5月9日質問項目1
1.衆議院島根1区補欠選挙
○山陰中央新報:山陰中央新報の高見です。よろしくお願いします。
補欠選挙についてお伺いします。
4月28日に投開票がありまして、立憲民主党の亀井さんが約2万5,000票差ぐらいで自民の錦織さんを下したというところで、この選挙戦への受け止め、亀井さんに期待されることを伺えますでしょうか。
○丸山知事:結果は数字で表れていますので、それ以上のコメントはありませんけども、亀井亜紀子代議士、衆議院議員には、島根1区の小選挙区選出の衆議院議員として、島根県の課題、島根県の1区が抱えている課題の解決、そして国政で期待される役割を果たしていただくために御活躍を期待しているところでございます。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
これまで島根1区は自民の牙城だった、自民王国というところで注目もされた選挙区だったと思うんですけれども、自民党が敗れた敗因というのをどういうふうに見ておられますでしょうか。
○丸山知事:選挙に投票を呼びかける側として関わっておりませんので、正確な話というか、実感を持って申し上げれることはありませんけれども、普通に考えれば、政治と金の問題、自民党の国会議員の皆さんの中で発生した、その事実と、その後の後処理について、その内容は十分じゃないというふうな評価をされたということ、それと加えて、私はその前段にあると思いますけども、そもそもお金の問題という意味でいくと、この物価の高騰、円安が放置されているといった状況だったり、そんな中でインボイス、それから、これ、インボイスは中身的には課税強化ですし、今、国民負担を引き上げる新しい社会保険料を新設するという法案が出てきてるわけです。
私は、一つ一つの政策の必要性というのは、ミクロで言えば、それはあるから、そういう法案とかが出てきて、そういう政策が実行されているんだと思いますけども、やっぱり実質所得がこれだけ下がり続けている中で国民負担を求めているということの意味合いを、率直に申し上げて、裏金問題が出てきたときにきちんと認識されていなかった。つまり国民の生活が厳しくなってる、こんな負担増を求めていかなければいけないといったときにお金の問題が出てきて、それに対して、政治にはお金がかかるからというふうな、そういうふうに受け止められるような説明しかされなかった。その反発だと思います。
ですので、もともと生活が厳しい、事業が厳しいという状況に置かれている中で、政治家の皆さん、その一部だと思いますけども、自民党の一部の政治家の皆さんがやられたこと、やられてきたこと、それに対する釈明、それに対する責任の取り方ということが、納得をされる方が少なかったということ、私は要因は2つだと思います。
みんな政治と金の問題ということだけ言われてますけど、もともと生活が厳しくなってる、事業が厳しくなってる。当然株価も上がってるし、業績が堅調な企業もあるし、賃上げが大幅にできてる企業もあるから、みんなが苦しいわけではないけども、苦しいと思っている人がたくさんいるという中で出てきたお金の問題だということ。
その影響は、自民党の皆さん、島根における自民党に対する信頼感、これはもともと、保守王国という言われ方をされてきましたけど、私は島根県内の自民党の党員の皆さん、みんな真面目に、もともといろんな事業をやられていたり、いろんな重要な役職を得られて党員として活動されてたり、私、たくさん存じ上げてますけど、誠実な方ばっかりですよ。だから、現場の方々の、島根の自民党の党員の皆さんに対する反発ではなく、国政に対する、いや、そういうふうにせざるを得ない事情があるかもしれないなと思って、仕方ないと思ってきて、我慢してこられた方々が、やっぱりこの政治と金の問題、今回出てきた問題を見て、それはちょっとやっぱり許されないというふうに思われた方が多かったということが結果に表れているんじゃないかと私は思います。
どちら側に肩入れするという話じゃなくて、県知事として仕事をしている肌感覚で言うと、辛抱強い、真面目な島根県民、島根県の党員の皆さんがどんなに頑張っても、通常だと、やっぱり自民党だよねと思ってもらえる人から、今回は駄目だと言われて支持が広がらないということ、こういう事態に直面される結果になった。やっぱりどんなに島根県の自民党の県連の皆さんが頑張っても、ある意味、岩盤のようにして、その反発というのをはね返すのは難しかったということじゃないかと私は思います。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
関連して、すみません、政局に与える影響みたいなところも伺いたいんですけど、今回の3補選が。
○丸山知事:私は全く、それに関しては知見がありませんから。
○山陰中央新報:はい。
○丸山知事:でも、私が東京で何が行われてるかとか、東京でどういう方がどういう考えで動かれてるかということについて私は存じ上げないので、東京での動きについてどうだこうだということは分かりませんけども、島根県でこれだけ大差で負けるということは、ほかの選挙区だったらどんなことになるかと。島根県民の皆さんがこれまでの自民党に対して寄せられてきた信頼というのが厚いという意味で、私は保守王国だと思います、まず、自民党に対する信頼感がもともと高い地域。それが崩れ去ったとは私は思ってません。
これはたしか投票日の1週間前の情勢取材の結果を中央新報さんが共同通信と一緒にまとめられて、詳しく報道されてましたけど、政党支持率と次の衆議院選の比例代表でどこに入れるか、政党支持率は自民党のほうがはるかに高いけども、衆議院の小選挙区比例の投票先は立憲民主党に逆転しちゃって、負けてるでしょ。でしたよね、数字ははっきり書いてなかったけど、円グラフ的に言うと。だから、政党としての信頼感を失ってるわけじゃない。ただ、次の国政選挙において投票すべきかといったときに、常日頃の政党支持をそのまま投票行動にシフトさせるということは難しいというふうに評価されてるということ、もうあれが明らか、ものすごい分かりやすいデータだと、そこまで書いていいのかなと思うぐらい如実な数字というか、グラフだったですけど、なので、島根県における自民党の支持率、いわゆる政党支持率が根っこから下がったということではない。そういう意味で保守王国だと思いますけれども、近々の国政選挙において投票する先として選べないという方が相当程度おられるということは、やっぱり深刻に、ほかの地域だと、政党支持率が下がって投票先としても下がるということだってあり得るでしょうけど、そうなってないというところでいうと、底堅い自民党に対する支持というのはあるんだと、私はあの数字を見て思ったところです。投票結果に対する調査じゃないけど、情勢調査でそういう結果が出てるということを見ると、そういうことじゃないかというふうに思います。
国民の生活がやっぱり年々厳しくなってると。それに対する不満というよりは、それを我慢して何とか乗り越えなければいけないというふうに我慢してきたけども、政治をやられてる側の方の中でああいう問題が露見し、露見したときの説明が非常に粗雑だったし、責任の取り方として十分だというふうな、少なくとも評価をされてないということなんだというふうに思います。ですので、国民の生活がやはり物価高騰、円安進行で厳しくなってるという状況にちゃんと正面から向き合って何ができるかというふうに、そこから対応してもらうということが大事なんじゃないかというふうに思いますし、その側面がやっぱり大企業と中小企業の格差、これは明らかですから、それがパラレルに大都市と地方の格差で出てるわけなので、保守王国だけど典型的地方ですから、経済が全体として堅調だと言われているけども、その堅調だということの恩恵が及んできてないということの裏返しでもあるでしょうから、そういう大企業と中小企業の格差、大都市と地方の格差というものを埋めていくということを含めて、政策をやっぱり追加してもらったり見直してもらうということが大事だというふうに思います。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
すみません、ちょっとこれも関連してなんですけども、補選の結果を受けて、県のほうにはどういう影響があるかというところなんですけど、例えば知事はこれまでの議員への要望とか、東京に行かれることもあると思うんですけれど、これまでは与党だけを回ればよかったというとこが一つあったかと思うんですが、これはどのように変わっていくか、お考えでしょうか。
○丸山知事:いや、地元選出国会議員の皆さんには当然、島根県がやっていく要望は伝えていくつもりですので、でも、国会議員さんの数が増えるわけではないので、別に何か手間が2倍になるとか、そんな話じゃないですね。
○山陰中央新報:国会議員として、一人一人議員さん回られるというところは変わりないということですかね、亀井さんに関して。
○丸山知事:一人一人回るという回り方、回り方はいろいろありますけど、それは亀井先生にも説明する機会をもらわなければいけないでしょうね。
○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。
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