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9月11日質問項目5

5.自民党総裁選
○山陰中央新報(原):お話にも上がったように、直近では自民党が総裁選を控えて、立民は代表選が始まっているという中で、やっぱり知事御指摘のとおり、現時点では地方をよくするための議論が十分になされてないというふうにお考えでしょうか。

 

○丸山知事:いや、私は地方をよくするというか、東京一極集中是正は、田舎のための政策じゃないと思っているので、日本全体をよくする政策だと思ってますから。過密で苦しんでる東京都の皆さんにプラスになる政策でもありますし、過疎で苦しんでいる地方にとってもプラスの政策だというふうに思っていますので、日本全体にとってプラスの政策を何で取られないのかなというのが不思議でならないという立場です。

 

○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございました。

 

○丸山知事:先ほどライドシェアの話をしましたので、もっと大事な話をさせていただきます。

 小泉進次郎先生の主要公約の一つに、聖域なき規制改革というジャンルがあって、その中の一つがライドシェアなんですけど、それよりももっと大きな話として、これはちょっと会見の文章の文字起こししかないんですけど、賃上げ、人手不足、正規・非正規格差を同時に解決するため、労働市場改革の本丸、解雇規制を見直します。誰もが求められ、自分らしく適材適所で働ける、本来当たり前の社会に変え、日本の経済社会にダイナミズムを取り戻す。来年度、法案を提出しますとありますけども、解雇規制を見直すと、賃上げができるのか。解雇規制を見直すと、人手不足が解消するのか。解雇規制を見直すと、正規・非正規格差を同時に解決できるのか。どういう経路でそういうふうになるのか、疑問です。

 一番疑問なのは、解雇規制というのは誰に課されているか分かりますか。解雇規制というのは、解雇するというのは当然使用者側なんです。使用者側に規制がされてるだけなので、働く側の人は別に辞めることに制限なんかかかってないんです。なので、別に解雇規制があるから自分らしく適材適所で働ける本来の当たり前の社会にとかって言ってますけど、解雇規制があるから働く場所が制限されるということはないわけです。解雇規制というのは、制約なく使用者、会社側が従業員を解雇できるということを意味してるんですよ。だから、まず解雇規制を見直すということと、今、転職について規制はないので、全く物事をずらして、間違ったことを書いてある。解雇規制があるせいで我々が転職を阻まれてるということはないです。じゃなくて、解雇規制が意味するところは、そういう自由なのではなくて、会社側が従業員を今よりも解雇しやすくするっていうことしか意味しないのです。なので、ここも認識が間違ってると思います。

 正規・非正規の格差を解決するのは、解雇規制を見直さなくてもできます。それはどういうことかというと、今は非正規の方の待遇を正規よりも下げているからそうなってるだけの話なので、別に同一労働・同一賃金を徹底する、完全に実現すれば、そうならないと思いますし、解雇規制を見直すと、正規・非正規の格差が同時に解決するというのは、実は当たってる。ここは間違ってないんです。なぜかというと、それは皆さんがイメージする格差是正ではなくて、正規の人を非正規と同じにするという意味での格差是正が実現できるということです。だって、非正規の人、不安定でしょ。雇用の継続という意味においては不安定な立場に置かれてる。解雇規制というのは、正規の人の雇用を不安定にするということなので、非正規の人の状況を上げるんじゃなくて、正規の人を非正規に近くするということとしか読めないんです。なので、そういうことを言われてるのかということを私は直接聞けないので、皆さんには、東京の本社の人に頼めないだろうけど、そういうことの確認が要るんだと思うんです。私は賃上げとか人手不足を解消するのは、これは財務力のある企業は流動化した、解雇された人を雇いやすくなるので埋まるでしょうけど、日本経済全体としての人手不足の解消には全然つながらないと思います。

 だから、この賃上げ、人手不足との、正規・非正規の格差を解決する、解消するっていうことを、一体どうやって解雇規制を見直すことで実現しようとされているのかってことは、これは本当にね、本当に影響が大きいですよ。こんな法改正されたら。働く人の相当の割合の人の雇用継続が不安定化するので、こんなことして、子どもつくりますか。会社の都合によって退職をいつ余儀なくされるか分かりませんという制度になったときに、若い世代の人たちは、自分の家庭とか家計のリスクを下げますよね。子どもを持とうとかいうふうに思えない、そういう社会を実現しようとしてるのかということを私は問題視をしていて、この点は本当に、直接会って話をしたいぐらいなんですけど、誰か聞いてくださいっていうのが、誰か聞いてくださいよ、本当に。社として聞いてください。非常に疑問です。

 私は、解雇規制の見直しが正規・非正規の格差是正を実現するとすると、それは正規の人たちの非正規化です。それしかない。そういうことを自民党として目指すのか。一番は、ある意味、いろんなことを上げられてますけど、ものすごく大事な項目です、これ。我々の社会、変わっていきますよ。

 もう一つ言いますけど、この非正規というものを、非正規、派遣労働というものを製造業に拡大するという大転換をされたのは小泉純一郎政権です。それは、そういう意味ではお父さんと同じ流れかもしれませんけど、親子2代で日本の雇用を、今で言う、全て非正規化していこうということを目指されているのかということをちゃんと、メディアか、ほかの候補者は聞いてもらいたい。これは本当に大きな影響がある。本当にこれで我々、私は、私の身分保障は4年ですけど、県知事というのは任期4年ですから、皆さん、解雇をするには一定の要件が要るっていうふうに判例で確立したものがありますけど、それを法律で見直そうということを、非常に有力な自民党総裁候補が言われている。でも、そのロジックというのは、普通に読めば、正規の人たちを非正規化しようということでしか理解できないことを言われてる。世の中が求めている話とは真逆ではないのか。

 私は、この正規・非正規の格差を解決するって言ったときに、そう普通思いませんよね。こうあったやつを、こうあるやつを、こうしますと思うでしょ。違いますよ。こうあるやつを、こうしますって言ってるんですよ。日本の雇用全体を非正規化しましょうと。それで得られるものは何なのか。それが日本の経済社会にダイナミズムを取り戻すというのは、それは企業経営者にとってのダイナミズムであって、家計、個人からするとリスクでしかない。日本人の一生に安定感を与えないという制度改正を、聖域なき規制改革としてやられようとしてるというのが本気なんですかっていうことを、きちんと政策、大事な政策なので、やっぱり、私は小泉進次郎さんに会えるような、そんな立場じゃないので、誰か本社の方にお願いして聞いてもらってください。お願いします。これはものすごく大事ですよ。ものすごく大事なの。思いませんか。大事ですよね。大事なんですよ。

 みんなが思ってることと真逆のことを言われてるんですよ。正規を非正規化しようということを言われてるんです。それは、企業経営者にとっては非常に魅力的なことを言われてる。でも、雇用される側からすると、とんでもないことを言われてる。それが、メディアの皆さんはちゃんと伝えないといけない義務があると思いますよ。こんな言葉面で書いて、規制改革を小泉進次郎さん言ってるとかって、何か体言止めぐらいで書いてますけど、ここは深掘りが要るんですよ。絶対に要るの。だって、有力候補なんでしょ。

 これ本当ね、本当に本社の皆さんにぜひ懇願してください。懇願してましたって、島根県知事が。

 もう一回言います。賃上げ、人手不足、正規・非正規格差を同時に解決するため、労働市場改革の本丸、解雇規制を見直しますって言われてます。誰もが求められ、自分らしく適材適所で働ける本来の当たり前の社会に変える。日本経済社会にダイナミズムを取り戻す。すさまじく美名を言われてますけど、言われてることは正規職員の非正規化であるということをちゃんと御本人に確認していただいて、それを国民というか、今の総裁選でいえば党員になるのかもしれませんけど、少なくとも総裁選で、総選挙ということになれば、申し訳ないですけど、国民の皆さんに知らせる必要があるんじゃないか。

 もう一つ要らんことを申し上げますけど、小泉政権の下で製造業の派遣解禁に大変な尽力をされた学者で民間出身大臣をやられた方は、その後、最大手の人材派遣会社の取締役会長に13年間在籍されましたよ。これは事実だ。自分は尽力してないと言われるかもしれませんけど、尽力したと言われている方は、日本の大手の人材派遣会社の取締役会長に13年間おられました。

 こういう、私は正規・非正規の格差という問題が非常に今の少子化に影響してると思う。雇用の不安定化というのは、日本の消費者に大きな影響を与えている。これ以上雇用を不安定にして、若い人たち、若い人じゃなくてもですけど、将来設計を立てれないような社会を進めていってしまったら、今以上に出生数が減って、韓国の出生率の低さを抜いてしまうんじゃないかと。そういう意味で、はっきりと人口減少問題をあんまり取り上げておられる候補者がおられないのは残念なんですけど、間接的に小泉先生のこの解雇規制の見直しというのは、日本の社会をどういうふうにしていくのかという問題提起をされているので、ちゃんと伝えてほしい。ちゃんとメディアの皆さんは、小泉候補のこの政策の意味をちゃんと伝えるのが公器の仕事ですよ。と思うので、最後は陳情。長くなりましたけど、日本のマスメディアの皆さんに陳情させていただきまして、個人的には重点要望みたいな感じですけど、させていただきたいと思います。これについて御質問がありましたらお受けいたします。

 

○山陰中央新報:山陰中央新報社の原です。

 それでいくと、やっぱり小泉さんが総裁になられるというところは危険というのと、それでいうと、誰が総裁になるべきかっていうのはありますか。

 

○丸山知事:私は、小泉先生がそれをちゃんと理解してこれを言われているのかどうか。これを、言われてることを意味するところは、正規労働を非正規に替えていこうということを意味してるんですけど、それで本当に正しいんですかっていう確認は一回要ると思う。いろんな方の意見を聞かれて盛り込まれた可能性もあるので、別にこの認識を変えてもらえれば、これは行き過ぎてるというふうに認識を変えられる機会はあってしかるべきだと私は思いますので、そういう意味で、これからの論戦とか、メディアからの問いかけで、この点について再度、自分の考えを整理してもらうということが必要なんじゃないかというふうに思いますし、なので、もう一つ言うと、こういう入れ知恵をされた人のことを、言うことを聞かないっていうことが大事です。意図してない、意図せず入れられたんじゃないかと私は思ってますけど、この入れ知恵をした人の言うことを聞くのは危険だというアドバイスだけはさせていただきたいというふうに思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。


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