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11月27日質問項目1

1.年収の壁
○山陰中央新報:山陰中央新報の曽田です。よろしくお願いいたします。

 

○丸山知事:お願いします。

 

○山陰中央新報:まず、年収103万円を超えると所得税が生じる、いわゆる年収の壁について質問いたします。

 議論が進み、石破首相が29日の所信表明演説で、2025年度の税制改正で議論し、引き上げると表明すると報じられております。知事は、前回の会見では、特定扶養控除などに触れられたり、自治体の税収減への影響について言及されたりしていましたが、ここまでの議論についての御所感と、改めて県財政への影響についての御認識をお願いいたします。

 

○丸山知事:認識は基本的に変わりませんし、総理がそういう表明をされたという意味での進展はありますけども、具体的な内容は全く示されてないので、何か、どうなるんだろうなというふうに、相変わらず懸念を持っているというところです。

 ともかく103万円から税がかかるといったところで、いきなり高額の税率がかかるわけじゃないので、そこに壁はないと。今言われてる話というのは、壁の問題じゃなくて、減税をするかどうかということにほぼ近くなってるということだと思います。壁というのであれば、今、曽田さんがお触れになられた特定扶養控除を配偶者と同じように、今だと103万を超えたらぴたっとなくなるというのを、少しずつ額に応じて低減させていくというやり方をやれば、いきなり税額が増えるということはなくなるので、壁の問題と減税の問題と切り分けて整理をすべきだと思いますし、何度も申し上げてますけど、主張されてる政党が壁と言われるから報道機関としては仕方がないのかもしれませんけど、103万円の壁という課題設定が適切なのかどうかと、減税問題ということに近いんじゃないかと私は思いますけど。

 ということで、減税、それは有権者は好まれる、国民は望まれる、それは税負担は少ないほうがいいので。問題は、減税をして、その税収が国、地方ともに減った場合に、その後をどうするのかという算段なしに減税をするのも難しいんじゃないですかという基本的な懸念ですよね。そういうことじゃないかと思います。

 それから、県財政への影響というのは、試算をいたしまして、やり方は2つあるんですけども、県の試算としては、仮に、総務省が個人住民税、個人住民税というのは島根県内でいうと県民税と市町村民税を合わせた概念ですけど、その個人住民税の基礎控除を75万円引き上げた場合に、地方全体の減収額が約4兆円というふうに試算してます。この4兆円を元に試算すると、本県の減収額というのは、年間で、個人県民税が約62億円、個人の市町村民税が93億円の減と見込んでおりまして、県と市町村を合わせますと約155億円の減収になる見込みであります。以上です。

 

○山陰中央新報:今、155億円という数字が出ましたけども、この数字を見ての受け止めというのはいかがでしょうか。

 

○丸山知事:財調の取崩しを50億円、それをもってしても、なお20億円前後の収支不足が生じるという数字を四苦八苦しながら予算編成してるわけですから、その土台が62億円下がるけど、まあ何とかなるでしょうという話に、とてもなるわけがないということです。

 

○山陰中央新報:やはり国においてしっかり対策をしてほしいというお気持ちは変わらないということですか。

 

○丸山知事:いや、私は国に対策というふうに言いますけど、国も減収が生じるので、そもそも何か、国が補填してくれればいいですよという話で済むのか。向こうも、国側の財政も悪くなるという話でもあるので、補填をしてくれっていうふうに求めて、その最後の最後、とどのつまりは、それ求めていくことになりますけど、向こう側も大幅な減収があるでしょうから、そんなに簡単じゃないので、国の財政、地方の財政ともに受け入れれるような減税規模にならないと、必ずどこかで無理が出てくることにならないかというふうに強く懸念しますよね。国側も税は減るわけなので。埋めてくれればいいという構え方で事が済まない、埋め切れない可能性が相当高いので、そもそもどれぐらいの減税をすることが国、地方を通じてできるのかという、その全体のボリューム感を踏まえた上でやる必要があるんじゃないかっていうのが基本的な認識です。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 

○丸山知事:仮に穴が空くようであれば、ちゃんと補填してくれというのは二の手ですけどね。でも、一の手の話が前段としてあるということです。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 関連して、国民民主党の玉木代表は、この見直しに関して、総務省が地方自治体に工作しているとした発言を謝罪されましたけども、各自治体は不満を募らせていた格好ですが、知事の受け止めをお願いいたします。

 

○丸山知事:発言が適切じゃなかった、適切じゃなかったとは言われなかったか。不快……。どういう表現でしたっけ、玉木代表の発言は。不快……(「不快な思いを抱かせた」と呼ぶ者あり)

 快か不快、気持ちの問題じゃないと。不快に思われたんだったらというの、不快に思ってるに決まってるわけだから、そんなたらればで言わなくていいですよと。たらればで言う必要ないと。不快ですよ。

 それはなぜか。なぜかというと、我々が自然に言うようなことを、ほっといても言うようなことを、総務省から工作をされて言ってるやつらだと、あいつらの言うことは信用に足らないっていうレッテル貼りをされたわけですよ。世論を扇動する、我々の言うことなんて聞くに値しないという効果を持つことを多分認識されて言われてるので、非常に悪質なんです。我々の主張を封じるための発言だったと私は理解しています。だから快、不快の問題じゃなくて、著しく不適切ですよ。あいつらの言うことなんて聞いたって、どうせ総務省に言わされてるんだというレッテル貼りをしたってことでしょう。極めて悪質ですよ。我々の意見を封じようとしたんです。あいつらの言うことなんて、どうせ総務省に言われてんだから聞くに値しないという意味合いが入るわけです。それは、我々の意見を封じようとしたんです。普通に考えてそうでしょう。そういう効果を持つ極めて悪質な発言なんですよ。我々の意見を封じようとしたんだ。あいつらの言うことなんて聞く必要ないという意味合いが入ってますよ。少なくとも私はそう受け止める。なので我々は怒ってる。

 申し訳ないけど、言われなくても、こんな数字が出てくるのは分かってるし、いわゆる総務省に言われなくたって、そんなこと言うぐらいの見識はありますよ、我々。人をばかにするなということです。田舎の県知事が言ってることなんて、どうせ総務省に言わされてんだろといって、聞くに値しないという世論操作をされたところが、非常に憤りを感じる。なので、不快に感じるとかってレベルじゃないというのが私の率直な受け止めです。不快に感じられたんだったらというのは余計だと思います。不快ですよ。不快に感じない人、いないと思いますけど。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 御批判の言葉と受け止めますけど、前回の会見では、それでも何か与党入りしてやってほしいというお話でしたけど……。

 

○丸山知事:いや、それはなぜかというと、減税の規模だけは主張するけど、減税の後始末は知らないというのは無責任過ぎると言ってるんです。減税はこれぐらいしよう。その後、地方財政も含めてこうすればいいじゃないかということを、予算を知らないから、自分たちはあずかり知りませんと言うんだったら、責任を持ってそこまでは始末をしてもらうと、全体のまとめをしてもらわないといけない。だから与党に入るしかないんじゃないかと、与党じゃないから、予算知らないから知らないと言われるんだったら、そこを封じないといけないと私は思ったの。与党に入ってないから知らないという責任逃れをされるんだったら、与党に入って責任持ってくださいというふうに言わざるを得ない。別におかしくないですよね。

 中央政界の構図上そういうふうになったほうがいいとか、そういう政権が望ましいとか、そういうことじゃないです。国民民主党が言われてることを、国民に対して誠実に実行されようと思うのであれば、減税に伴って生じるいろんな課題の解決も含めて、責任を持って対応されるべきだと。それを、与党に入らずとも、そこの合意形成まで自分は関与する。決まったことについて、自分としては責任を持つ。国会においてそういう党と連携してパーシャル連合の中の、そこも射程に入れて、そこの分まで責任を持つというのであれば、与党に入らなくていいですよ。ただ、与党に入ってないから予算知らない、あとは知らないというロジックを変えられないんだったら、与党に入ってもらわないとおかしいというふうに言わざるを得ない。与党に入らないけど、その減税の後をどうするか、減税をどうやって、減税で穴の空いた国家財政、地方財政をどうするかということについて、責任を持って自公の与党と対策を考えて合意をして、これはこれでいこうというふうに、そこまで個別の、部分的な合意をしていくというんだったら、別に与党に入らなくてもいいと思う。ただ、ともかく減税の後をどうするのか、大きな減税をやるけど、あとは知りませんということを、申し訳ないけど、封じないといけない。そういう選択肢は無責任過ぎるんじゃないかというふうに申し上げてるんです。

 なので、あとの予算は知らないという発言を撤回されたら、別に与党に入らなくてもいいと思いますけど。それ責任持ちますと、与野党と協議して、そこの部分まで合意形成して、この減税の問題を、減税だけの問題じゃない、減税の後、どういうことが生じるかっていうことの全体のコーディネート、これは厳しい話も、減税するから、収入がなくなるんでこういうことを削減していくとかということまでセットで責任を持ってやられないといけないんじゃないかということなんですけどね。

 

○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。

 


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