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11月8日質問項目1

1.県内養鶏場で発生した鳥インフルエンザ

○山陰中央新報:山陰中央新報の高見です。よろしくお願いします。

 鳥インフルエンザの対応についてお伺いさせていただきます。

 約40万羽の殺処分が終わりまして、先ほど知事がおっしゃったように、処理や清掃、消毒というのが11日までに完了する見込みで今、スケジュールが動いているというところで、まだ終わってはないと思うんですけれども、県内では2010年以来の養鶏場での発生ということで、初動の対応でありますとか見えてきた課題というところを県としてどのように見ておられるか、伺えますでしょうか。

 

○丸山知事:14年ぶりの殺処分で、県内での発生でございましたし、防疫措置のやり方につきましても14年前と違う、進歩したやり方でございましたので、中身としては初めて経験する部分も多分にございました。

 そうした中で、大田市からは殺処分作業への動員のほか、埋却地周辺の地元住民の皆様との御説明、説明会などへの協力、また消毒ポイントにつきまして、大田市施設を御提供いただくなど、幅広い御協力をいただきましたし、県の建設業協会、また、県のトラック協会、県の警備業協会、またホームセンタージュンテンドー様から幅広い御協力をいただきました。建設業協会には埋却処分の実施、またトラック協会におきましては資材の現地への輸送、警備業協会には消毒ポイントの運営、ジュンテンドー様には防疫用の資材の調達など、行政機関以外からも幅広い御協力をいただきました。先ほど申し上げましたとおり、陸上自衛隊におかれましても、出雲駐屯地、または米子駐屯地から派遣をいただき、夜間も、大雨の、雨のときも中断されることなく、迅速な処理に御協力をいただきました。

 また、JAしまね様、そして島根県農業共済組合など、農業関係団体の皆様からも多くの現場防疫作業への人員派遣をいただいたところでございます。そうした皆様方の御協力をいただきまして、終了予定というのは予定よりも長くかかりましたけれども、大きなトラブルなく実行できたというふうに思っているところでございます。

 一方で、スタート時点では、防疫資材や飲食料が現地に十分に行き届かないといったこともございましたので、動員された方々には御負担をかけたという状況でございました。防疫作業におきましては3交代24時間体制、つまり夜間も含めて実施をしていただきましたので、夜間で暗い中、ゴーグルや防疫服、着膨れるような形になりますし、長靴を履いて、ちょっと運動の能力が下がる形での作業体勢でございましたし、鶏舎は閉鎖空間ということで、広々としたところではありませんので、殺処分という意味での心理的な負担、そして作業環境としての体力的な負担といったところで、そういった負担が大きく、けがをされた方もおられました。そういった、施設としての、けがの発生状況に応じて、機材の照明の追加ですとか、そういった改善をしておりますけれども、そういった教訓もございます。

 また、業務の説明が十分ではなく、どうしても専門家が説明しますので、説明する側にとって当然のことが、動員された側にとっては十分理解できないという状況で、現場作業がスムーズにいかなかったりしたこともございましたので、説明の内容を改善するといったことや、休憩を計画どおり取ることが、十分な指揮ができずに、できなかったといったことがございましたので、その都度、現場指揮者に徹底をして改善していくといったところでありますから、100点ではなかったわけでありますけれども、いろんな方々にそれぞれ試行錯誤していただいて、何とか本日ここまでの状況に至ることができたということで、県庁外の多くの皆様、そして従事をしてくれました県職員に非常に感謝しているところでございます。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 あわせて、全国では、発生件数は一昨年の大流行のときよりも早い時期から発見がされていて、実際、これからがシーズン真っただ中に入っていくというところだと思うんですけれども、県として従来、防疫措置、いろいろ対策をしておられる中で、さらに踏み込んだ対策であるとか、新たな対応ということが考えられることがあるんでしょうか。

 

○丸山知事:県内の養鶏事業者の皆さんは、今回の発生事案を踏まえて、再度、自分の養鶏場の体制を再チェックしていただいて、体制強化をしていただいているところでございます。今御指摘のあったように、島根県に続いて、6日には新潟県で35万羽の養鶏場で、そして翌7日には香川県で11万羽の養鶏場で、続発をしているという状況でございますので、島根県内の今回発生農場から発生しているという案件ではないと思いますけども、いつ、どこで発生してもおかしくないということで、養鶏事業者の皆さん、非常に緊張感を持って対応していただいているところでございます。野生の小動物の侵入防止対策の徹底ですとか、農場周辺の清掃、石灰消毒の徹底、そして農場の周囲の見回りや農場内、鶏舎内の観察の強化を実施していただくことを繰り返し指導させていただいているところでございます。そういったことを通じて今後の発生防止に関係事業者の皆さんとともに取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 もう1点、すみません、関連して。今回の大田市内の発生した養鶏場というのは、県内でも最大規模でありまして、事業の再建のためには国や県の支援というのも必要だと思うんですけれども、補正予算を組んで11月議会に提出する考えがあるかというところと、もう1点、しばらく卵が出荷できなくなる、県内への、市場への影響というのも避けられないと思うんですけれども、県としてどのように養鶏業界を支えていくかという全体的なところも踏まえて伺えますでしょうか。

 

○丸山知事:発生農場におきましては、早期に新しい鶏を導入していただいて、生産規模を順次拡大してもらうということを通じて生産の回復ということに取り組んで、できるだけ時間をかけずに、早期に取り組んでいただくということが一番経営面では大事であります。複数回の鶏舎消毒や鶏舎内のPCR検査、モニターとなります鳥の導入など、生産再開に必要な措置を迅速に行うということと、今回の防疫措置のために処分をしていただいた財産、つまり殺処分した鶏などの補償という意味での手当金が国から交付されますので、こういった申請手続を迅速に行っていくということとともに、当面は、すぐに事務手続も要りますので、資金繰りということでの手当てをしていただく必要がありますので、そういった資金の利子負担の低減といったことについて、今、補正予算の中で、11月議会で提出する議案の中で利子負担の低廉化といったところを今検討しているところでございます。そういったことを通じまして、資金繰り、また早期の生産再開、生産規模の回復といったところを実行していただけるように、県としてもサポートしていきたいというふうに考えているところでございます。

 そして、御指摘のとおり、この発生農場というのは県内の採卵鶏、卵を産む鶏の総数であります93万羽の約4割に当たる40万羽を飼育される、県内最大規模の養鶏場でありましたので、県内全域と、一部県外に鶏卵を供給していただいている事業者さんでございます。県内で販売されている鶏卵の約60%が県内産で、そして、その中でこの農場が提供してもらっていますのが大体25%というところに当たりますので、これが今、供給が停止されているという状況でございます。少なからず影響があるというふうに思っておりますけれども、県内の協力をしていただける養鶏場などからの代替出荷などを通じて、できるだけそういった影響が最小限に抑えられるように、県養鶏協会などのネットワークなどを活用していただいて供給不足の解消に取り組んでいただいているところであります。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 

○NHK:NHKの内野です。

 今回の農場さんのほうで、担当課から話を聞いたところ、野生動物の侵入を防ぐためのネットが破れていなかったりだとか、あと、定期的に消毒をしてたということが現時点で確認されてまして、農場さん自身も適切な対応をしていたんじゃないかと思われるんですが、そういった中でこういった鳥インフルエンザが発生してしまったということについて、知事の所見をお伺いしてもよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:原因については、これは法律上の役割分担として、県は起きた発生農場に対する防疫措置をやると。原因究明については政府のほうで疫学調査のチーム、専門家を派遣していただいて、発生現場、発生した養鶏舎を調査されて、今、分析、持ち帰って検討されているところですので、この発生経路というものについての調査というのは、農林水産省のチームの調査結果を待ちたいというふうに思っております。これは1か月ぐらいかかるんじゃないかというふうに言われてますので、そこで具体的な原因が判明すれば、それに基づく対応というのを、恐らく全国的にやられると思いますし、ほかの、既に発生した農場で知見が出てくれば、それを反映していって同じようなことが発生しないように対策を全国的に講じていくというふうな取組を農林水産省で取られると思いますので、これは県内で起きたことに加えて、他県で起きていることで判明したことを反映して、発生防止に役立つ取組を加えれるものについては加えていくという対応をしていきたいというふうに思っています。

 

○NHK:分かりました。

 


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