6月28日質問項目5
5.国勢調査の統計調査員不足
○山陰中央テレビ:ありがとうございます。TSK、宍道です。
先日発表されました、国勢調査員が不足してるという問題につきまして、すみません、改めて受け止めを教えていただきたいのと、国への要望など、今後の対応について、すみません、こちらも改めてになりますが、見解を教えてください。
○丸山知事:いろんな課題があるんですけど、まずは調査になかなか、特に個人の皆さんが協力していただくのが難しくなってる。そもそもオートロックで、玄関先まで行くこともできない。なので、マンションにお願いするのはできなくて、戸建ての住宅を回るしかないみたいな話もありますし、ともかく協力が得にくくなってる。そして低報酬である。そしてIT化とか事務作業の効率化が進んでない。そんないろんな課題がありますが、やはり一番大きいのは、今までも調査の重要性を理解していただいて、半ばボランティアで統計調査員の皆さんに協力をしていただいてできていたわけですけど、それができなくなってる一番大きな要因は、やっぱり協力をしてもらえなくなってるということが私は非常に大きな要因だというふうに思ってまして、それは、こういう調査なんで大事なんですということを個別にその調査員さんが説明しなければいけないような状況を、さっさとこれは改善しなければいけなくて、その調査を実施する側が、まず政府がやってる統計というのが、やっぱり政策をする上で必要なもので、例えば地方交付税でいうと、いろんなデータを使って交付税の配分を決めるわけです、いろんな資料を使って。なので、そういう、それは正しいことを前提にして使ってるものなので、その精度が高いということがものすごく大事で、統計というのはものすごく大事なものですから、そういう統計全般に対する理解、そして個別の調査、いろんな調査があります。一番有名なのは国勢調査ですけど、国勢調査以外にもいろんな調査があって、それぞれの役所がやっている、そういうものの必要性。だから、その協力を呼びかける行為というのは、これは統計をやる側が、公共側がきちんと広報なりなんなりを通じてもっとやらないと、それを調査員の皆さんに今担ってもらっているということが、それが大きな負担になってるし、やっぱりみんな忙しいと思いますよ。忙しいと思うけども、やっぱり統計の調査を頼まれたときに、それはできる限り協力をするのが望ましいことなんだっていう社会通念をつくっていくのは、それは統計調査を実施する側、公の仕事ですから、それをちゃんとやらなければいけないというのがやっぱり一番の改善点だと思います。
やっぱり忙しいから時間を割きたくないというふうに思われる方がおられるのは、これは仕方がないことなんだけども、そういう中で何とかやりくりすれば協力できるな、だから協力しようというふうに思ってもらえるインセンティブっていうか、その環境というのは、それは個々の調査員さんが何度も何度も訪問してとか、一人一人に説明してということではなくて、実施する側が政府広報なりなんなり、分かりませんけど、そういう協力を政府として、やる側として求めていく。それを基に、そういう環境をつくった上で調査員さんがお願いをしに行くという関係がやっぱりうまくいってないから、やっぱり政府に対しては統計調査の全般、そして個別の統計調査の必要性、そして協力をお願いしますということを実施する側が、統計の実施主体が、政府がちゃんとやるということが一番大事だというふうに思いますんで、そういうことを政府に求めていかなければいけないんじゃないかというふうに思います。
結局、これは何が起きるかというと、統計調査が、結局統計って、社会全体と近い標本の中から、全数調査ってそんなにないから、特定の人に偏ったり、例えば公務員だから協力してくれる、だから公務員のデータだけ、家計調査が公務員のデータに寄っていってしまう。そうすると、所得水準でいうと真ん中ぐらいか、真ん中よりちょっと上の数字だけに集まっていって、社会全体の数字を表せなくなる。そういった数字を基にして政策を判断するということになってくると、ピント外れな政策になりかねない。そういうことを回避しようと思うと、必要な、やっぱり幅広い方に協力をしてもらって、幅広いデータを取って、正しい政策判断をしていくということが大事なので、それは、言ってみれば日本の、ある意味、社会にとっての知的インフラなわけですよ、統計の調査結果というのは。それがこのままでいくと回収率も下がっていく、回答していただいたとしてもごく一定のグループの方に偏ったりして、日本社会全体を示さないデータを使い続けてしまうということを通じて社会全体がマイナスを被るということになりかねないので、やっぱりそういう状況を改善していかなければいけないと。それは統計調査員さんにもっと頑張ってもらうという話じゃなくて、役所側が取り組まなければいけないんじゃないかというふうに思います。
○山陰中央テレビ:ありがとうございました。
○共同通信:共同通信の白神です。
統計の調査員の件で、今回、県がまとめられた調査内容では、こういう調査員の確保不足が島根県に限ったことではなく、全国的にも同様の状況ではないかと考えられるため、全国の都道府県と連携して統計手法の抜本的改革を検討されるよう強く求めていくというふうな文言があるんですけれども、もし今決まっているような、こういった形で協力して要望したいというようなのが決まっていれば教えていただけますでしょうか。
○丸山知事:いや、今のところはまだ決まってないです。
○共同通信:県単独ではなくて、こういう課題を抱えている都道府県と協力してやっていきたいというような。
○丸山知事:うちの県は大丈夫ですって言えるとこなんて、多分存在しませんよ。島根県で見ても、津和野とか知夫村は何とかなります。松江はやっぱり厳しいとおっしゃってますから、やっぱり都市化の進展、都市化といいますか、都市のほうがより厳しいはずですから、正直申し上げて、島根県は多分、全国の中でいえば、問題はたくさんありますけど、一番厳しい部類じゃないはずです。多分、市街化区域が全域に広がってる大阪みたいなところというのは、どういうふうになってるかというと、津和野とか、うちでいうと今後も何とか確保できますと言っているところが僅かに残ってる県ですけど、そんな県、なかなかないぐらいだと思いますよ。なので、みんなが抱えてる、問題を抱えてないところがあるとはとても思えないので。
ただ、大事なことは何かというと、この状況を本当に心配しなければいけないのは統計を実施してる人たちなんです。こんな状況になってて、自分たちがやってることの中身の精度が下がってるかもしれないという状況ですよ、言ってみると。統計学からすると、標本が偏っていて。統計調査員さんとか、その間をつないでいる我々が問題意識を持ってるなんていうのは、ある意味、統計の在り方からすると本末転倒なんですよ。我々が要望して直すのではなくて、政府側が、現実知らないからぼうっとしてるんでしょうけど、伝えたら、本当はね、現実を伝えたら、これは大変だというふうに彼らが考えるべきことなんだけど、残念ながら、そういう意味では統計を真面目にやってない可能性があるな。もうルーチンでやってる。
当然、国勢調査とかってなると違うけど、それ以外の統計を本当に精度を維持していこうとかというふうに考えるんだったら、我々があれこれ要望して、何で私たちが要望するんだと。それは私たちは統計調査員の皆さんの負担を軽減しなければいけないから一生懸命やらなければいけないと思ってるけど、本来は、私が先ほど言った高邁な統計のべき論からすると、実施側が真面目に考えなければいけない。我々から言われなくたってやらなければいけない。もう本末転倒なのよ、この状況って。都道府県とか市町村が困ってるから何かしてあげなければいけないのかなっていうふうな態度で臨んできたら、あなたたち、ちょっと真面目に仕事しなさいというレベルなわけです。でしょ。ですよね。おかしいか、おかしくないよね。本当に。誰がやってんの。
要するに統計調査員さんにやってもらってるという感覚を持ってるんだったら、ちゃんとやれるはず。ちゃんとやらなくちゃいけないということをちゃんとやらないということは、やってもらってるって感覚がないということだよ。人の心がないってことだね。もうこれはそういうこと。
だから、正直言って、自分がやってる統計調査がどうでもいいと思ってるかどうかってことなんだと思いますよ。法律で書かれてるから仕方なくやってるんだとか、昔からやってるから仕方なくやってるんだという状況なので、真面目にやってくれないものは、もうやめたらどうかという話をしなければいけなくなる、最後はね。
都道府県知事が頑張ってやるとかっていう話では、統計調査員さんの皆さんの苦労を軽減するためにやらなければいけないことだけど、この問題というのは、自分たちがやらなければいけない仕事の精度がどんどん下がり続けて継続できなくなるかもしれないという意味において、実施主体である全国統計をやってる皆さんが真面目に考えるべきことだというふうに思いますけど、そういうことを理解してもらうための要望は要るかもしれませんね。
海抜ゼロメートルに達してない人たちを、海抜ゼロメートルぐらいまで引き上げないといけない。普通に考えれば、自分たちで問題意識を持って直してもらわなければいけない、自発的に直るはずだけど、何となく片手間な仕事になってるということのおそれはありますからね。
すみません、ちょっと何かあんまりまとまりませんけど。
○共同通信:ありがとうございました。
○丸山知事:メディアの皆さんも世論調査するときに、多分回答率下がったり、ちょっと立場は違いますけど、多分同じような苦労されてるんだと思いますけど、やっぱり社会、負担がどうしても回答する人に寄っちゃうんで、それがよくないんですけど、やっぱりある程度負担を分担して、みんなが協力してあげないといけないよねというふうな世論というか、雰囲気をやっぱり、統計を使う側の人たち、統計を使う側、つまり統計を実施する側の人たちがやっぱりいけないと思います。
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