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8月8日質問項目1

1.全国知事会
○山陰中央新報:山陰中央新報の曽田です。よろしくお願いいたします。

 

○丸山知事:お願いします。

 

○山陰中央新報:先週、福井県で全国知事会、石川県で能登半島地震の被災地復旧事業の視察をされました。まずは知事会についてお伺いしますけれども、御出席された所感についてお願いいたします。

 

○丸山知事:多くのテーマについて議論をさせていただきましたけれども、私からは、賃金の上昇に向けて、特に大企業と中小企業の間の取引の適正化、抜本是正が必要であるということや、遺族年金の見直しの問題などに触れまして、こういった状況が放置されるということが、実質賃金の低下、また大都市に大企業が集中しているということに伴って地域間の格差を拡大させる、そして将来不安を通じて子どもを持つことをリスクとして捉えてしまって出生数が減る、少子化が進むというふうな問題が生じるので、早急に是正すべきであるというふうに申し上げたところでございます。そういった内容を申し上げます。

 そして、新聞で取り上げられたのは、人口戦略対策本部の設置と緊急宣言についてでありますけれども、報道されておりますとおり、東京都の小池知事からは、集中の問題を東京という名前が入っていなくても全削すべきだというお話がありましたので、私は私の意見を申し上げ、注釈をつけての決着ということで決まったところでございます。

 私は、多数の知事は47都道府県一致して全国知事会の総意でというふうな、ある意味、そのスタイルにこだわられ、そこを重視されますけれども、小池都知事の認識が先日の知事会議で示されているような内容であれば、そもそも46対1とか、46道府県で物事を動かしていくということも視野に入れて考えないと、東京一極集中を是として、これを継続すべきだという人たちと、そうでない人たちをはっきりと分けて、論点を明確にしていかないと問題の改善は進まないと思います。

 私も実は、いつだったかな、AbemaTVに出て、この前、2回出たんですけど、2回目のときに思いましたけど、やっぱり東京の偉い方というのは、東京におられるいろんな社会的地位の高い方々というのは、これは都知事に限りませんよ、会社の社長さんとかメディアに出ておられる方々含めて、東京一極集中の中での成功者なんですよ。東京一極集中という仕組みの中で勝ち上がって、それなりの地位を築いてきた人たちからすると、それがけしからんという話をされると、当然邪魔をされると、邪魔というよりも反対されると、そういう、これを是とする人たちと、これを是としない人たちがいるという厳然たる今の現状ですから、それはもう現実問題として、その構造を変えていくということであれば、そういう構造だということを、世の中で、今回の知事会議もそれがはっきりした分だけ、十分に意義があったと私は思うんです。

 何か一枚岩になれずとかって、そんなこと、どうでもいいんですよ、はっきり言って。東京都知事は東京一極集中を問題だと思ってないし、是正する気もさらさらないということが世にはっきりさせられたということが大きな成果じゃないかと。それがいいのかということを社会として考えていく、いいのろしを上げていただいたという意味で、小池都知事に感謝をする。

 非常に明確に、東京一極集中のどこが問題なんだと、こんなこと変える必要ないと、私たちの足を引っ張るなという都知事のスタンスがいいのか。私は日本全体として正しくないと思いますし、東京の一部の新築マンション価格が1億円、1億1,000万円を超える価格になったとしても、やすやすとそういうマンション、住居を買えるという人たちにとっては全く問題ないんでしょうけど、ほとんどの、多くの東京都民の方々は、行き過ぎた過密で生活環境を悪化させているという、その状況を何となく仕方ないと思って諦めてるのかもしれませんけど、それを改善する策があるのに、それを放置してるという状況がいいのかということを東京におられる多くの方々にも問いかけなければいけないと私は思ってまして、そういった意味では、論点が明確になった。

 これ、たしか、ちょっと記事を持ってき忘れたけど、あったかな。これね、日本海新聞さんの記事で、多分、どこかの配信の記事だと思うんですけど、小池都知事のスタンスが非常に明確に示されたということが一番の成果だと私は思いますけども、さらに加えて、日本海新聞さんの、開催日翌日だから8月2日の記事の中で、一番最後、人口減問題、結束ならずという見出しだったですけど、一番最後のパラグラフに、「政府関係者は「小池氏は選挙に勝って無敵の知事になった。結束して人口減に立ち向かうという知事会の構想は絵空事だ」と突き放した」というパラグラフがあります。これが第2の成果です。

 これは東京の多分、日本海新聞さんの支社で取材されたわけじゃなくて、多分配信記事だと思いますんで、時事通信さんか共同通信さんかじゃないかと思いますけど、東京の永田町、霞が関を取材される記者の方々、誰かが政府関係者に取材してこういうコメントを取られたということなんですけど、それは通常考えれば、官邸におられるような方ですよ、普通考えればね。日本政府の政策決定の中枢におられる、これが政治家なのか事務方なのかは分かりません、私には。でも、日本政府、今の岸田政権のど真ん中におられる方が、知事会の構想は絵空事だと突き放したという、何か、げすみたいな認識しか持ってないということが明らかになったということです。人口減少を何とかしようっていう気があるのかというレベルの人間が、政府関係者として主要メディアの取材を受けるような枢要なポジションにいるということがはっきり分かった。真面目に人口減少をやる気がないという人が政府関係者としてコメントしてる。政治家なのか分かりません、役人なのか分かりません。でも、しかるべきポジションにいる方ですよ、これは。だから、人口減少の問題なんてほっとけばいいんだと思ってる、こういうコメントができる人が政権の中枢に座っておられるということを、みんな読み飛ばしておられると思いますけど、私からすると、クリアに教えてくれた。この2つですかね。

 だから、こういう人たちを相手にしなければいけないと。こういう人たちを、申し訳ないけども相手にしながら、こういう人たちの認識を変えて取り組まないと、人口減少対策も、一段の強化も、東京一極集中是正も実現なんかできない。私はみんなで仲よく、合意できるところで、なまくらみたいな、なまくらって切れない刃物のことだけど、何言っているか分からないような字面を並べて、何かみんなで一致結束してコメントまとめましたとかっていうことよりは、誰が反対してて、誰が賛同しててというのをはっきりさせて、主張を闘わせて、どっちが正しいのかということをやっていかなければいけない。

 分かりませんけど、総裁選があるんだったら、どう考えるのか、候補者がはっきり示してもらって、この政府関係者のような認識で日本政府をかじ取りしていこうと思われているのかどうかってことをはっきりしてもらう、そういうふうにマスコミが問うてもらう、ちょうどいいタイミングじゃないかというふうに思いますし、立憲民主党の代表選挙もあるでしょうし、非常にクリアになったわけですよ。このままでもいいじゃないかと、自分たちの住む環境は変わらない。東京は、自分の持ってる土地の価格は上がっていくし、自分の持ってるマンションの価格は上がっていくし、自分はいいところに住居を持ってるから、別に長い通勤電車に乗る必要もないし、まあいいんじゃないのという偉い人たちの話に乗っていくのか、それとも満員電車に乗って、5,000万出しても8,000万出しても駅の近くにマンション買えるかどうかみたいな、そんな生活をずっと強いられて、その値段が、8,000万がどんどん上がっていくと、教育費も上がっていく。

 東京都は、だから、私立の高校の授業料は無償になったけど、そこに入るため、名の通った大学に入ろうと思ったら、何か片仮名のついたような塾に行ったり、何か小学校の中学年とか高学年から塾に行って、そういう進学校のある、中学、高校に入ってもダブルスクールで予備校へ行ったりして、そんなゲームでいうとむちゃ課金していかないと子どもを一人前にできないみたいな雰囲気の中で子どもを育てないといけないということ、それはさっきのマンション価格と同じですよ。いや、そんなの別に左うちわで、私出せるからいいよと、別に子どもに月10万かけようが20万かけようが、そんなことできるからいいという人も一部にいるでしょう。でも、そんな人たちの口車に乗って、そんな金を負担できない人たちが子どもを持てない、結婚も難しいみたいな生活を強いられるという、そういう人たちだってたくさんいる、たくさん発生せざるを得ない。どちらかというと、そういう人たちは東京に住むのすら難しいみたいな、そんな世界になっちゃうでしょう。

 東京23区なんかに、今や東京23区にマンション、1億1,000万超えるということは、今、ここで育ってる島根の子どもたちが東京に出ていったって、マンションを買って東京23区に住むっていうことが相当難しいということです。それを実現できる子どもって10人に1人いるかどうか、そんな世界だってことですよ。そういうことを我々も、テレビが流してる、何か非現実的な幻想を基に憧れて、子どもたちが行ってしまうという現状があるけども、きちんとした現実を教えていかなければいけないってことでもあるかもしんない。そんな感じですね。

 なので、非常にプレーヤーの立ち位置がはっきりして、よかったんじゃないかと。「結束ならず」とかって書いてるけど、この書き方自体が、私は東京一極集中でいいんじゃないかと思ってる人の気持ちがにじみ出てる感じがするけど、別にそんな結束して、本当に何言ってるか分かんないような宣言をまとめるよりも、結束しないほうが、反対してくれたほうがいいよ。

 私は、本当は東京一極集中って書いて、注釈つければよかったというふうに思うぐらいだ。これでまとまるのかなと思ったので何も意見は言わなかったけど、あんななまくらに、なまくらっていうか、こっちからすると、もう100言いたいところを50に抑えてるような表現で、それでもけしからんと言われるなんて想定外ではありましたよ。でも、想定外に論点がクリアになった。東京一極集中是正なんていうのはやる必要ないというふうに都知事が言い放たれたということは、非常に論点の明確化、東京都政の立ち位置が明確に示されたという意味では、いい成果が得られたと私は思ってます。

 

○山陰中央新報:お考えはよく分かりました。

 

○丸山知事:分かった?

 

○山陰中央新報:はい、分かりました。

 一方で、国会議員や官僚の一部というのは、やっぱり東京都民であり、首都東京の動きというのはよく見ておると思うんですけども、それで知事会として国に物申していくというときには、都を巻き込むっていう必要性もあるんじゃないかという意見もあるかなと思うんですけど、それよりも、今の知事のお考えでいうと、知事会としては割れていたとしても、求めるものは求めるんだというお考えでよろしいということで。

 

○丸山知事:別に知事会が、知事会って名前は全会一致でしか使えないというんだったら、46道府県知事でやればいいじゃないか。数字を1引いて、都という名前を抜けばいいんだから。いいよ、別に。

 私は、物の決め方は別に、本当は過半数でできるはずだと思うけど、別に全会一致だから……。やりたくないっていう人は、やりたいと思うかどうか分かんないんだから、都知事がどう思おうが、我々からすると、都民、東京都に住んでおられる方にとって、トータルとしてはプラスの政策だということをきちんと伝えていくということですよ。

 これ、別に私も島根県知事だけど、島根県知事、別に独裁政権の長でもないから、選挙で選ばれてる、単なる代理執行人なんですよ。なので、主権者たる国民、都民、県民に理解をしてもらうということのほうがよほど大事じゃないかと。

 だって、言ってみれば、私からすると、これ、私の主張でいくと、東京都知事が言われてることが間違ってるということを都民の皆さんに理解してもらう。また、小池知事は、自分の言ってることは正しいと。その主張の闘いなんだと思いますよ。今のままで、マンション価格が1億5,000万になろうがいいじゃないかと、東京が発展していけばいいんだと。1億……。私は宝くじみたいなもんだと思うけど、買える人が増えるかもしれないしといって……。

 だから、そういうことです。なので、説得をするという方法もありますけども、説得というか、そういう主張を支えてる人たちの認識を変えていくということだと思いますね。

 

○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。

 

○時事通信:時事通信の勝又です。よろしくお願いします。

 全国知事会議の中で、人口減少への対応として、人口戦略対策本部の設置が決まったと思います。これについての受け止めですとか、知事会で人口減少問題について議論していく意義をどうお考えでしょうか。また、今後の議論ですとか動きに期待することなどあれば教えてください。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:さっきの話と基本的に受け止めは同じです。本部の設置と宣言の取りまとめはセットでやりましたんで、小池都知事は戦略本部の設置は反対とは言われませんでしたから、ちょっとそういう意味では違うのかもしれませんが、我々は人口戦略、私は人口減少対策だと思うけども、人口減少という今の状況を改善していくために、東京一極集中是正というものをそのまま置いたままで対策を講じるということにはならないという考え方なので、基本的には、先ほど申し上げた宣言案においてはっきりした対立というのは引きずっていくでしょう。なので、どういうことに期待するかということでいうと、私は知事会の構成員なんで、全国知事会が何かやってくれるとかっていう話じゃないので、我々メンバーとしてやらなければいけないということです。我々が頑張らなければいけない。東京一極集中是正に手をつける必要はないという方もおられるわけだから、だから、そういう方もおられますから、現実に。我々が、そういうふうに考えない人たちが一生懸命やらなければいけないということじゃないかと思います。なので、他人事のように、何か対策本部の本部長とか副本部長とかがやってくれるという話じゃなくて、やはり人口減少を何とかしなければいけないと強く思ってる人たちが一生懸命汗をかいてやらなければいけないと。

 だって、知事会の中でも、一極集中は別に関係ないと言われる方もおられるし、政府関係者の中には絵空事だといってせせら笑って終わらせる、何か一テーマ、仕事が減ってよかったとかって、そんなレベルでしょう、多分。一致結束して政府に実現を求めるなんて絵空事だと、絵空事で終わってよかった、ラッキーと思ってる人がいるわけだから、そんな人が左うちわで仕事しないというようなことにならないようにしなければいけない。そういうシビアな闘争だと思いますよ、ある意味で。やりたくない人が厳然としている中で、そういう人がやらないといけないようにしていく。反対だけど反対できないようにしていく、反対だと言ってる人が反対できないようにしていく、そういうある意味、政治闘争でしょう。みんながもろ手を挙げて賛成、総論賛成、各論反対じゃなくて、総論の中でも賛成しない人たちがいる。でも、それを賛成しない人たちが賛成せざるを得ないようにしていく、または賛成しないけど反対行動ができないようにしていく、そういうことなので、基本的には国民の皆さんに私言ってますけど、過密の問題を緩和していくというのは東京の住民の皆さんにとってプラスのことなので、それは、東京一極集中是正というのは、東京の住環境をよくしていくとか、これ以上悪化させないようにしていくという、そういう生活環境をよくしていくということにおいて、東京の厳しい環境の中で、言わばお金がたくさんあって、何とかヒルズとか、何とかガーデンみたいな、中央区とか千代田区の、でっかい、あの会社の本社が入ってる上にレジデンス造らなければいけなくなってるけど、そんなとこで、分かんないけど10億とか20億とかっていうマンションを買えるような人は、それは左うちわでいいでしょうけど、そんなのごく僅かで、ほとんど関係ない世界なんだから。多くの人たちからすると、いや、皆さんだって東京帰ったらね、どこかでマンション借りなければいけないし、買わなければいけない。こんな状況でマンションの平均価格が1億2,000万になったって1億3,000万になったって、東京が栄えてる証拠だと言ってる世界で大丈夫なのかというふうなことを問いかけていかなければいけないんだと思います。

 

○時事通信:ありがとうございます。

 全国知事会議での別の議論で、国民スポーツ大会についてもあったかと思います。国スポの簡素化と効率化で開催自治体の財政負担を軽減するという知事会案を決定したかと思うんですが、このことについての受け止めと、今後、日本スポーツ協会が国スポ改革に向けての議論を始めますけども、求めることなどあれば、お願いします。

 

○丸山知事:あんまり時間なかったんで発言しなかったですけど、一つ大事なことは何かというと、新聞の見出しにもなってましたけど、開催費用を半分、国庫で持ってくれというふうな項目も入れてます、改善項目として。なので、いろんな改善項目があるんだけど、一番大事なのは、実はそことそれ以外なんです。何かというと、国庫補助金が半分入ると思っちゃうと簡素化のレベルが下がるんですよ。だから、私は、国庫補助金を半分入れてくれるというめどがないんだったら、今、多分ないと思います、政府筋とかから半分持ちましょうなんて話が浮上したわけじゃないから。そんなこと実現しない、やってくんない前提で簡素化しなければいけない。半分持ってくれるからこれぐらいでいいんじゃないかとかっていう甘っちょろい簡素化をしないこと。お金の持ち方は引き続き今のことを、今のやり方が継続されるという前提で簡素化を進めなければいけないということです。

 もう一つは、特にその前提でいけば、我々は国民スポーツ大会の経費の最大負担者です。圧倒的負担者です、都道府県は。だから我々の意向が反映されないような検討結果になるようだったら、もうそんなものは知事会の代表の、これは、長野県知事、阿部知事だけど、もう席を立って、回れ右して帰ってくればいい。だから、単なる検討委員の一人だなんていう位置づけじゃないはずだ。もう拒否権を持ってる委員として参画してもらってるという、私はそういう認識です。

 なので、知事会の委員とか知事会がオーケーと言えないような内容で話がまとまってるということは絶対反対。なぜならば、我々は県民の皆さんの理解を得てお金を負担する最大の立場、最大スポンサーです、圧倒的スポンサーだ。その人たちの意見を聞かずして物が決まるわけがない。というその立場が違う。だからスポーツについて見識があるとか、そんなレベルの立場じゃない。どっちかというと、検討委員の一委員とかっていう位置づけじゃ、本当はないと思うけど。だから遠藤会長とかと同じ立場だよ、同格だよ。何か検討委員会の委員のレベルじゃないんだよ、はっきり言って。それは具体的に意見を言っていける立場のほうがいいだろうということで入られたと思いますけど、そういう、県民の皆さんの理解を得て多額の財政資金を投入しないといけない、非常に重い立場なので、軽々に扱われる立場じゃないはず。この2点です。

 なので、承服し難い内容であれば、もうさっさとそんな検討委員会の委員なんかやめて、離脱してきてもらうのがいいと思います。そんな指図、私できないけどね。それぐらいのことだと思う。検討委員会の委員として意見を聞いてもらうという立場じゃないはず。それは多分、スポーツ協会も理解してると思いますけど、そういうことで、私はその2点が大事だと思います。

 

○時事通信:分かりました。ありがとうございます。

 

○共同通信:共同通信の白神といいます。

 知事会の東京一極集中の話に戻るんですけれども、小池知事は、知事会の議論の中で、一極集中と日本全体の人口減少を関連づけるべきではないというふうな発言をされているようですが、知事はこれまで、知事会見の中でも、東京というのは合計特殊出生率が今1を割ってるような状況で、そこに人口が集中すると、さらに人口が輪をかけて減っていくというような、そういう発言をしていたというふうに私、認識してるんですが、そういう認識の下で、今回もこういうふうな議論をされているということでいいですか。

 

○丸山知事:そういうことなので、終始一貫して合計特殊出生率が最低だという数字、そこに最大の人口が、若年人口も含めてですよ、集積してるということが当然、全国平均並みとかの数字を東京都が実現できてるんだったら関係ないって言えるでしょうけど、関係ないわけないでしょ。

 若者の人口、子育て世代と言われる年代の方々が一番集積してる地域が、日本で一番出生率が低いということは、出生率を引き下げる要因になってる。明らかです、算数的に言って。これは数学じゃなくて算数のレベルだと思うので、理解できないっていうことが私は理解できないし……。だって、カイロ大学を首席で卒業されてるんですよ、小池都知事。分からないわけないと思うんだけど、私は、分かってるけど分からないふりをしてるんじゃないかというふうに思ってる。それは自分にとって都合が悪いから。だから、分からないと言われてるから説得しようとかっていうのは、何かあまり意味がなくて、嫌だと言ってるんだと思ってる。

 そんなこと、だって小学生でも分かることだもん。数字を並べて、その数字が少しでもほかに行けば最下位よりも1つ高いとこに行った分だけ、少しだけ出生数は増えるんだから。ですよね。だから、小学6年生が理解できる話だと思うので、私は小池都知事が理解できないと言われてるのは正確ではなくて、賛意を示したくないと。理解してないわけじゃない、理屈は分かるけど、東京にとってプラスにならないからとか、それは多分日本にとってプラスにならないからというふうな言い方をされてますけど、東京が日本を牽引していくんだと言われてますけど、少なくとも人口問題においては、日本の人口のアンカーというか、おもりになってるという。フロントランナーじゃなくてアンカーでしょ。

 なので、私は、最初に発言したときには、やはり東京が魅力的な世界都市として発展させたいという都知事の気持ちは、私は理解しますけど、でも、はっきり申し上げて、これはちょっともうちょっと下品な言い方で言いましたけど、衰退していく、これは人口が減り続ける、衰退していく国の首都が発展し続けるなんてことはあり得ない。衰退していく国の首都は衰退せざるを得ない。ある意味、当たり前のことなので、日本は衰退していくけど東京は栄え続けるなんてことは絵空事だと。政府が何か言ってたな。何だっけ、政府のコメントに似てるけどね。絵空事だと私は思うので、東京のポジションというのは日本の首都であると、日本の政治経済の中心地であるということによって達成できているのであって、そうすると、日本の国とか、日本の経済とかがシュリンクしていくということの影響は直接受けざるを得なくて、日本の人口が減り続けて、東京の人口は増え続けるなんてことはあり得ないし、日本が衰退をする中で東京だけが発展し続けて、永続的にそんなことが続くなんてことはあり得ないので、そういうあり得ない夢を描くべきではないというのが私の考え方です。なので、同じ考え方です。

 

○共同通信:ありがとうございます。

 

○山陰中央新報:山陰中央新報の曽田です。

 知事会議で、別の議論があったんですけども、全国学力テストの関係で、見直しを求める各県の知事の御意見があったかと思うんですけども、内容としては、毎年実施する必要がない、もしくは平均点を各県で比べることがどうなのか、または慎重な御意見というのもあったと思うんですけど、知事としてはどのように全国学テについてお考えがありますでしょうか。

 

○丸山知事:私は、学力テスト、要するに学校の中で一日テストやるんだと思うけど、テストの問題ではなくて、私は繰り返し言ってますように、学習指導要領の見直しをやるべきであって、テストの見直しなんていうのは、私は二の手の話だと思ってる。学習指導要領の見直しのほうが、そっちが本筋です。だから、小手先の学力テストの開催頻度を減らすとかっていうのは、私はあまり意味がないと思う。発言する機会もあんまり、何度も発言できない雰囲気で物事の時間設定がされてるのでわざわざ言いませんでしたけど、私は学力テストを見直すなんかよりも、学習指導要領を見直すべきだというのが私の考えです。

 私は、学校現場の人たちの意見を聞かなければいけないですけど、毎年やるというのは別におかしくないと思う。小学校6年生でやって中学校3年生でやるのかな。だから3年後に、小学校6年生が中学校3年生になったときに、どれだけ改善してるかとかということって、毎年やってれば見えるでしょう。だから、私はどちらかというと、テスト自体は、学校現場がとても大変だから、だから私ははっきり言って、全国学力調査のための点数を上げるためにあれこれやらなければ、別に1日の話だから、大した負担になるはずない。自然体で受ければいい。だから、島根県は多分そういうことやってないから、そういう負担はないはずだし、私は別に、基礎学力、去年からずっと言ってる、あの問題があれぐらいしか解けないということに衝撃を受けただけであって、別に島根県の数字が何かちょっと低かったな、55%に対して49%かな、6ポイント下がってるとかっていう話なんて、正直言って、小さな話だと私は思うんです。それよりも55%、日本全体でも55%しか解けてないってことに目を向けて、これを改善するためにどうすべきかってことを、どっちかというと、テストの結果を受けて教育行政とか教育がやらなければいけないこと、文部科学省を、それがやってないということです。それのほうが問題。

 何のためにテストをやってるかというと、子どもがこれだけしかできなかったということを受けて、例えば学習指導要領で見直さなければいけないことはないのかというふうに考えなければいけない。自分の立場で、学校の先生、学校で教えてる現場の先生が工夫をして改善できることはないのかって考えなければいけないし、制度として学習指導要領を見直さないといけないとこはないのかどうかって考えなければいけないし、私からすると、あの1問をもって、私からすると、もう結論見えてるんだけど、そんなことにも気づかない人たちが教育行政をやってるわけですよ。

 私は正直言って、教育からするとアマチュアだよ、アマチュア。文部行政なんてほとんどやったことない、教育委員会で仕事したこともないけど、アマチュアでも気づくようなことをプロが無視するって、プロじゃないよね。なので、こんなことぐらい、もう気づいてくれと、自分たちで。でも、多分、気づいてるけど、見て見ぬふりをしているということなんだと思うけど。

 学習指導要領が様々に盛りだくさんになり過ぎて、もう何かあっぷあっぷしちゃってるという現状を変えることのほうが私は大事だと思う。テストの見直しというのは、私は本質的な、今の教育が抱えてる問題の話じゃないというのが私の考えで、そんなことをやることよりも、学習指導要領の見直しをすべきだというふうに声を上げてほしいなと私は思う。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 


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