5月20日質問項目4

4.米価高騰
○読売新聞:読売新聞の小松です。
お米の高騰について、またお伺いします。
農水省が流通の安定に向けて入札で備蓄米を落札した業者からお米を買い戻す期限について、当初、原則1年以内だったものを原則5年以内に延長する方針を決められました。この対応についての知事の御所感と、あともう1点、備蓄米の流通について、卸売業者が販売の際に上乗せする金額について、通常のお米に比べて最大3.4倍ということを、これも農水省が発表されました。農水省は、卸売業者に対して過度な上乗せを控えるように呼びかけられていますが、これについての知事のお考えをお伺いできますでしょうか。

 

○丸山知事:前段については、1年以内の買戻しだと、今シーズンじゃなくて、次のシーズン、令和7年産米の中で買わなきゃいけないという義務を課すことになりますから、7年産米の価格を上げる要因になりますよね。なので、これを、今、6年産が高いわけなので、すぐ7年産米で下がるということが見通せない中で、翌年の買い要因、需要に回してしまうというと、令和7年産米の高止まりの要因になるんじゃないかという話が当然、これまでも指摘があって、それを、期間を長めに置いて、5年間の中で買い戻すタイミングを得られればいいということになりますと、来年のうちに買い戻さなきゃいけないというわけじゃないので、7年産米の上昇要因としては大分軽減される可能性が高いということで、翌年、7年産米の価格の低下要因になると思いますので、適切な判断だというふうに思ってますし、5月、6月、7月で10万トンをそれぞれ入札を実施するとか、また、販売先の小売店を決めている業者、つまり業務用とかに回るんじゃなくて、スーパーの店頭価格が上がってるというのが大きな問題になってますので、小売に流れていくということが確実な業者に対する優先枠を設定するとか、いろんな工夫をされておられますので、そういった効果が発現するということを期待をいたしております。

 2点目の話は大変重要な話でして、今、非常に米というのは、生産者が集荷業者に買ってもらう価格、それから集荷業者が卸業者に買ってもらって、それが小売に回って小売価格になっていく。だから、取引が生産者から集荷業者、集荷業者から卸、それから卸から小売を経て小売価格が決まっていくんですよね。

 実は備蓄米の卸業者が小売などに対して上乗せされてる額が非常に高いということは、もう数字ではっきりと明らかになりましたけど、じゃあ、これが本当、これが備蓄米だけなのかと。そんなわけないですよね。ちょっとざっとした数字で申し上げると、昨年のJAしまねの米の買取り価格の概算金は60キロで1万2,000円。1万2,000円を60で割ると1キロ当たり200円ですよ。で、去年の小売価格が今年の半分だったと。今年は2倍になってるというふうに言われてますんで、それからすると今、去年の小売価格が5キロ2,000円だったとすると、これキロ当たり400円ですよね。だから、1キロの値段でいうと、農家の取り分が200円で、400円で売られてる。だから集荷業者さんの取り分と卸の取り分と小売の取り分を入れて200円だったわけです。200円の米の価格に200円の流通のマージンが乗ってるという構造だったのが去年の数字。

 それに対して今はどうかというと、島根県の概算金というのは60キロ当たり、最初は1万6,800円だったですけど、それに追加金ということで1,200円足されて、今、追加金まで足すと1万8,000円、60キロで。なので1キロ当たり300円ですよね。これが全国の数字ですけど、今、5キロで4,000円で売られてるわけでしょ。そうすると、4,000円を割れば800です、1キロ800円。ですよね。ということは、300円のものが800円で売られてる。ですよね、そういうこと。ということは、増減要因を分析すると、全体で上がってるのは2倍ですから400円でしょう。農家の取り分で上がってるのは100円です。残り300円が流通で取られてる。この中で、細かく言うと、さっき言ったように、卸の皆さんがものすごい乗せてるわけです。集荷業者、JAとかはそんなに上げてませんから。

 ということは、私から言わせると、備蓄米を追いかけるのも分かりやすいですけど、備蓄米なんて一部でしょ。米が上がってるのって、備蓄米以外のやつが何でこんな高いのかっていうことを追跡しないといけないんですよ。そうすると、何で農家が300円で売ってるものが800円で売られてるかということで、つまり乗っかってる500円が高過ぎる、ここを改善しないと米は安くなんないんですよ。つまり卸の皆さんがものすごく乗っけてる。これを改善しないと米は安くなんないですよ。

 なので、私が申し上げたいのは、まず、全中の会長さんが全くもってミスリードの発言されてますけど、農家が取り分が増えているのは1キロ当たり200円が300円になってるという100円です。上がってるのは流通過程で取られてる200円が500円に上がってることのほうがはるかに大きな上昇要因なんです。これを下げていかないと米は安くなんない。だから流通の卸がものすごい高い中間マージンを取ってるという状況を是正しないと、小売価格、下がんないですよ。農家は決して、その800円のうち400円、その2倍に上がった、1キロ当たり400円が800円に上がったうち、農家の取り分は100円しかないんです。300円は農家じゃないところです。そこが下がらないとどうしようもなくて、農家の、もっと米は高くていいって言ってるのは、200円が300円になったって、300円でいいっていうわけじゃないよって言ってるだけで、800円が800円でいいと言っていいわけじゃないわけです。800円は下げなきゃいけない。でも300円もできれば上がってほしいって農家は思ってる。そのことが800円でいいって言っちゃってるのと同じに聞こえちゃうので、そういう発言をされたのでものすごい非難を受けてますけど、大事なことは、流通過程での上乗せ、マージンがものすごく上がってるということに手をつけないと、今の米は下がらないし、これを来年も続けられたら同じ高いままです。

 私が危惧……。ここからちょっと話がややこしいんですが、高過ぎて、今、何が起きているか。米というのは、高関税を課して国内に入ってこないようにしていた。それが実は、その数字は1キロ当たり341円です。でも、その341円を払っても、外国産米、カリフォルニア米を入れたほうが小売価格が安くなるから、たしかイオンだったと思いますけど、イオンが4,000円よりも安い米を高関税、1キロ341円払って売り出してる。これは、味は分かりませんよ、味は分かりませんけど、安くて買い求めやすいものが今、外国産米で入ってきてる。341円払っても、はっきり言いますけど、仲卸の皆さんがものすごいマージン取っちゃってるせいで、341円払っても、国内産米よりも安く売れちゃうから、もう消費者の皆さんからすると、高い高いって言われてる小売の、これイオンでしょうけど、イオンが多分そういう米を調達して売り出してる。これはどういうことかというと、高値でつり上げて消費者を苦しめてると、外国産米に切り替わっていっちゃいますよ。その現象が起きてるというのは極めて深刻ですよ。

 これはどういうことになるかというと、これが定着すると、農家も困る。国産米の米余りが起きる。当然、米余りが起きると単価は下がりますから米を作る人が減る。当然、卸売業者も、だって外国産米は卸売業者、関係ないですよ。消費者が優先ですから、海外から。国内の卸売業者なんか基本使わないですからね。だから自分の商売のネタである国産米がどんどん廃れていく方向になっちゃってる。これ、誰も国内、要するに消費者を怒らせるような水準になっちゃってるから、外国産米に切り替わり出してるっていうのはものすごい深刻で、これは何かというと、そういうことで値段が下がっていくから、外国産米の関係との比較で下がっていくと、作り手がまた減る。で、米不足になる。でも、たくさん作ろうと思っても作り手がいないということになって、じゃあ、いやいや、輸入すりゃあいいんでしょといったって、じゃあ、カリフォルニアで何か干ばつでも起きたら、買おうと思っても入ってこない。円安が進んだら、今の為替だと割に合うけど、為替の変動で、今の値段で買えるかどうか分かんないというものに依存するということになるわけなので、まさに卸の皆さんのマージンを米不足に便乗してたくさん取ってるってことが、日本の米生産を危機にさらしてるという状況ですよ。それは多分、最後、農家の危機ではなくて、卸売業者さんの取扱高が細っていくということで、最後、自分の首が絞まるんです。誰も得しないので、早く卸売業者さんの高過ぎるマージンを下げていく対策を早く取らないと、日本の米作りとか日本の米の流通体制というものが崩壊しかねないので、そこにちゃんと着目して改善をしていかなきゃいけない。でも、それができていないので、もう外国産米に切り替えるという、国内の米生産にとってはある意味、一番よくない状況が起きてる。

 でも、それは多分、消費者に支持される。つまり消費者に支持されない価格を放置してると、結局国産米じゃなくていいじゃないかという、そういうことが実際に今起き始めてるということで、今回の備蓄米の話は分かりやすいですけど、備蓄米の話だけじゃなくて、もう備蓄米じゃない米の高値構造の原因になってる卸の皆さんのマージンをどうやって下げていくか、下げざるを得ないような環境をどうつくっていくか。だって、今まで200円のものを400円で売ってたということは、200円で経営できてたはずなんです。それが今500円になってる。500円じゃないと生きていけないってことはないはずなんです。これ取り過ぎですよ。こんな取り過ぎなことをやってるから、自分の首が絞まるような、しかも農家の首も絞まるようなことが起き出しているので、早く改善しないといけない。なので、大本の問題としての卸のマージンの不当な、高過ぎるマージンを下げる対策を早く打たなきゃいけないと。

 何か、すみません、長くなりましたけど、そう思います。なので、高関税を払っても、なお国内産の米よりも安くなっちゃってる外米という状況を放置してると、日本の米作りが崩壊してしまうおそれがあるので、これを早急に改善しないといけない。それは、はっきり言って、マスコミの皆さんにお願いしたいのは、農家とかJAとか農水大臣とか農水省とか、そんなとこをたたいてるのって、もう的外れなんです。卸ですよ。卸の人たちが高いマージンを取ってるのが米の高騰の原因だということで、そこをクローズアップして報道していただきたいなというふうに思います。

 何か大学教授みたいになっちゃったね。すみません。

 

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