7月2日質問項目6

6.学習指導要領

○山陰中央新報:文部科学省が学習指導要領に定める学習内容について、内容を精査することを含めて、見直す方向を示していまして、教科書について、内容とか分量を見直すべきだとの考えを示していますけれども、ちょっとここについての御所感をお願いいたします。

 

○丸山知事:私は、県庁の中で学習指導要領のストーカーと呼ばれているんです。なぜ私が、ストーカーって、あんまりいい意味でなく、犯罪者のイメージがあるので、私の自認としては良心的ストーカーなんだけど、執念を持ってこの問題については、学習指導要領というよりは、義務教育における基礎学力の定着、これを重視、これをちゃんとやっていく、そういう教育に切り替えていくということに対して、執念を持って取り組んでいこうと思ってますので、むちゃくちゃウォッチしてます。

 精選という言葉が使われてますね、精選。精神の精に選ぶ。何か昔の参考書みたいな感じですけどね。単純な削減はしないみたいな議論ですけど、重要なところとそうでないところ、教科の本質的なところの仕分をして厳選をしていこうというふうなことだというふうに私自身は、この部会の議論とか文科省から提出されてる資料を見る限りは、教科書の内容、分量がですよ、私、びっくりしました、これ。私は全国学力調査で、あの惨状を指摘したのは、私は政策的に言うと金脈を掘り当てたというか、こんなことを何で放置してるんだという指摘をしたと思うけども、文科省自身がこれを認めてる。教科書、すごいですよ。だって私が生きている時代から、小学校の教科書、4教科、総ボリュームが3倍なんですよ、3倍。3倍ですよ。3倍だよ。教えられるわけないじゃん、そんなの。授業数、ちょっと減ってるんだ。それはむちゃだよね。中学、1.5倍、高校、1.25倍。それは塾に行かないとついていけないでしょう、小学校から。この事実をちゃんと公表したと。

 私ね、ちょっとこれやってもらおうかと思ったんだけど、多分教科書を持ってないだろうと思って、教育委員会に頼むのはちょっと気が引けて、やらなかったんです。学習指導要領の分量だけは見たけど。教科書、実物でどこが持ってるか分からなかったんで、ちょっと残業が増えると思って指示しなかったんですけど、この数字、教科書が3倍になってるという、自分たちがやってきたことの、ある意味不都合な真実だと思いますよ、ある意味ね。それをちゃんと赤裸々に出してる。これをどうするかといって、このままでいいわけないでしょと。

 もう一つ言うと、皆さん、資料がないからね、昨年度の全国学力調査、小学校6年生の算数の問題、1の(1)、一番最初の問題。Aさんが折り紙を72枚持ってます。これはBさんよりも28枚少ないです。Aさんの72枚は、Bさんよりも28枚少ないです。ということは、Bさんが持っている数を求める式を選びなさい。これ選択式です。数字は2つ。72と28でしょ。これ足すと100だけど。選択肢の1は72足す28。選択肢の2は72引く28。選択肢の3は72掛ける28。選択肢の4は、もう分かりますよね、72割る28。答えは足し算。28少ないんで、28、Bさんは多い。だから72足す28というのは、1が正解です。で、この正答率は、はい、日本全国で62.1%です。分かりますか。62.1%。つまり37.9%の子どもは、この問題を解けなかったんです。選択肢として選ぶこともできなかった。分かりますか。

 選択肢が四則演算全部そろってるんで、四則演算を実生活に当てはめられないという言い方もできますけど、現実問題として考えると、これは足し算と引き算の使い方が、仮に計算はできても実生活に当てはめることができてない子どもが4割近くいるってことですよ。これは悉皆調査ですから、全国学力調査ですからね、日本の子ども、小学校6年生全員でこの数字だから、日本の子どもの4割が28多いか少ないかっていう話を対応できてない。これは、すごい深刻でしょ。教育を充実しますとかって、いろんな議員選挙とか首長選挙とか、あちこちでいつか、毎週必ず選挙やってるけど、教育を充実しますって言ってますけど、言ってる人たち、これ知ってるのと。充実しますとかって言う前にだよ、今の問題点を改善させますというところからいかないと、私からすると、教育を充実しますって言ってる人たちって、あなた分かっているのかっていうふうに問い詰めたくなるくらいの数字なんですよ。

 こんなのね、文科省が積極的にPRしないから、私が繰り返し、良心的ストーカーとして何度も言ってるけどさ、この4割の子どもが小学校6年生の時点で、小学校1年生じゃないのよ、3年生でもない。小学校6年生の時点でこの問題を解けてないってことは、中学数学できますか。高校で数学できますか。できませんよ。本来できなくてつまずいて直すべきタイミング、直さなきゃいけない最後のタイミングが小学校6年生だと思うけど、その時点でもできてないわけだよ。それはつまり、この問題が解けない状況で小学校6年生の算数を習ってるってこと自体が、その小学校6年生の算数を多分理解できてないはずですよ。もう小学校の多分3年生ぐらいから算数が理解できてない子どもが4割はいるってことでしょう。もう教育としては崩壊してると私は思う。

 これが自ら課題を発見し、自ら考え、自ら判断して自ら行動する、生きる力を育むと言っている、この賛美歌のようなものが、もう歌じゃないかと、単なる。だから本当にね、単なるお題目ですよ。何か本当、空疎な響きしか持たないでしょ。これが生きる力を育むと言っている教育の結果がこれなんですよ。なので、私も誰の責任だとかとも言わないから、もう直さなきゃいけないという前提に立って、早く直す。直すんですよ。

 正直、もう一つ言っていいか。小学校の先生って、全教科教えるんだよ。全教科教える先生が、教科書の中身を3倍に増やされて、小学校の先生がちゃんと教えれるわけないじゃん、教科専門の先生でもないのに。そんなことをやらされてるんだよ。だからこれは、なるべくしてなってる。

 だからもう、そういう意味で、この学力調査以外に、この教科書の3倍問題とか1.5倍問題とか1.25倍問題ということを自ら示してくれたということについては、文科省がちゃんと問題を把握して、改善しようとされているんじゃないかと私は思っているんだけども、ただ、削減という、私は削減でも精選でも厳選でも何でもいいです、言葉は。ともかく今、こういう現状になってるという大変問題な状況。教育を充実しますなんていう言葉は、無償化しますとかって言ったところで、もう詮ないですよ、こんなん。この問題ができない子どもを4割発生させてるという問題を、私は無償化なんかよりも、この問題を改善する方向にお金を使うほうがはるかに求めてることだと私ははっきり思う。でも、残念ながら、与野党協議でそういうふうになっちゃった。金をかけない形でやるしかない。そしたら、内容を厳選していくしかないでしょう。今までかけ過ぎてる負荷をちっちゃくして、こうすることが、小学校から塾に行かせないと、もう勉強ができなくなっちゃう。学校に行かせても算数も身につけてくれないみたいな状況を早く改善しないと、小学校から塾に行かせる資力がなければ学習指導要領の内容も身につかないというふうな状況では、それはもう子どもは増えない。

 ということで、良心的ストーカーとして、毎部会の内容はきちんと報告を受けて、ちゃんと議論がされてるのかどうかということを常にウォッチしながら、文部科学大臣よりも文部科学副大臣よりも文部科学大臣政務官よりもちゃんとウォッチするつもりですよ。これが前回の。まだ読んでないけど、ちゃんと読みますよ。読みます、もうストーカーだから、良心的ね。絶対にね、もうスッポンだ、スッポンだよ。絶対にこの問題は見逃さないというライフワークです、本当に。

 皆さん、ライフワークって、天寿を全うする世界のライフワークと思ってるでしょ。これ、私が言ってるライフワークは殺されてもやる。こんなことをちっちゃな県知事がうるさいこと言いやがってといって、多分みんなね、本当に許せないと思ってる人、いっぱいいると思いますよ、文部科学省かいわいで。文部科学省とか文部科学族の皆さんとか。多分本当にこのやろうと思われてると思うけど、そんなのひるまないですよ。物理的生命をかけなきゃいけないような状況にならないと思うけど、政治生命かけてはやる。政治家としてやっていきますよ、本当に。そうしないと、この4割の子どもが本当にこの一生どうなっていくのかって考えてみなさいよ、本当に。それを学校の先生が怠けてやってるんじゃない。学校の先生が一生懸命やったってこうなっちゃうっていう状況は、仕組みを変えなきゃいけないんです。仕組みを変えれるのは文部科学省しかないし、今、その議論は中教審でやられてるので、中教審できちんと議論してもらいたいということです。

 

お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp