9月11日質問項目8
8.柏崎刈羽原発
○山陰中央新報:山陰中央新報社の原です。
原発関連で、政府が新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働を目指して、事故時の避難路や放射線防護対策施設を国負担で拡充する方針を決められましたが、この方針に対しての受け止めがあればお願いします。
○丸山知事:9月6日の原子力関係閣僚会議で、今、原記者がおっしゃったように、政府は柏崎刈羽地域において、国の負担を拡充して避難路の整備や除排雪体制の強化など、避難対策の実効性向上に取り組むという方針を確認されたということであります。これは、地元の新潟県、また柏崎市などの所在市、関係の市町村の要望を受けての対応だというふうに思いますので、これは必要な対応をされてるというふうに理解をいたします。ただ、住民の避難対策というのは、柏崎刈羽地域だけに求められるものじゃありません。つまり柏崎刈羽のような対応を、柏崎刈羽だけ行うのはなぜなのか、ほかの地域でどうするのかということの説明が当然必要でありまして、その説明はなされていない。
こういうアドホックに、出たとこ勝負で避難対策の拡充を決めていくというのは、あまり整然としたやり方じゃない。例えば豪雪地帯だからということだというふうに、そういう表現で書いてありますけど、豪雪地帯という特殊性だけを加味するのはなぜなのか。島根原発の場合は、PAZを中心に半島、UPZもそうですけど、半島を抱えているというふうな事情もありますし、30キロ圏内の人口が多いと。原子力発電所の30キロ圏内の中でいうと全国トップクラスの人口を抱えているというふうな特殊性もありますけども、なぜ豪雪というところだけ特別な対応をされるのか、ほかの事柄も必要に応じて対応するということなのか、それは求めてこなかったほうが悪いという整理なのか、その説明が一切我々にはないです。そういう意味では、柏崎刈羽が求められたことに対して応えられたということは理解しますけど、では、日本の原子力発電所全体の中で、こういう特殊要素をどういうふうに、どういうものは特別な対応をして、どういうものは一般制度だけで済ますのかという制度としての説明が一切なされてないということについては問題だというふうに思います。
それから、2点目として、今回の内容は、方針が決まったということにすぎません。例えば避難路を整備していくということについて、経済産業省、内閣府、国交省で協議の枠組みを立ち上げるとか、6方向で放射状に避難する経路について関係省庁で整備をするとか。で、問題は、県の実費負担相当分の措置など、必要な規模の予算を継続確保する。これから確保していくというふうになってます。これっていうのは、財源はまだめどが……。都道府県が活用する、都道府県が負担することになる財源というのの肩代わりを考えてるけど、その財源のめどは立ってないから、これから経済産業省で考えるというふうになっているんです。つまりは、まだ金の工面ができてないという話です。
私は前から言ってるんですけど、政府は、GX、脱炭素成長型経済に移行する計画をつくっているわけです。それは、カーボンプライシングを財源として、GX移行債と言われるものを発行して約20兆円の政府支援をしていくというふうに決まっていて、その中には当然、GXのグリーンの中には、再生可能エネルギーの活用の次に原子力発電所を、規制委員会の認可が得られ、かつ地元の理解が得られたものについて再稼働を推進するというふうになってるわけです。だから、GXの推進の中の主要項目に原子力発電の活用が上げられているけれども、じゃあ、その原子力に、何に金使っていくのかというのは、次世代革新炉の開発・建設なんです。分かりますか。まだありもしないものをこれから研究して開発していきます。でも、新潟県なんかが求めてる避難対策にお金が要るだろうなんて、つゆも考えてない。だって原子力の再稼働に地元の理解が必要だって書いてある。地元理解を得るって何がハードルになるか。避難が問題になる。そんなことは、申し訳ないですけど、誰でも分かること。そんなものは、特別なお金かけなくたってできるっていうふうにたかをくくっていた計画なんです。
数字見てみたら、何か今日見て、後でちょっと配ってください。見てみたら、もうお金使ってて、お金使ってるんですよ、このお金。何と令和4年の補正と令和5年の補正、それから多分令和5年の当初もあるでしょうね。約3兆円使ってるんです。20兆円のうち3兆円使っていて、原子力は次世代革新炉の開発・建設に891億円使われてます。
GXの中で、多分、基本的にはあるものをできるだけ使っていこうという発想の中で一番ベーシックな政策の推進のためにお金を確保せずに、次世代革新炉という、新設とかって、いつめどが立つか分かんないような、立地という意味でもですよ。何か夢物語みたいなものに900億使ってるというお金の使い方がね、何で、次世代革新炉に900億使う前に、この金充てるんでしょうと。お金の使い方分かってるか。
何というか、白い御飯も食べれないのに、ボルドーの高級ワインなんか買っちゃいけないんですよ。一丁目一番地に必要なお金が工面できてなくて、白いお米を食べるお金が工面できてなくて、ボルドーの高級ワインを買ってますみたいな、そんなお金の使い方をしてること自体がちょっと信じられない。こんなのもう解決策ははっきりしてて、この次世代何とかの開発なんか、もう止めて、このお金を回せばいいんですよ。あるものの再稼働が滞ってるのに、新型何とか炉って、900億って、誰に払ってんだ、これ、900億も。誰に払ってるのってお金ですよ、891億円。
だから、お金の使い方、そもそも今回決まったことで、お金がないって言ってますけど、これね、都道府県の実負担、都道府県の負担分を補填しようって話です。でもこれは、実は道路を造ろうと思うと、普通は国土交通省が予算を確保しなければいけない。それを、この柏崎刈羽の避難路のための特別な予算なんかは別に別枠で設けてないから、既存の予算の中で捻出しろって国土交通省言われてると思いますよ。だから、ほかの道路を所管してる役所もある予算の中で捻出しろと言われて、新潟県もちゃんと自分のとこに負担が生じないようにしてくれって言われてる。
だから、そういう新潟県とかほかの役所とかに、要するに避難路が必要になるんだったら、そっちのほうにお金充てるんじゃないの。何でそんなことも想定できないわけ。要するに避難なんて、ほっといたってできるってたかをくくってたけど、結局そんなことで収まんなかったってことが今回、柏崎刈羽で露呈してるってことなんで、資源エネルギー庁なのか分かりません、経産省なのか、このGXの計画つくったの誰か分かりませんけど、何でそんな、あした食べる米の算段もできてないのに、そんなボルドーワイン買ってるんだっていう話を言いたくなりますよね。ボルドーは早く店に返して、飲んでないんだったら、返金してもらえと、で、そのお金充てたらどうだっていうのが2番目の所感ですよ。
だから、申し訳ないけども、そういうことを、大手メディアの本社の皆さん、都道府県知事に緊急アンケートとかさ、毎回何か送ってくるでしょ、2週間ぐらいの期限で。それで回答して、何かちょっと特集なんか1日2日やっておられるけど、こういうことをちゃんとチェックしてくださいよと。こんなことを追わずしてですよ、何でこんなことを一立地自治体の知事がこんなことを言ってるの。全国アンケートして、何%とかっていって、何かそんなことよりも、役所に取材できるのって、正直言って記者クラブに籍持ってる全国紙というか、大きなメディアの皆さんしかできないわけだから、そういう、島根県知事並みになってほしいなと。これ、別にこんな難しいこと気づかないですよっていう話じゃないでしょ、別に。普通に考えたら、何か疑問に思ってもおかしくないことだと思いませんか。そんなこと思いもつきませんよって言われることじゃないと思うんだけど、何か発表されたことを書いて終わりじゃなくて、統合知なんです、統合知。知ってることをつなぎ合わせて、より高い視座で俯瞰してくれないと、はい、GX債、報道して終わり。覚えてませんか。覚えなくてもいいです。覚えてなくてもいいけど、GX債って何かあったけど、あんな、2兆円使うとかって言ったけど、どんな金の使い方してんだっけといって聞けば、それは出てくる資料だと思いますよ。うちの防災部が入手できた資料だから、隠れてる資料でもない。
だから、そういう、何で、原発の再稼働が大事だって、私は去年ぐらいから言ってるんですけど、原発の再稼働を進めるって口で言うだけでは、再稼働進まないですよって私、何度も言ってきたつもりなんですけど、それが今回、柏崎刈羽でそうなったでしょ。そういうことになるっていうことの想定もしてなかったというのが、このGXのお金の使い方の計画ですよ。そうしたら、お金の使い方の順番を変えるんですよ。だって、もう総理から指示が出て、閣僚会議で決めたんだから、こんなもの、次世代何とかなんてやめてしまって、後に回せばいいじゃないですか。申し訳ないけど、足りなければ原子力の枠を増やしてやるとかね。だって、一回決めたことをそのまま走っていくなんていうことをやってるからお金がないんでしょ。
という感じで、2点、エネ庁というか、経産省が所管だと思いますけど、やっぱり避難の、地元の同意、規制委員会の認可を経るけど、同意が進まないっていうのが障がいになってるっていう状況なのに、同意の障がいになってる避難の話を、何もお金かけずに済まそうと思ってるからこんなことになってる。何でこんな一丁目一番地のお金の工面をどうしようかなんて今からやるのかっていうのは、ものの優先順位をちゃんとつけれていないことの表れなので、そのものの優先順位を変えてもらえば、お金の工面という話というのは、基本的にGXのために必要だと、柏崎刈羽の再稼働というのが政府としてどうしても必要だと、推進するんだというのであれば、このお金を充てていくって決めればいいだけだと私は思いますよ。この会議で決めたっていいぐらいだったと思うけど、がん首そろってみんな出てきてんだから。何でこういうことでお金の工面を今頃やってるのか。それは、このGXの計画というものが、再稼働なんて、特別なお金かけなくたって進むでしょうってたかをくくってたということの表れなので、その認識を改めなければいけない。ほかの地域で同じようなことをしなくていいかどうかということも含めて、その計画から見直さなければいけないんじゃないか。エネ庁とか経産省というのはそれは反省すべきですよ。原発の再稼働がすごい重要だって言ってたのに、この程度しか準備してないって。このていたらくじゃ、原発の再稼働の推進なんて言えるんですかって、反省すべき案件だと思いますね。
ちょっと長くなりましたけど。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
○NHK:NHKの内野です。
柏崎刈羽の話が出てきたんですけれども、新潟県のほうがそういう要望されたということで、島根県のほうでは、国のほうとかにそういった要望をされたりとかっていうお考えはあったりするんでしょうか。
○丸山知事:要望してますよ。2号機の再稼働同意をして、避難路の拡充、してます。
○NHK:失礼しました。
○丸山知事:ともかく避難の実効性の向上を図るために、いろんなことが必要になるので、それは避難路の整備は一つの項目ですけどね、それは要望してます。
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp