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6月4日質問項目4

4.日産自動車の下請法違反

○中国新聞:中国新聞の新山です。

 日産自動車の下請法違反の関連で質問させてください。

 知事は先月27日でしたでしょうか、この日産の問題について、日産車を公用車として使うかどうかというのを検討されるというような発言をなされていますけれども、その後、日産が先月の31日でしたでしょうか、法令違反はその後確認されていないという社内調査の結果を、その時点でということですけれども、公表をしています。この日産側の調査の一定の公表を受けて、現時点での知事の公用車に日産車を使うかどうかという考えについて教えていただけますでしょうか。

 

○丸山知事:残念ながら、この日産自動車の記者発表の内容って、全く紙で出ていない。YouTubeとかの映像があるだけで、公表物はないという、非常に上場企業としてちょっと信じ難い記者発表の内容になってますので、残念ながらYouTubeの内容をちょっと担当の職員さんに確認してもらいましたけども、現時点で法令違反がなかったというふうにおっしゃられましたけども、より厳密に言うと、日産側の弁護士、これはね、日産が雇った弁護士ですよ、裁判官でも何でもない。日産側が雇った弁護士が、現時点で直ちに法令違反であるというふうに断定的に評価する状況ではないというふうに考えておりますという言い方です。つまり、現時点で直ちに言えるわけじゃないと。ということは、もっと調べれば、違法だというふうになるものがあり得るということを、これは文章の解釈でいうと反対解釈の手法ですけど、それを言ってるのと同じです。

 もう一つ言うと、断定的に評価する状況ではないということだから、法令違反だというふうに言い切れないけども、法令違反かもしれないというものがあり得るということを示しているんです。私、さっきちょっと日産に雇われた弁護士さんと言いましたけど、弁護士さんも商売ですから、人からお金もらってやったとしてもですよ、間違えたら自分の信用問題でしょ。だから間違えないように、ちゃんと留保つけてますよ。ということは、そういう限定的な条件の下での法令違反はないという言い方ですから、法令違反がないとかっていうことが確認できたというのは、これは間違いです、そういう言い方をするのはね。ですので、それをさらに、じゃあ調査するのかと。

 もう一つ言うと、その言い方を正確に確認するとそういう、何重もの留保がついた法令違反がないという言い方だということだということと、もう一つは、自分たちの調査ではあくまでも社内の関係者の話を聞いたということにとどまる。サプライヤー側、下請側の話を確認はしていないというふうに言ってます。したがって、内部調査にすぎないということですから、社内の関係者の話を聞いた限り、今のようなことだということですから、です。

 弁護士さんが、そのままはっきり言ってます、これははっきり言ってるんで言いますけど、最終的には公正取引委員会の御判断になろうというふうに思いますと言ってます。したがって、日産自動車自身で今回の調査結果を基に法令違反がなかったというふうに言っているということ自体は、そういうふうに言ってしまうのは間違いだというふうに私は理解を1つはしています。そういうことですね。

 現在、取引全般まで範囲を広げた総点検を実施中と、しているということで、もしかすると、これから出てくるかもしれませんねという話がある。

 それから、6月末を目途に公正取引委員会に防止策を提出するという予定だというふうになっていますので、今回の記者発表の内容というのは、あくまでも途中経過であるということ。で、6月末の公正取引委員会への防止策の提出というのの内容を待って、県としての車両購入の扱いについては、それを確認した上で判断していくことになるんじゃないかというふうに考えているところであります。

 

○中国新聞:車両購入の検討の内容について、すみません、東京での話をちょっと聞いてないのであれなんですけれども、これは新たな購入を検討した結果、控えるということなのか、それとも既に購入しているものも含めて手放したりとか、どういう検討になるか。

 

○丸山知事:前者ですね。新規購入の対象から除外するという期間を一定設けるということを検討するということです。あるものは当然使います。

 

○中国新聞:その判断を公取への日産からの防止策の内容を見て判断されるということでよかったでしょうか。

 

○丸山知事:そのほか、まだ報道があるかもしれませんよね。今回の報道を受けて、サプライヤー側の受けてる実際の仕事の中身が大分違うという話であれば、また別の報道があるかもしれない。そういういろんな周辺状況も含めて、公取への報告の内容だって、そういう反応があるかもしれない。言ってみれば、公取の報告で直ちにということじゃないと思います。したがって、様子を見なければいけないかなと。

 率直に申し上げて、今年度の車両購入というのは、基本的に手続を進めているんです、今。それはもう走り出しているので、今年度の購入を止めるということは、現実的にはもうないと思いますので、現実問題として対象になり得るのは来年度の話だと思いますから、そう慌てて判断する必要もなかろうというふうには、実務的に考えているということであります。

 

○中国新聞:分かりました。一連の対応を見て、その上で判断されるということで。

 

○丸山知事:はい。

 

○中国新聞:分かりました。ありがとうございます。

 

○共同通信:共同通信の白神といいます。

 先ほどの日産の話で、仮定の話になるんですけれども、どういった防止策の内容ですとか、サプライヤーの反応ですとか、どういったところを主に判断して、もし購入の中止を検討することになるんなら、どういった状況でそういうのを検討していくのか、もし今の段階で分かれば教えてください。

 

○丸山知事:基本的に、割戻金だっけな、一回払ったものを戻させるというのは、これはもうやめたと言って、今回の追加の報道でもそれが続いてるという指摘はないですよね。ですから、問題は、価格の設定の仕方が優越的地位の濫用と取られるような、つまりサプライヤー側、下請側が自分の意見を言えないようなやり方を続けるのかどうかというのが一つの大きなメルクマールだと思います。

 今回の会見の中でも、試作品を製造する一部の事業者に一定の減額率で自動計算される見積りフォーマットを使っていました。それはつまり試作品を、試作品という限られた分野でしか使ってませんとか、2015年に合意して使ってるフォーマットですという話がありますけど、なので、これ自体は違法じゃないという説明に使われてる話だけど、これを継続するのかと。2015年に合意して使ってるやつだから使い続ける、試作品に限定してるから使い続ける。それって価格転嫁をちゃんとしていこうという姿勢があるとは言えないと思いますよね。だから、価格転嫁すべきものをちゃんと対等な関係で受けていくというふうな取引体制にちゃんと改めていくかどうかということを、報告内容なりを見て判断していくことになるんじゃないかというふうに思います。

 正直言って、こんな……。もう一つの例は、参考価格と目標価格を示して、2回出し直させてたというふうな話もありますけど、どこがどうかという話は難しいとこありますけど、基本は、日本経済とか日本社会全体のために、適正な価格転嫁を社会全体で進めていかないと、中小企業まで含めた幅広い勤労者に対する賃上げなんか、実現しようがないわけです。世界企業である日産という大きな企業の、そのサプライチェーンのトップにある企業がちゃんとした対応をしなければ、少なくともそのピラミッドの下にある取引は適正な価格転嫁されませんから。だから、ここでちゃんと価格転嫁がなされるような取組がなされなければ、下請法で公取から勧告を受けようが、この程度でいいんだというふうな結果になるようであれば、日本社会で、政府が進めようとしている幅広い賃上げの継続的な実現なんていうのは、もう夢のまた夢。夢って何か見えるけど、何かもう見えもしない、何かこう、かすれ声でしか聞こえてこないような、映像もないみたいな、何かもう、実現なんかするわけないみたいなことになるわけですよ、普通に考えて。だから私は、政府の対応も含めて、私は消費者がフェアトレードとは言い難い取引でできた製品を、それが分かっていて買おうと思うかどうかという良識が試されてる。我々の社会を公正な、対等平等な形で構成していこうというふうにみんなが思えるかどうか、行動できるかどうかってことがある意味試されてるんだと私は思います。これは何かの義務とか、何かの法的な制約とかって話じゃありませんけど、SDGsで言われてるようなことの日本社会における一番大事な日本社会のサステーナビリティーが問われてるテーマなんです、取引価格の適正化というのは。

 なので、ちょっともしかすると皆さんから追加の質問があるかもしれないんではっきり申し上げますけども、この型式の、今回のトヨタとかホンダで判明したこと、この違いは何かというと、この問題は、多分ダイハツでも問題になって、それを改善していくというふうに会社の表明があって、改善がなされていったというプロセスで、改善しますと言って改善してないという報道なんてなかったです。だから、私は型式の今回の検査不正みたいな話というのは、国土交通省でこれからやられていく中で問題なく進むんであれば、こんな購入の検討を再考するみたいなことは必要ないと思う。でも、日産自動車の場合は、残念ながら、報道が虚偽だったかという可能性があるかもしれないけども、まあそういうことが疑われる状況になってると、改めると言ったことが改めてないんじゃないかということが問われる状況になっているので、それはダイハツなんかと同じ対応でない対応というか、検討していくということで、そこに、地方公共団体として特段の対応をしなくても改善をしていくというめどが立っているものとそうでないものの違いだという認識であります。

 私からは以上、はい、以上です。

 

○共同通信:ありがとうございます。

 


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