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9月11日質問項目9

9.結婚を機に地方へ移住する女性に対する支援金
○時事通信:時事通信の勝又です。よろしくお願いします。

 政府の地方創生に関する施策についてお聞きします。

 話題になったのが少し前なんですけども、政府が来年度予算の概算要求で、結婚を機に地方へ移住する女性に支援金の支給を検討する方針を掲げて、後に事実上の撤回をしました。若者の結婚ですとか移住促進につなげるための施策だったかと思うんですけども、まずこの施策自体についての受け止めをお聞きしたいのと、撤回した、この判断についての御所感もお願いします。

 

○丸山知事:私は詳しく、見出しぐらいしか見てないんで分かりませんけど、私は、一般論で言うと、女性にだけ支援するっていうのがおかしいというふうに物事を割り切って考えるのは間違い。女性は、同じ働いていても、男性よりも正規職員比率が低いです。男性に比べるとすごい低い。だから、働いてるから同じ所得が得られてるだろうっていうふうに考えちゃ駄目なんです。でも、特に年代の高い方ほど、そもそも、平成の初めぐらいでしょうか、男女雇用機会均等法ができたのって。つまり結婚するとか、結婚して配偶者が転勤するとかっていうときに離職をするのは女性が圧倒的に多かったとか、それから、結婚して子育てするのに保育園に入れないとか、とても正規の仕事と両立できないということで辞めざるを得ないってときで女性が離職されてる。そうすると、復職されても、正規の職員ルートなんかで、前のいた職場の同期入社と同じような扱いで戻れるわけないんだから、所得が下がるわけです。だから、そういう女性と男性の所得格差があるという、その格差があるのに男性と女性が同じだというふうに扱うのはおかしいし、なので、一律に、女性に向けた支援がより手厚く必要なのであれば支援すればいいと私は思ってる。それが適当だったのかどうか分かりませんけど。

 ただ、私は女性により強く支援する必要があるのであれば、別に制度論としてはおかしくないと。女性のほうが社会的に厳しい環境に置かれているというのがまだ一般的ですよ。男性と女性は平等だって、法的に平等だっていうことと、社会実態として低所得に置かれてる、男性ほどの所得は得られてないということは別に捉えるべきで、形式的平等で形式的に行政の支援の仕組みをつくるということは正しくなくて、支援というのは実態に対応したものじゃないといけないと私は思います。なので、合理性があれば別にやってもよかったと私は思うぐらい。ただ、合理性があるのかどうか、ちょっと詳しくデータを見てないので分かりません。

 形式的に男女平等であるべきだというのは、ちょっと遺族年金の見直しとかと同じだけど、女性のほうが所得水準が男性に比べて低い、この前もちょっと新聞に出てたよね、新報でも。何か男女の所得格差っていうときのデータって、どこで調べてるか、そもそも元データを知らないでしょ、みんな。これね、常用雇用者なんですよ。要するにパートの人は入ってないんですよ。女性の人は正規率が低い、つまり非正規の方、パートの人の数字がすごい、半分近くいる。そのパートでの勤務実態を除いたデータなんですよ。言ってみれば、1週間40時間勤務している人同士の比較なので、女性全体をカバーしてるかというと、6割もカバーしてないデータです。男性はほとんどカバーしてる。それを比較してるんですよ。それですら8割とか7割とかという数字が出てくる。それを男性も女性も平等だからとか、今、雇用機会は確かに均等だし、男女差をなくしつつあるけど、じゃあなくなってるかっていうと、なくなってないわけですよ。なくなってないのになくなったふりして男女を同じにするなんていうのは、形式的な平等で、実質不平等にしてるというケースがないかどうかというのは、これすごく大事な視点なんです。

 だからといって、今回のことが正しかったということではないですけど、一般論として、男女同じじゃないからおかしいとかっていうのは、正しくない思考フレーム。男女差、男女で性差があって、女性のほうにより手厚い支援が必要だという、その根拠があれば、女性にだけ支援するとか、女性に手厚く支援するというのは全然おかしくない。これは別に性差だけではなくてですよ。性別の差だけではなくて、そういうジャンルがあれば、性差だけではなくて、実質的な状況で支援の有無とか、支援の厚さとかを変えるのはおかしいことじゃないと私は思います。あんまり記事になりませんけど。

 

○時事通信:ありがとうございます。

 


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