4月11日質問項目1

1.関税問題

○山陰中央新報:山陰中央新報社の原です。よろしくお願いします。

 アメリカの相互関税についてお尋ねします。

 アメリカのトランプ政権が相互関税を導入しまして、昨日になって日本に課す相互関税を一時的に24%から10%に引き下げるなどとしてますけども、このトランプさんの一連の対応であったりとか、あるいは手法について、受け止めがあればお願いします。

 

○丸山知事:よく分からない。普通に皆さんが感じるとおりだと思います。特段の情報はないので。

 90日停止って言われてますけど、90日停止せずにやられる可能性もあるぐらいの話として、結局その言われていることがそのまま履行されないという前提で構えなければいけないというのがこれまでの教訓だと思いますから、こう言われているから、言われているとおりやられるだろうというふうに思っていてはいけないということが、これまでの教訓じゃないかというふうに思いますので、政府も大変だというふうに思いますけども、あんまり言われていることを演繹して先々のことを考えても、労多くして益なしという感じがするので、言われてることが本当にやられるんだろうかというふうに半身に構えながら、起きること、起きるというのは、約束どおり行われないという状況にその都度対応していくしかないんじゃないかというふうに一般論としては思うところであります。

 したがいまして、県内企業への影響というのが一番の、県知事としては関心事でございますけども、残念ながらちょっと、これは政府への苦言ですけども、正直言って、今、トランプ政権が何をしようとしているのかということをちゃんと、マスコミの報道も政府の説明も何かはっきりと整理したものが出てきてないので、何が行われようとしているのかということすら国民はよく分からない。大企業で海外、アメリカに拠点なんかを置いて、ニューヨークにでも置いているところがあれば分かるのかもしれませんけど、何か15%とか25とか、24とか25とかという数字があったり、鉄鋼だ、アルミだ、自動車だ、自動車部品だとかという話があったり、それ以外の関係がどうなのかという、マトリックスを示して説明してもらわないと、何か言葉でだらだら書かれたってさっぱり分からないし、この仕事が財務省の仕事なのか経産省の仕事なのか分かりませんけど、今90日停止されようとしているものは一体どこで、停止されてないのはどこで、各産業分野がどういう状況に置かれているのかということをちゃんと政府が説明しないと、さっぱり分からないですよね。だって、分からないですよ。いまだに、今日、午前中に商工労働部から2回説明聞きましたけど、よく分からないというのが結論ですから。事業者の方々、県内の中小企業の皆さんからすると、やっぱり何が起きてるのか分からないというのが本当だと思いますから、政府がちゃんと、大使館だ、JETROだ、国費をかけて人を置いてやってるわけだから、何が起きてるのかということをちゃんとまず、メディアを経由してでも構いませんから、ちゃんと整理して説明してくれないと、一地方公共団体だったり一企業では何が起きてるのかさっぱり分からないってレベルだから、まず何が起きてるのかを早く把握して整理して、国民に早く示してもらいたい、説明してもらいたいというところからじゃないかと思います。

 さはさりながら、そういうことがはっきり示されなくても、実際のところ企業が合理的な行動とか、予測して大きな企業が行動し出すと、その影響が島根県内を含めた中小企業に影響するわけですから、そういう影響が県内で見えてくれば、マイナスの影響が見えてくれば、そういった物事に逐次対応していくということで対応していきたいというふうに思っています。

 それから、もう1点ですけども、政府にお願いしたいのは、今どういう状況にあるのかということの説明をちゃんと分かりやすくしてもらうということと、もう一つは、間違いなく発生することが1つだけあって、海外展開している、海外に製品を輸出してグローバルに活動してる国内の大きな企業、大企業の中でもメガな企業ですよね、そういう皆さんは確実に収益悪化しますから、利益が減る、株価が下がる。そういうことを避けるために、確実に予想できることは、対外要因はコントロールできないから、自分たちよりも弱い人たちに、マイナスを付け回すということが容易に想像できます。不当な部品の値下げ要請とか、そうしなければ取扱いを減らす、要するに生産が減るんだから、下げないところほど減らすぞというふうなことだったり、適正な増額要求を一顧だにしないとか、そんなことをするのはもう目に見えてるわけですよ、これまでの経験則上。会社の利益が増えてるときですら、超大企業はそういうことをやってきたわけだから、自分たちの利益が減るときに確実にやってくると。そんなことを絶対させないように、総理大臣でも経団連の会長のところに行って、そんなこと絶対するなというふうに言うのが一番の仕事ですよ。国内への影響は大企業を通じて中小企業にマイナスを振りまこうとするということは、もう確実に想定されるわけだから、そんなことをさせないというのが政治の仕事、行政の仕事だと思います。そういうことをさせないということです。

 外的な収益悪化要因は、ちゃんとそれを受け止めるということですよ、大企業なんだから。それを弱い立場の人間に振り向けていくということをゆめゆめしないように監視する、警告をする、そういうことを政府を挙げてやってほしい。それが一番ですよ。分かり切ったこと。分かり切ったことは、海外展開している日本の中のぴかぴかな企業が、自分のサプライチェーンの元にある、自分が部品を仕入れてる会社に対して、もっと値下げしろ、できないかというふうに言ってくる。それをさせないということです。そういうマイナスの、対外的なマイナス要因を国内の中小企業に振りまく、ばらまくということをしてこないように、させないようにするということが一番大事です。なぜならば、本当に利益が増えてるときですら、部品の値下げを強いてきた。そういう会社を県内、国内の中小企業は相手にするわけですから、政府がちゃんとサポートしないと駄目です。もう火を見るよりも明らかな事柄を防止するというのは行政、政治の役割だと思いますんで、それを全国展開している、海外展開している企業なんだから、政府はやれということ、これをぜひやってもらいたいというふうに思いますし、そういうことをこれからも県として重点要望を春から行っていくことになりますから、知事会も含めて、そういうことを求めていきたいというふうに思います。

 海外展開しているのはそれぞれの会社です。そのリスクを負って事業展開してるんだから、そのリスクが顕在化したってことは、その会社が受け止めるべきですよ。それを、弱い、トランプはコントロール不能だから、自分の下請に赤字を回そうということを平気でしかねない、これまでの慣行上は。それを阻止するということが一番大事な日本国政府の仕事です。間違いない。ということ。

 不確実なことですけど、確実に分かることが2つほどあるので、その2つをやっぱり政府に対応してもらいたいということであります。

 

○NHK:NHKの曽田と申します。よろしくお願いいたします。

 先ほど山陰中央新報さんのほうからも、質問がありましたけれども、アメリカの関税の措置についてですけれども、今月4日から県などの機関も中小企業を中心とした相談窓口を設置されているところですけれども、現時点で相談件数が、これはまだ相談がないということをお伺いしまして、これは恐らくは関税措置の停止も含めて、具体的な影響が出ていない、出る段階ではないかなというところではあるかと思うんですけれども、県内の中小企業向けに今後、何か支援をされる考えですとか、なかなか県内だけで完結する問題ではないかと思いますけれども、県内に向けた何か策というもの、お考えがあればお聞かせください。

 

○丸山知事:具体的な影響がまだ把握できてないので、こういう対策をするという話になりませんけども、当然、影響が出てくる、または影響が出てくると予想される事柄に対して、県としてできることをできるだけ早期に実施をしていくという考え方で臨んでいくというのが今の方針であります。なので、具体的にこれ、あれという話ではありませんけども、まずは今回の措置で、今後出てくる影響を注視して、それに対しての対策を随時講じていくという考えで臨んでいきたいというふうに思っております。

 

○共同通信:共同通信の白神です。

 トランプ関税のところで、知事の御発言の趣旨をお伺いしたいんですけれども、大企業が、自分たちよりも弱い中小企業の方々に不当な部品の値下げを要請するというような御趣旨、するのが目に見えてるという御趣旨の発言されているかと思うんですけれども、これっていうのは当然、関税が高くなって、米市場で日本の製品の値段が上がるっていうことを、中小企業から安く部品を仕入れて、そこで帳尻合わせをしようとするんではないかという、そういう趣旨でよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:単純に考えると、関税が上がる、製品単価が上がる、なので売上げが減る、なので利益が減る。その利益の目減り分を他で代替しようと思うと、コストを下げる。コストを下げるために部品納入業者に対して下げろというようなことを要請、半強制するんじゃないかということを懸念してるってことです。

 

○共同通信:ありがとうございます。

 あと、様子を見るという段階かもしれませんけれども、政府にこういった、大企業にこういうことをしないようにくぎを刺すというか、してもらうように要請するというような、先ほど要望したいというお話だったんですけれども、タイミングというのは、どういった、90日間猶予とかってありますけれども、どういったタイミングで政府に要望するとか、もしお考えがあれば、お伺いできますでしょうか。

 

○丸山知事:いや、私からすると、そんな要望なんかしなくたって、それはするもんでしょと思いますけどね。私が要望しなければやらないということでもないでしょう。だって、10%上がるんでしょ、確実に、共通関税は。90日猶予されてるなんて、15%、14%か。だから、もう10%上がるわけだから、今すぐにでもやればいいと思いますけど。県知事が要望しないとやらないみたいな話じゃないでしょと。

 正直言って、県知事が言うような話でもないわけですよ、はっきり言って。何のために経済産業省だ、中小企業庁だ、公正取引委員会だって、がん首そろえて何千人も職員いるんですか。もう参議院選だって控えてて、そんなもの、みんなそう思ってますよ。これまでさんざん苦しんできて、賃上げもなかなか思うようにいかなくてというところで、さらに悪化要因が来るわけだから、何度も言いますけど、史上最高益を更新してるような会社でも価格転嫁をちゃんとしてこなかったんだから、それが減益になるようなときに何もしてこないって、フレンドリーにやってくれるなんて思ってたら、それはもう人に笑われるでしょう。性善説も大概にしろってことですよ。と思いませんか。

 だから、県知事が要請したらやりましょうっていうんだったら、すぐにでも行きますけど、ちゃんと報道してもらって、そうだ、そうだと言ってくれれば、言われなくたってやるような話だと思いますけど。経団連の会長に会う機会があったら、ちゃんとしろよと言えばいいんですよ。トヨタとかホンダとか、マツダか、会う機会があったら言えばいいじゃないか、自工会の会長でも会う機会があったらさ。別に立ち話だっていいんですよ。ちょっと分かんないけど、紙で名指ししたっていいし。別に自動車だけじゃないけど。

 ともかく、まずはあなた方の給料減らしてからだと、経営者のね。利益が増えて、利益連動型で役員報酬増やしてるんでしょと。そんなものを維持するために、よそにツケ回しするようなことをするなよということですよ。普通の感覚から、立場の弱い取引先、ティア1とかティア2とかって、多重下請構造だから、そんなもの、普通は大きな会社の物品購入担当の人にだって話すことだってできやしないけど、しないような経営者、ほとんどの経営者、影響を受ける人たちの社長さんだって話もできませんよ。そんな人たちの気持ちを代弁して伝えるのが政治家の役割でしょと。誰のおかげで政治家になってんですか。誰のおかげでそのバッジつけられてるんですかっていったら、政治家がやるに決まってるじゃないですか。正直、役所の仕事じゃなくて政治家の仕事でしょう。国務大臣になれたのって、国会議員だからでしょ。有権者のおかげでしょうがと。そしたら有権者が求めることをやるんでしょう。もうこれ以上勘弁してくれと。でも、利益が、過去最高益が出てるような会社が、要するに利益のバッファーがあるわけでしょと。利益がとんとんの会社もあるかもしれませんけど、少なくとも過去最高益を更新してるような会社が、そんなさもしいことをするもんじゃないぞという警告を発するぐらい、やったって罰は当たらないと思いますけど、私。企業団体献金が減ったって、やるもんですよ、そんなもの。減らないと思いますけど。普通の、当たり前のことだから。真っ当なことを言ってるんで減らせないと思いますよ。おかしくないと思うんだけど。

 なので、申し訳ないですけど、私も人の仕事の代わりをするのが仕事じゃないから、これで何か上京して要望するつもりもありません。やって当たり前だと思う。気づいてないんだったら、皆さんの、今日報道してもらって、気づいてもらってくださいよ。普通、でも、そうでしょう。だって、これでまた、じゃあ最賃どうするの、最賃の引上げどうするのってみんな思ってますよ。もう春闘始まって、もう回答も出てる。だから多分、最賃の引上げ方針なんて変わらないでしょう。最賃の方針は変わらない。これまでは何か、ちょっと優しげにやってきてくれたけど、また手のひら返して、一切単価増なんか認めない、うちの決算分かってるでしょうねと、うちの減益予想分かってますよねとか、こういうときって大体、四半期の期末の決算見通し出せませんとかってやるわけですよ。コロナのときもそうだったですけど、上場企業ですら決算見込みが出せないとか、大幅な減益を見込む。うちの決算とか決算見込み分かってますよねと、新聞読んでますよねって言いながら、値上げ要求なんか言ってくるなよというふうなことを脅しかねないわけでしょ。そんなことを私に言わせるんですかみたいな感じで。

 だから、そんなことをしたらしょっぴく。そういう意味では独禁法とか下請法の改正を、もっと強いのをつくって、この通常国会でさっさと通してしまうと。この状況が出た以上は、余計、今多分セットされてる案があると思うけど、追加して、もっと厳しくして、こんなことがゆめゆめできないように法改正、強化したっていいと思いますよ、はっきりと、要請じゃなくて。困るんだから。利益のある人たちが、まだ徳俵まで後ろに随分残ってるのに、徳俵の後ろのところへ足かかってる人に対して、もっと引けって言ったら死んじゃいますよ。

 ということで、スケジュールとか、立てたんだか、重点要望とか知事会の要望の中で言っていきたいというふうに思ってます。

 

○共同通信:ありがとうございます。

 

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