12月26日質問項目4
4.学習指導要領
○時事通信(勝又):学習指導要領についてです。
文部科学大臣が昨日、学習指導要領の全面改訂を中教審に諮問して、授業時間や学習内容の学年区分について、学校現場の裁量を拡大する方向で検討するよう求めました。
知事は、かねてより基礎学力の向上につながる学習指導要領の見直しを指摘されてきてますけども、今回のこの文科省が示した方向性への御所感をお聞きしたいのと、あと、中教審での今後の議論に期待することなどあればお願いします。
○丸山知事:今回の……。私は、ごめんなさい、ちょっと新聞報道すら確認してないんですけど、今、勝又さんが言われた話が本当だとすると、私が言っているのは、学習内容を減らしてくれと言ってるのに対しては、今言われている内容だとすると、ゼロ回答。どこの段階で教えるかは任せるとかっていう、弥縫策にもなってない。なので、私は去年と今年、官邸において2代の文部科学大臣に対して直接、はっきり言って直談判しましたけど、何か失望する内容ですね、それが本当だとすると。多大なお金をかけてやっている全国一斉学力調査で誰もが分かる結果が出てる。基礎的な問題が5割とか6割しかできてないということを全く無視して、机上の空論で相変わらず教育内容を放置していくという姿勢が鮮明になっているのか、ちょっと分かりません。報道、あれですかね、報道されてるか。
○時事通信:一応今日の朝刊の1面に載ってます。
○丸山知事:ああ、そう。あるの。
なので、今おっしゃった内容が事実だとすると、どこで教えるかを任せますとかって、ゼロ回答です。私からするとじゃない、誰が見たってゼロ回答です。何か教えるタイミングが間違ってるから学力低下が起きてるとかっていうふうに思ってるんだったら、もう、今ちょうど水道の水も冷たいから、顔を洗って出直してこいという感じですよ。何言ってんの。私の言ってること聞いてたんですかって。
じゃあ、全国一斉学力調査の結果、これをどう捉えてるんですかと。このままでいいっていうことですかと、その教えるタイミングを変えると、できるようになるんですか。そもそもが、もう基礎的な、小学校の初歩的なところでつまずいてる子どもが放置されてしまってるということが大量に発生してるという壮大なバグがある義務教育を何とかしなければいけないという、その職責を持っていないのかと、文部科学行政なり義務教育に関わっている人たちは。自分たちがやってしまっている、この結果に対して何の畏怖感、申し訳ないっていう気持ちはないのか。言葉は悪いですけど、はっきり言いますと、この問題を軽く見てる人たちっていう、文部科学省がそうなんでしょうけど、文部科学省の大臣から幹部に至るまでそうなんでしょうけど、自分たちの親類縁者ができるほうに回ってるからどうでもいいと思ってるんじゃないのかと。この問題を深刻に捉えれないということは、できない、できていない子どもに思いを致していない人たちだってことですよ。その思考回路というのは、自分の親類縁者、自分の身近な人たちはできてるからいいよという、そういう背信的な割り切りをしてるんじゃないかと。私はそうでないと説明がつかないと思う。
全ての子どもにひとしく教育の機会を与えれば、それで自分たちの仕事は終わってる、与えるということで自分の仕事は終わっていて、与えた結果、習得できてないのは私たちのせいじゃないという割り切りをしてるのかというふうな疑念を持たざるを得ない。日本の子どもの半分を見捨てるような義務教育でいいのか、いいと思ってるのか、そんなことをやって恥ずかしくないのかと私は言ってるんですよね。皆さんはよく分かると思うけど。
何か自分がやってる一斉学力調査の数字を見てるはずですよ、だって、私、問題をそのままそらんじて正答率を文部科学大臣に伝えたから。文部科学大臣は2代にわたって、あの問題があの正答率だということを知らないとは言わせない。言わせないために言ったんだから。あの問題の正答率、2つの問題があの正答率で定まってるっていうことを文部科学大臣、文部科学省の職責を持ってる職員が知らなくないという状況を、私はわざわざつくったんです。知らなくてやってるわけじゃない。知っててやってるわけです。それは何を意味するのか。50%、60%のできてない子どものことをどうでもいいと思ってるということじゃないのか。そんな人たちが公の仕事をしていいのか。教育に携わっていいのか。どういう了見なんだと。
伝えてもらった諮問の内容が正しいのであれば、だって、諮問の内容からしても、そんな内容しか入ってなかったら、答申でまともなことが返ってくるわけないですよ。私も、申し訳ないけど、20点の諮問からは20点以下の答えしか返ってこないですよね。
阿部文部科学大臣だっけ。いや、もう何か自分の親類縁者はできるからいいよと思ってるんですかというふうに問いたいですよ。できない子どもをどうするかって考えるのがあなたの仕事じゃないですか。文部次官、初等教育局長、初等中等教育局長かな、初等教育局長かな、小・中学校は。いや、あなたの問題認識は間違ってるということであれば、そういう説明を聞かせてもらうか、それとも責任ある仕事をするつもりはないということなのか、どちらなのか教えていただきたい。
ちょっと新聞記事持ってきて。
ちょっと待ってくださいね。
あのね、諮問書の3ページの一番最後に、各学校や教育委員会の創意工夫を最大限引き出し、子ども一人一人の可能性が輝く、柔軟な教育課程編成を促進する観点からってありますよ。
まず、この時点で、もう0点。何でか分かりますか。各学校や教育委員会の創意工夫を最大限引き出すってことは、今の現状が各学校と教育委員会が、多分制度的な制約があるから創意工夫を最大限引き出せていないという現状認識を持ってるはずです、持ってます。でも、それは、制度を柔軟にするから創意工夫をもっとしろということです。今以上、これだけ疲弊している学校の先生に、もっと創意工夫しろと、どの面下げてあなたたちは言えるんだと。もっと創意工夫なんか求められたら、残業なんか減らないぞ。働き方改革なんかする気あるのか。学校現場がへとへとになって、今、この状況をつくってるんじゃないのか、なってるんじゃないのか。そんな人間に、あなたたち、もっと創意工夫しろと、させてやると言ってるけど、あなたたち、何のために教職調整額を引き上げるようにしてるんだ。残業代もまともに払ってなくて、教育現場が疲弊していて、残業代も払ってないから何とかしようという話の問題設定を分かってるはずの人が、今の教育委員会や学校は創意工夫を最大限引き出せていないと。だから、もっと創意工夫をしろということを言ってるわけですよ。
これは、私たまに言うけど、戦前の日本陸軍参謀本部と同じ。自分たちの戦略が間違ってるのに、現場で何とかしろと、現場の部隊が何とかしろと。補給も送らない、兵員も送らない、食料も送らない、銃弾も送らない、現場で何とかしろと言ってる日本陸軍参謀本部の再来ですな。少なくとも日本陸軍参謀本部は大敗しましたけどね。日本を滅亡の、日本国が戦争で滅びかねない寸前まで持っていったけど、そういう人たちと同じ発想してるよね。
そういうことです。何か各学校が教育委員会の創意工夫を最大限引き出し、これは、私は、こういうのは、作文として読んだんじゃ駄目なんです。これは何を意味するかというと、制度改正してやるから、あなたたちがそれぞれ考えて、よろしくやれ。日本陸軍参謀本部と同じ思想の文部科学省は、俺たちは制約を緩めるだけで、あとは何もしないから、あなたたちがそれぞれ頑張ってやれと言ってるんですよ。そうでしょ。
大変な、だから、よく言われることですけど、戦略の誤りを戦術では補えないですよ。学習指導要領の誤りを、課題過重を現場の創意工夫で解消しろと。しかも既にへとへとになっている学校現場に平然と命じることができる無慈悲な人たちが教育行政をやってるってことじゃないですか。
何かあれだね、この部屋の空気が何かマイナス10度ぐらいになってるけど、私はもう血圧が随分上がってるよ。でも、本当にね、ひどい会議だね、これ。学校の先生たちが見たら、本当、かわいそうだよ。あなたたち、最大限引き出せてない……。怠けてるから引き出せてないと言ってるわけじゃない。制度の制約があるから引き出せてないんだろうと。で、制約を外してやるから、もっと創意工夫をしてくれたまえという訓示を垂れておられるということですよね。
さっきの原発の交付金の話も悲しくなったけど、この話も本当悲しくなるね。でも、2つに共通するのは、悲しくなるけど、私は諦めない。諦めたら、この人たちの思うつぼだよ。こういうことじゃ駄目だというふうに言い続けないといけないという意味で、この記者会見の会見場の温度は何か10度ぐらい下がったけど、私の血圧は20ぐらい上がってますよ。という感じです。すみません、長くなりました。
○時事通信:ありがとうございます。
○丸山知事:何というか、ひどい、1日遅れかな。今日26だっけな。何か最低クラスの1日遅れのクリスマスプレゼントみたいな感じ。よくもまあこんなことを、学校の先生がかわいそうだ、本当に。反省……。自らのやったことの過ちを認められないんでしょうね。
すみません、ちょっと、大変勉強不足、不明をこれだけこだわってることながら、ちょっと今日の新聞はチェックをしておりませんでした。失礼しました。
○時事通信:ありがとうございました。
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