5月20日質問項目1

1.高レベル放射性廃棄物

○山陰中央新報:山陰中央新報社の原です。よろしくお願いします。
益田市の核の最終処分場の文献調査についてお伺いします。
市内の経済界の一部が文献調査の受入れに向け動いていたことについて、市議会への請願提出を断念されることを明らかにされました。知事は反対の考えを示されていましたが、この率直な受け止めをお願いします。
 

○丸山知事:断念されたという報道はありますけど、断念の意味も分かりませんし、どういう断念なのか。単純に考えて、今はあんばいが悪いから、今はしませんという話なのか、請願は考えてないけど、請願とか賛成が広がるように、これまでやってこられた手法でしょうけど、恐らくNUMOのお金を使って青森県や北海道なのか分かりませんけど、原子力関連施設が立地してるとか、そういう関係するところに視察なり研修に行ってもらうみたいな活動を継続されるのかされないのか。NUMOがお金を出すと言っているのか、出すと言っているけどやるのかやらないのか。全然、こういうことを進めようという大きな判断を変えるつもりなのか、進める中での請願提出というのをやらないということなのか、今のタイミングではやらないということなのか、断念とか白紙とか、もう何か各紙、報道されることがばらばらですよね。それは各紙の話じゃなくて、各紙の取材に対する答えがばらばらだからと思いますけど、何を決められているのか。松永会頭個人の意見なのか何なのか、そのエネルギー研究会なるものは一体どういうメンバーで、どういう意思決定されているのかさっぱり分からないので、何かコメントのしようがない。

 断念といっても、相当多重的ですよ、意味合いは。今はやりません、そもそも考えません、請願というやり方は考えませんけど賛同者を増やしていくために活動を続けます、どういうこと、どういう判断なのかということを聞いてもいないので、よかったねとか、よかったですねみたいな評価をしていいものなのかどうかというのは判然としない。しかも、言われていることが聞かれた人によってばらばらなので、ちゃんとした意思決定なりなんなりは、もともと任意の組織でやられてる話だから、どこまで拘束力があるのか知らないし、松永会頭個人の意見なのか、ほかの研究会の人がどう考えているのか分からないんで、私も直接聞いてませんから分からないです。

 

○山陰中央新報:分かりました。
この件に関して、先ほど知事、益田市長と面会をされたかと思うんですけども、市長からはどういった説明があったのかというのと、その説明に対する評価を教えていただけますでしょうか。

 

○丸山知事:これは、山本市長さんが昨日、松永会頭に対して3つの懸念、市内を二分することになるのではないか、農林水産業などに風評被害などが発生するのではないか、また、近隣市町や島根県の理解が得られないのではないかといった観点から松永会頭に勧告をされたという話を、昨日の経過を詳しく伺いまして、本当に、私の場合ですと、島根県の中の、ある意味、一部の地域における話と、益田市長として益田市で起きてる話というのは重みが違いますので、ある意味、一番重い立場にある方が非常に益田市の今後を思って決断をされてこの行動を取られたということに対しまして、大変敬意を表するということでお伝えをしたところであります。

 

○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。
そもそも最終処分場の調査をめぐっては、自治体の応募か、もしくは国の申入れを受ける形があると思うんですけども、結果的にその調査が現段階で進んでいるのが全国で3自治体というふうにとどまっているかと思います。その文献調査を受け入れれば最大20億円の交付金が得られるなどの制度の在り方であったりとか、あとは、国やNUMOの責任などについて、知事、思うことはありますでしょうか。

 

○丸山知事:対馬市で起きてる現状は、はっきり言ってNUMOがやってる活動が対馬市という市政に大きな混乱をもたらしている、対立も含めてですよ。その大本が、全国の電気利用者から集められた電力会社からの拠出金で、湯水のごとく金を使って、いや、20億じゃないですよ、視察だなんだとかって話でしょうけど、誘致活動に幾らでも金が使えるみたいな金の使い方をしてこんな混乱を引き起こしているということを、国会議員の皆さんも含めて、どう考えているのかと。今回の件を島根県選出国会議員は知ってたのかと。NUMOから断りを受けてたのか、経済産業省やエネ庁から聞いたのか、了解したのか。それとも私と同じように無視されたのか。どういうことなんだと、NUMOというのは何様なんだと。

 それから益田市長さんは、現状では受け入れられないとおっしゃってる。つまり自治体が申し出るという仕組みの中で申し出ないと言われてる地域に、同じように視察に行きませんか、お金持ちますよ。そんなお金の使い方が許されるのか。電気利用者はそんなことを認めているのか、電力会社はそういうことを認めているのか。これだけの混乱を引き起こして、一定の結論が出てる地域に、また同じようなお金の使い方をして、そんなことを電気料金を払ってる人が認めると思うのかと、そう思いますよ。

 はっきり言って、私は再稼働のための設置変更許可が下りたら、経済産業大臣が要請をしたいとかっていって、時間くれと。エネ庁の長官が説明しに来たいとかっていんぎん無礼に来るけど、こんなことになったら、反対だって言ってる人間のことなんか一顧だにせずに、もう何かミジンコ扱いですよ。存在しないと同じ扱いですよ。ものを頼むときには何か、お願いしますなんて頼んできて、嫌なことは平気でやると。社会人失格ですよ、組織体として。それで3号機のときに私に頼みに来る気かと。どんな感性なんですかと、あなた方は。経済産業大臣、資源エネルギー庁長官、あなたは日本人かと。

 私は、はっきりと、こういう行動を取ることはあらかじめ言っていましたよ。そんなことは一顧だにしないということが今回、益田で明らかになりました。それは別に益田の人にとっては全く関係ないですけど、私は、経済産業省とか、資源エネルギー庁とか、その外郭団体とか、そういう人たちの言うことというのは、話半分どころか、3%ぐらいで聞いときゃいいんだというふうに今回、勉強になりました。

 何というか、右手でパンチしといて、左手で握手しましょうって、そんなことを平気でやってくる人たちと対峙していかなきゃいけないということですよ。私のコメントなんかよりも、資源エネルギー庁長官とか経済産業大臣とかに聞いてくださいよ。ものを頼んだ相手にやることなのかと、あなた方はと。そんなんで……。

 政府、東京の人たちは、本当に、ぜひ取材していただきたいですよ、地元紙の皆さんにも、全国紙の皆さんにも。ことこの問題における県知事の扱いははっきりしました。全く無視する。国会議員さんはどういうふうに扱われてたのか、ぜひ取材してください。私のところには一切連絡はないです。地元選出国会議員さんから一切連絡はないです。地元でこんなことが起きてて、どういう思いなのか、どう思われるのかというのは、私は聞きませんけど、取材できるなら取材してくださいよ。私からお願いします。

 地元でこんなことが起きてるということに対して、それは何らかの見解を示すべきでしょう。NUMOなる組織が地元選出の国会議員さんをどういうふうに考えているのか。NUMOからでも構いませんけど、国会議員さんに聞けば分かるわな、聞いてたとか聞いてないとか。そういう感じです。

 全国の電気利用者からお金を集めて、湯水のようにお金を使える人たちからすると、我々のような地域というのは、いわゆる赤子の手をひねると、そういう感覚でやられてるんでしょと私は受け止めています。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 

○丸山知事:なので、今回の白紙とか見送りとかっていうふうな、土曜、日曜で流れた報道の中には、それは松永会頭は、県の反対が強いから、それが理由でしたよね。ということはどういうことかというと、県が強く反対しなければ判断が変わるということでしょう。山本市長は完全に断念していただくようお願いをされた。完全にというのは、完全にだからね、そういう留保つきじゃないはずです。それを応諾されたのかどうか、全然分かりませんよね。その言われようでいくと、知事が態度を変えたらやりますってことなのか、知事が替わったらやりますってことなのか。はっきり言って、私がいるうちは考え変えませんから、知事が替わればやりたいっていうことなのか。いろんな読み方ができますよ。

 私は何も聞いてませんので分かりませんけど、もし聞かれることがあれば、その断念とか白紙とかっていうのは一体どういう意味なのか。私も文系なので、文学的な表現じゃなくて法律学的な詰めをしたいと思います。

 つまり、再度、今回の動きを再燃させる可能性がある判断なのか、そういう可能性が、少なくとも、それは人が替われば分かりませんけど、今そういうことを決めてる人たちの認識として、今後あり得るという判断なのか、それがポイントですよね。それはある意味気持ちの問題だから、主観は分からないので、分かりやすいのはNUMOの資金支援を受けて視察を募って青森などに視察に行ってもらうという活動を継続されるのかどうかというのが一番客観的には分かりやすいメルクマールだと思ってまして、私はそこがどうなるのかということがある意味、完全な断念なのかということの大事なメルクマールだと、目印だというふうに思ってます。

 

○NHK:NHKの内野です。
まず、今回のこの益田の件について、県として今後、どのような動きといいますか、をしていくのか、もし考えていることがあれば教えてください

 

○丸山知事:今回中心となって動かれている方々、1人しか固有名詞は明らかになってませんけど、そういう方々が先ほど申し上げたような活動を継続されるのかどうかということを、それは行動監視というのはできませんから、そういうことがあるのかないのかということを県として把握できる範囲内でアンテナを立てておくということを通じて、どういう状況にあるのかということはウオッチをしていかなきゃいけないというふうに思っています。

 

○NHK:また、先ほど、知事のほうでいわゆるNUMOの責任についていろいろ述べられておりましたけれども、この最終処分場の選定について、国がどのように進めていくべきなのか、また、国にどういうことを求めたいのか、ありましたらお願いします。

 

○丸山知事:ありません。ありませんというか、合意形成ということでしょうけど、それは分かりませんね。私は最終処分場を造るのが仕事じゃないので、べき論を考えたことがありません。けど、私は、今起きてることに対して、島根県知事として、島根県民のためになることかどうか、今回のケースですと、益田ですとか石見西部とか、石見とか島根県のためになるかどうかという観点で、そういうふうにならないようなものであれば、それは反対をしていくと。そのために県知事として、このことだけじゃないですけど、県知事としてやるべきことだと思ったことは粘り強く、一生懸命やっていくということに尽きます。

 

○NHK:それで、今回、益田市長が松永会頭のほうに勧告という形で中止を迫ったということではあるんですけれども、もちろん知事だったり市長がどういう考えで反対されてるのかというのは先ほどからお伺いはしてるんですが、請願する権利自体は国民にはあるわけで、そういった中で、勧告という手続を取ったこと自体については、どのように受け止めておりますでしょうか。

 

○丸山知事:いや、別に、全然いいでしょう。だって、判断は勧告された側が決めるんです、強制じゃないし。だって、益田の商工会議所の会頭さんは、商工業は詳しいかもしれないけど、農林水産業、詳しくないでしょう、観光の専門家でもないでしょう、市民生活にどういう影響を与えるか分かんないでしょう。で、最後に申請するのは市長でしょう。そういった意味で、責任を負うのは市長なんですよ。責任を負わなきゃいけない人間が、市民の皆さんのためにとって一番これがいいだろうと思って判断されたことだと思ってます。

 はっきり言いますよ。対馬市は、最後の最後、市長選挙、これは任期満了に伴う選挙だったですけど、請願の採択、選挙という形で大騒動だったですよ。対馬市というのは、私も認識してますけど、少なくともそういう処分場を造るということの第1段階のプロセスを市議会の半分以上の方が認めた地域、経済団体が求めた地域、そういうことが全国に広まりましたよ。そういう地域だと。だから、風評被害を恐れるという観点からすると、大騒ぎになる前に物事を収めるというのは大事なことなんですよ。言葉は悪いですけど、今ぐらいの報道で済んでるうちに物事を収束させようというのは極めて賢明な判断。風評の被害が生じないかということを懸念して物事を早く収束させようと努力するというのは、市長として責任ある判断だと思いますし、別に強制なんか、どの道、強制するっていったって強制権限ないんだから。だって強制できないよ、請願受け付けないなんて権限ないんだから。そもそも勧告と言おうが言うまいが、市議会は受け付けるんですよ。それを拒絶する権限が市長にあるんだったら強制できるけど、もともと強制なんかできないですよ。

 そういう非難があるかもしれないけど、言葉は悪いですけど、火の手が広がっていくのを漫然と見て、延焼していく姿を見て、最後の最後に誰からも文句言われないタイミングで自分の判断を示す、で、何かあちこちが焼け落ちてるみたいな、ちょっと例えが適切かどうか分かりませんけど、誰からも文句言われないタイミングで判断を示すというのは一つの判断だと思いますけど、それで生じる市民へのマイナスというのは、それを避けるためにあえてそういう判断を、そういう批判があるかもしれないけどそういう行動を取る。これ立派な判断だと思いますけどね。

 

○NHK:すみません、あと1問。
先ほど、益田市長のほうが、1週間後ぐらいに、また改めて松永会頭に考えを聞きたいということをおっしゃられましたけれど、ちょっと重複してしまうかもしれないですが、それを受けて、県としてはどのように考えていきたいと思いますかね。

 

○丸山知事:それは、山本市長と松永会頭の間のやり取りの話なので、かくあるべしとかということを、もっと危機感を持てとか、もっと早く聞けとかって言うつもりはないですよ。1週間あれば、それは十分検討してもらう時間はあるわけですから、それでいいと思いますけど。特段何かコメントが、こうしたほうがいいんじゃないかとかっていうふうな所見があるわけじゃないですね。

 今回は、請願の提出するかしないかっていうことが、形式的にはそういう意味での注目がされてます。それは客観的事実として正しいと思いますけども、私は、これはもう正直に申し上げますけど、4月の上旬に松永会頭にお会いしたときには、松永会頭は、今回のこの請願を、文献調査を受け入れるということについての請願を益田市議会で過半数の議員さんの賛成を得て可決するということはできるだろうというふうにおっしゃってましたよ。当然、出すか出さないかを決めてるんじゃなく、出すか出さないかということではなくて、今回のケースというのは当然、出して過半数を得るための活動をこれまでされてきたんです。私からすると、私が会った時点では、少なくとも松永会頭の言いぶりが正しければ、請願が可決できるという、そういう見立てを少なくとも松永会頭はされてましたよ。だから、出すか出さないかというレベルじゃなくて、可決に向けて市議会の皆さんへの働きかけも含めてやられてたんですよ。それは取材すれば分かりますよ、皆さん、これからでも。

 分かりますか。だから、出すか出さないかのレベルの話じゃなくて、出して、通すための活動をされてたんです。出して通せるように取り組んでおられた。出すか出さないかとかっていう話ではなくて、請願が文献調査をやる、やってほしいということを可決するための段取りができてた、私はそういうふうに聞きました。だから、出るか出ないかという話だったんではなくて、その請願はもう通りそうだったってことですよ。

 だから、私は、報道としては、表に出てることは、出るか出ないかだったですけど、私が松永会頭から聞いた話でいくと、もうそういう段階でしたから、市議会議員の皆さんに、皆さんなのか知りませんよ、賛同が得られそうな方々に働きかけをするということは既にやられていて、そういう過半数が得られる見込みだと、少なくともこの運動の代表の方は言われてた。なので、私は、自分なりにはっきりと反対だと伝えましたし、自分のできることはやる。この点に関して、自分は賛成じゃないので、文献調査とか最終処分場の設置に向けた事柄について、島根県知事として島根県の予算を提案するつもりはないとはっきり伝えて、反対だと明確に伝えました。

 なので、対馬のようなプロセスを経る寸前だったってことですよ。それを、風評被害を抑えるという観点から市長さんのほうで決断されて、ああいうふうにやられたというのは、非常に勇気ある賢明な判断だったと私は思います。

 

○朝日新聞:朝日新聞の垣花です。
ちょっと確認なんですけれども、松永会頭から請願を出せば市議会で可決されるだろうというふうに言われたというのは、4月に面会をしたときにそのように言われたということでしょうか。

 

○丸山知事:そうです。

 

○朝日新聞:そうですか、分かりました。

 

○丸山知事:どこまでの確度なのかっていうのは分かりませんけど、少なくとも松永会頭は私にそう言われました。そういうふうにできる自信があるっていうことなのか、その自信の話なのか、市議会の皆さんに個別に、当たれる方に当たられたのかは分かりません。分かりませんけど、当たってなきゃ、そんなこと言いませんわな。

 だから、私は可決されるっていう状況を何とか考え直してもらうという、焦眉の急な話だと私もそのとき思いましたし、その後、報道に出て、益田市長さんが早期の収拾を図るというふうに思われたのは、私と同じ感覚だなと思いましたよね。

 

○朝日新聞:松永会頭が4月に面会されたのは、この件だけを要望しに知事に会われたんでしょうか。

 

○丸山知事:私は、私が益田に行く用事がありましたので、そのときに益田で会ってます。

 

○朝日新聞:その際に、この話を切り出されたんですね、松永会頭のほうから。

 

○丸山知事:松永会頭が切り出されて、私がその話に意見を申し上げたということです。

 

○朝日新聞:分かりました。

 

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