえて、今後、農業をどういうふうにしていくのか、後継者を探していくのかということに影響を与えるので、最後は米の生産縮小ということを通じて国産米の高止まりということで消費者に返っていきかねないという意味で、生産者にとっても消費者にとっても好ましくない事態を招くんじゃないかということを大変危惧します。


○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。

 

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