6月11日質問項目2

2.半島防災対策

○山陰中央新報:半島防災についてもお伺いします。

 能登半島地震を踏まえた島根半島の震災対策として、今後10年間で約103億円、中電から50億円の協力を得て取り組む考えを示されました。改めてこの取組に対する思いや狙い、また、改正半島振興法では半島防災推進が掲げられておりますけども、半島防災の必要性などについても併せて教えてください。

 

○丸山知事:能登半島地震で明らかになりましたように、大きな地震が発生した場合に、進入経路が限られている半島においては、高規格道路が張り巡らされているということはほぼないわけでありますので、道路の寸断、のり面の崩落などによりまして救援・救助に外から入っていくということが難しい状況が多数の地域で長期間にわたって発生したところであります。したがいまして、地震によって、島根半島に置き換えてみれば、島根半島において地震で孤立が発生した場合に、迅速に救援・救助を行うために、これまでの取組といたしましてはヘリコプターによる支援を受けるための環境整備、具体的には適地、場外離着陸場の確認や備蓄物資の充実や分散、あらかじめの分散配置といったことに努めてきたところでございます。

 これらに加えまして、救援・救助を円滑に行うために、道路の改良やのり面、落石対策、漁港の修繕など、これらを行うことによって、陸路、海路、空路によりますアクセスが円滑に行える可能性が高まりますので、こういったハード整備を行うことで、そういった大きな地震が発生した場合の対応に備えていきたいというふうに、能登半島地震の状況を昨年の1月1日から見るにつけ、痛感をいたしておりましたので、そういった対策をまとめて、今回、実施をしたいということで議会に相談させていただいておるという状況でございます。

 こうした事業を実施することで、先ほど、これまでも取り組んでおります備蓄物資の分散など、ソフト面も含めて、島根半島の震災対策の強化につなげていきたいと思いますし、被災場所に孤立地区が発生しないようにするとか、孤立地区が発生しても迅速にその孤立を解消できるようにするということは、救援・救助を迅速に行えるということにつながりますし、救援・救助に出向くことができるということは、万が一の場合の原子力発電所での事故で避難行動が必要になったときに、その避難経路が確保されるということにもなりますので、こういった観点での協力を中国電力にお願いをし、この50億円、1年度約5億円、これを10年間といった形で御理解と御協力をいただいたということで、大変感謝をいたしているところであります。

 この内容につきましては、また委員会から御意見があるかもしれませんので、そういったことを踏まえて最終決定をして、できるだけ速やかにこの事業に取りかかっていきたいという考えであります。
 

○山陰中央新報:今、できるだけ速やかにというお話だったと思いますけども、昨日の全員協議会では9月議会での予算の執行という考えを示されておりますけども、今後の予算措置のスケジュール感ですとか個別の対策の優先度などについて、今お考えがあれば教えてください。

 

○丸山知事:どれからやるっていうこと、分かりません。これからです。予算等はこれから。これについてできるだけ早くっていうことは、6月議会で相談するわけですから、9月定例会ってことですよね。そういうことです。

 

○山陰中央新報:また、こうした県と電力事業者が一体となって半島防災に取り組む意味についてお伺いしますけども、昨年の職員の人件費負担に関しては、国に対しても負担措置を求める考えを示されておりますけども、今回のような防災対策の取組について、本来はもっと国が関与をすべきだといったような思いというのはございますでしょうか。

 

○丸山知事:人件費も負担しないけど再稼働推進というふうに、枕言葉みたいに繰り返される状況ですから、私も半島防災、半島振興法でどういった拡充が出てくるのかというふうに期待はしましたけども、言葉が書いてあるだけで、ほぼ財政措置の充実はないという結論はもう出てますので、もう半島振興法の改正は終わってるわけですよ。10年に1回の改正の機会にほとんど充実なされてない。こんな状況だったら、もう自分たちでやるしかないでしょう。

 能登半島の地震を受けて、なお言葉だけという政府の対応を見れば、その人たち、政府が何かしてくれるだろうというふうに期待するということ自体が私の仕事の怠慢と言われかねないので、できることをやっていくということです。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 あと、もう1点ですけども、県内の関係自治体では、この取組に対して歓迎する声というのは出ておりますけども、一方で、中電と協力することが中電に対してものが言いづらくなるのではという懸念の声もあります。今後、中電事業の配慮などにつながることはないのでしょうか。

 

○丸山知事:申し訳ないですけど、全く心配御無用ですよ。この50億もらうからといって、言わなきゃいけないことを言わなくなるなんて、申し訳ないですけど、私、そんなキャラじゃないですから。そんな発電所の安全の話と50億が、どっちが高くつくかなんていうのは、もう明々白々ですよ。申し訳ないですけど、50兆円とか500兆円とかだったら心配してもらって構いませんけど、50億円で心配する必要は正直言ってないと思います。とても原子力発電所で何かあったときの島根県で発生する被害の大きさというのは、そんな桁じゃないわけですから、実際お金で補填できない被害だって発生するわけです。そういう状況が発生したときに一番大事な安全を確保するために避難がある。その避難をより円滑にするというのはもう、これまでもずっと、再稼働を容認する前から取り組んできたことでありますから、これを従前以上に進めるということでありますので、御心配の向きがあるやには伺っておりますけども、心配御無用というのが私の認識でありまして、大変大きな50億ですけども、原子力発電所の万が一の事故が発生した場合の被害に比べれば、そちらのほうがはるかに大きいですから、そういうことを惹起しかねないような中国電力なり、分かりませんけど、エネ庁なり規制庁に対して言うべきことをちゅうちょするとか、そんなことは一切考えておりません。そんなことを言うんだったら、この50億の拠出を止めるというふうな場面が来るのであれば、それはそれで仕方がないと、中国電力としても、もうこんなことを言われるんじゃあ、今後協力はできないと言われるような局面があるかもしれませんけど、それはそれで仕方がないです、そうなったらそこまでの支援であとはやっていくしかないでしょう。そんなことはないと思いますけどね。万が一の場合はそうしますよ。もちろん協力だから、協力できないと言われる状況が来たら、それはもう仕方がない。5億円下さいとか、50億円下さいというために、これを言いませんからとかって、そんな机の下で握ったりしませんよ。するつもりはさらさらありません。

(補足)

 ○丸山知事:先ほどの回答に追加をさせていただくと、中国電力からも、こういう50億円を出すので、そういう安全面については発言をできるだけ控えてくださいなんてことは、当然一切言われていませんし、そんな要請も含みも一切ありませんから、私が50億円もらうかもらわないかで私の安全に対する対応が変わるというふうに、中国電力も一切期待されてないはずです。

 

○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。

 

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